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日常生活やビジネスシーンで耳にすることの多い「支障をきたす」ということばは、実際に使ったことがあるという人も多いと思います。
一方で、本来の意味や使い方が分からず、曖昧なまま使っているという方も少なくありません。そんな方たちのために、今回は「支障をきたす」の意味や使い方、ビジネスで使える英語表現などを詳しく解説していきます。
「支障をきたす」の意味と概要
「支障をきたす」は、「物事に悪い問題が起きている」という意味です。
「支障をきたす」の「支障」は、以下の意味を表しています。
- 邪魔
- 差し障り
- 妨げ
一方、「支障をきたす」の「きたす」は、以下の意味を表しています。
- 招く
- 生じさせる
- 引き起こす
つまり「支障をきたす」とは、問題によって物事に好ましくない影響が生じること、滞りなく進んでいたことが問題によって妨げられていることを意味しています。
「支障をきたす」の漢字表記は「来す」または「来たす」
「支障をきたす」の「きたす」は、漢字で表現すると「来す」あるいは「来たす」です。本来「来たす」は、ある事柄・状態を招く、生じさせるという意味です。「支障をきたす」を文書などで表現する場合にも、しばしば漢字表記が使われています。
まれに「期たす」など、異なる漢字で表わされることもありますが、元々「来たす」以外に「きたす」と読むことのできる語句は存在しないため、他の表現は全て誤りです。
「支障をきたす」に敬語表現は無い
「支障をきたす」には、敬語表現がありません。「きたす」自体が動詞であるため、一般的な動詞と同じように、後ろに続くいい回しによって表現する形が変わります。
基本形「きたす」の語幹は「きた」で、それに続く活用形によって、以下の様に言葉が変化します。
活用形の中でも、連用形の「きたします」が敬語や丁寧語に最も近い表現です。
「支障をきたす」の使い方と例文
「支障をきたす」は幅広い場面で用いられる言葉です。
この項目では、「支障をきたす」の使い方として3つ取り上げました。
ビジネス上での使い方
ビジネス上における「支障をきたす」の使い方としては、次のようなものが挙げられます。
台風や大雨などの天災によって交通機関の運営が円滑にできないと判断された場合、前もって運休を決定し告知する計画運休が行われることがあります。
計画運休をすることによりその日交通機関を利用する予定だった人は事前の策を練ることができ、大きな混乱を未然に防ぐことを期待しているわけです。
しかしながら計画運休の発表が間際であれば代替手段を用意する期間もその分短くなってしまいます。
この例では、そのような事情で明日からの出張にも好ましくない影響が出ることになりそうだということでしょう。
プロバイダーの回線トラブルや社内サーバーのダウンなどで、全社的にインターネット接続ができなくなってしまうことがあります。
今回の例だと、何らかの理由で今朝から全社的にインターネット接続ができなくなっているので、業務に悪い影響が出ている状態が続いているということです。
日常生活での使い方
日常生活における「支障をきたす」の使い方は、以下のようなものが考えられます。
受験生がいる家庭では、受験勉強の邪魔にならないようにテレビを観たりゲームをしたりすることを控えるというケースが見受けられます。
過度に気を遣われるとかえって勉強に集中できないという受験生もいるでしょうが、なるべく勉強に集中してもらうための配慮をしようとしているわけです。
今回の例でも上記のような理由から、息子の受験勉強に悪い影響が出ないように、家ではテレビを観ないようにしているということでしょう。
損得感情が強い人は、人付き合いにおいても自分がいかに得するかを考える傾向があります。
この例では、自分のことばかり考えていると交友関係に悪い影響を及ぼすだろうということです。
体調に対しての使い方
体調に対しての「支障をきたす」は、下記のような使い方があります。
暴飲暴食や睡眠不足などの生活を続けると、体調を崩してしまうことがあります。
今回の例でも同様で、健康に気をつけない生活を続けていると、体調に悪い影響を及ぼす恐れがあるということです。
「支障をきたす」の言い換え表現
「支障をきたす」の類語には、以下の表記があります。
- (悪い)影響が出る
- 障害となる
- 問題が発生する
ビジネスシーンであれば、上記のように表現されることが一般的ですが日常生活では「迷惑をかける」「行き詰まる」など、より簡単な表現が使われています。
「支障をきたす」の反対語
おさらいになりますが、「支障をきたす」は「物事に悪い影響が起きている」という意味です。
その意味を踏まえて、「支障をきたす」の反対語としては「思い通り」や「順調」などが挙げられるでしょう。
またそれらの反対語を使うと、以下のような例文を作ることができます。
業務やプロジェクトを行う上で、不測の事態が起きたりして計画通りに進めることができないというのはよくあることです。
そのような事態を防ぐためには、前もって入念に準備をするなどの対策をすることが求められます。
この例では、そのように事前準備をしっかりとしておいたおかげで、今回のプロジェクトが思い通りに進めることができたということです。
「順調」は「予定通りに物事がうまく進む様子」といった意味です。
今回の例では、新規の取引先との交渉は現在のところうまく進んでいるということを表しています。
「支障をきたす」の英語表現と例文
「支障をきたす」と直訳される英語表現はありません。代わりに「物事の邪魔をする」「問題を引き起こす」という意味では、一般的に以下の言葉が使われます。
- interfere
- cause
- hinder
「物事の邪魔をする」「問題を引き起こす」を表す英語を使った例文は以下の通りです。
(彼の失敗が私たちの計画の邪魔をした。)
(小さな失敗が、大きな問題を引き起こす可能性がある。)
(あの問題が、私たちの仕事を妨げることはない。)
「支障をきたす」についてのまとめ
- 「支障をきたす」とは、それにより物事に悪い影響が出ること、滞りなく進んでいたことを邪魔されることを意味します。
- 漢字では「支障を来たす」と書くのが正しい表現で、「影響が出る」「迷惑をかける」などと同じ意味で使用されます。
- 特に敬語表現というものはなく、目上の人と話す場合には「支障をきたします」と伝えるのが一般的です。
- 「支障をきたす」はビジネス上や日常生活、体調に対してなど幅広い場面で使われます。
- 「支障をきたす」の反対語としては、「思い通り」や「順調」などが挙げられます。
- 英語では直訳できるいい回しが存在しないため、「interfere/hinder(邪魔をする)」や「cause(問題を引き起こす)」などで代用しましょう。