健康診断が会社負担になる場合と自己負担になる違いについての解説

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会社の健康診断は、年に1度はあるものです。しかしその費用が自己負担になっていることに疑問を持っている人も少なくありません。しっかり仕事をするには健康でいることも大切です。会社の健康診断を有効に活用しましょう。

ここでは、会社の健康診断が自己負担になるケースや対象者はだれなのか、会社の健康診断の実施時期、実施されないのはどういうことなのかなどを解説していきます。

会社の健康診断は基本的に会社負担

会社の定期健康診断は、基本的には会社負担で行われるものです。

労働安全衛生法第66条に定めがあり、基本的に定期健康診断の費用は会社負担です。会社は、従業員を健康な状態で働かせるという義務、つまり「安全配慮義務」をおっているという考えから、この定めがあります。

しかし、会社の定期健康診断でも、場合によっては自己負担になることがあります。考えられる自己負担のケースは以下の通りです。

オプション検査は自己負担

会社が行うべき定期健康診断の項目も、法律でしっかりと定められています。それ以上の検査は、オプションとして、定期健康診断の時に受けることも可能な会社も多くあるでしょう。

ただし、オプションの検査は、会社の義務には含まれないため自己負担です。

一般的な定期健診のオプション検査としては、35歳以上が対象の胃部エックス線検査、女性が対象の乳房検査や子宮検査などが代表的です。

再検査の費用は基本的に自己負担になる

法律で定められている会社の健康診断の費用負担は、一次検査までです。

定期健康診断で再検査を受けた場合には、会社の規定によって、自己負担の場合と会社負担の場合があり、会社は、再検査が必要である旨を、該当する従業員に通知する義務があります。

再検査の項目が脳または心臓に関することや、一次健康診断の結果、血圧検査、血中脂質検査、血糖検査、肥満指数(BMI)検査すべてで再検査の場合なら、労災保険の二次健康診断給付金を受給できることがあるでしょう。

自己負担がなく、再検査を受けることができるかもしれないため、再検査の内容が給付対象になるか確認する事をおすすめします。ただし、給付金の受給は、1年に1度の利用に制限されています。三次検査が必要だとしても、その際の検査料は自己負担です。

指定された機関以外で受けた場合は全額自己負担

会社が健康診断を受診する医療機関を指定している場合には、「その場所以外」で受けた際に健康診断の費用は自己負担となるのが基本です。

これは、健康診断は会社単位で契約をし、多少の割引が適用されている場合が多いためです。契約している医療機関以外で受診してしまうと割引が受けられず、会社にとっては負担が大きくなってしまいます。

ちなみに、会社での定期健康診断を他の医療機関にて自己負担で受けると、高い場合には1万円以上の支払いになることもあり得ます。その結果を会社に報告しなければ、定期健康診断を受けたとは見なされません、注意しましょう。

対象者は正社員以外も含まれる

会社の定期健康診断の受診が必要な従業員の定めは以下の通りです。

期間の定めをなしとしている契約者(正社員)
期間の定めのある契約により使用される労働者で、1年以上使用されることが予定されている者、及び更新により1年以上使用されている労働者(契約社員など)
1週間の労働時間数がその事業場で、同種の業務に従事している労働時間が通常の労働者の労働時間の4分の3以上の者(アルバイト・パートなど)

アルバイト・パートについては、各会社の規定に違いがあるため、該当する方は確認しておくとよいでしょう。

健康診断の実施時期は会社によって違う

会社の定期健康診断は、1年に1回の義務づけがあるだけ、その時期の指定はありません。

イメージとして4月と思っている人が多いのは、雇用時の健康診断があるからでしょう。雇用時の健康診断も義務付けられているため、新入社員が多い時期にあります。

定期健診は、会社によって実施時期が違います。

会社が健康診断を実施しないのは違法

会社が健康診断を実施しない場合には、法に定められた「安全配慮義務」に違反していることになり、罰則があります。その罰則は、労働安全衛生法の第120条に定められていて、50万円以下の罰金に処されることがあります。

もし、今働いている会社で健康診断がないのなら、まずは会社に直接聞いてみるのがいいでしょう。会社の規模や従業員数に関係なく、健康診断は実施されるべきものです。

会社に聞き入れてもらえない場合には、近くの労働基準監督署に相談してみるのがよいでしょう。

健康診断についてのまとめ

  • 会社の定期健康診断は、費用は会社負担で実施することが「安全配慮義務」のひとつとして、労働安全衛生法に定められています。
  • 会社の定期健康診断で自己負担になるケースとしては、オプション検査を受診した場合、再検査の場合、会社が指定した医療機関以外で健康診断を受診した場合などが考えられます。
  • 指定医療機関以外で健康診断を受診した場合には、1万円以上の費用になることもあります。また、健康診断の結果は会社に通知しなければいけません。
  • 定期健康診断の対象者は、正社員だけでなく、1年以上の契約や契約から1年以上経過した契約社員など、1週間の労働時間数が同じ職場・業種の人と比べて4分の3以上の者のアルバイト・パートなども対象になるので、会社に確認してみましょう。
  • 健康診断の実施時期は1年に1回あればいいだけで、時期については特に定めはありません。対象者であるにもかかわらず、会社が健康診断を実施てくれない場合には、まずは会社に掛け合ってみましょう。
  • どれでも聞き入れてもらえない場合には、近くの労働基準監督署に相談してみましょう。未実施の会社には、50万円いかの罰金が科せられることがあります。

 

会社が健康診断を実施しない以外にも、社員の事を無視して業務を続けさせるブラック企業は、いまだ日本に多く残っています。