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「ご多用」は「ご多忙」とよく似ていますが、ビジネスシーンはじめ日常でも、誰かに何かを依頼するときに前置き言葉の中で使うことがあります。「ご多用」の意味、使う場面そして「ご多忙」との違いなど例文を交えて紹介します。
「ご多用」の意味
「多用」の意味には、「用事の多いこと」や「忙しいこと」や「多く使用すること」などの意味がありますが、ここに尊敬語の「ご」が付くことで、「目上の人の用事が多くて忙しくされていること」をさす言葉になります。
「ご多用は」どんなときに使うか
1.要望を出したり依頼をするとき
「ご多用中恐れ入りますが…」といったように、クッション言葉のひとつとして、誰かにお願い事をするときに使います。気持ちとして、「いろいろ用事が多くて忙しいときに悪いのですが…」という謙虚さを伝えた後に、本題のお願いに入るための言葉です。
2.やってもらったことに感謝の意を伝えるとき
「ご多用」に含まれる気持ちは同じですが、「ご多用にもかかわらず…」と前置きすることで相手の状況に配慮した後、やってもらったことに感謝の気持ちを強く訴えます。
似た言葉「ご多忙」との違い
「ご多忙」の意味
「ご多用」に近い類義語に「ご多忙」があります。これは、非常に忙しいという意味の「多忙」に尊敬語の「ご」が付き、前述の「ご多用」同様、目上の人の忙しい状況を表します。
ご多忙は「忌み言葉」
「ご多忙」も「ご多用」とほぼ同じ意味で、使われる場面も一緒ですが、「ご多忙」には、忌み言葉の側面があります。忌み言葉というのは、縁起の悪さを連想させ敬遠される言葉のことです。
理由は、多忙の「忙」という字が心編に「亡」で、死に通じることをいっています。その結果、結婚式などの目出度い席の挨拶で、「ご多忙にもかかわらず」といういい方はふさわしくないといわれます。
「ご多忙」と「ご多用」の違い
ビジネス上で「ご多忙」はあれこれ仕事があって非常に忙しいという解釈です。一方、「ご多用」は公私に関係なく、それぞれに用事があって忙しいという解釈ができます。
しかし、「ご多忙」も「ご多用」も、忙しさの状況を推測した言葉としてはほとんど違いがありません。
原因と結果の関係と考えればわかりやすいと思います。用事が多い(多用)という原因で、その結果非常に忙しい状態(多忙)になったわけですが、どちらも「お願い事をするにはなかなか時間の融通が利かない」ことには違いはありません。
ちなみに、「多忙な日々」とはいっても、「多用な日々」とはいわない理由は、結果である状況をいうときには当てはまりますが、原因は状況ではないので当てはまらないともいえます。
ビジネスシーンでの「ご多用」の例文
ビジネスシーンでは、「ご多用」「ご多忙」を無理に使い分ける必要はありません。ビジネス文書、メール、電話共通で以下にいい回しに変化をつけた例文を紹介します。
「ご多用中とは存じますが」の例文
「 ご多用のことと存じますが」の例文
上記2つの使用例文にあまり違いはありません。いずれも、相手の忙しさに配慮した後、続く用件文を端的に伝えることが大切です。
「ご多用のところ」の例文
「ご多用の折」の例文
上記の2つに共通しているのは、「多用なときに」が冒頭に来ていますが、続くクッション言葉が必要で、「誠に申し訳ございませんが」「ご無理申し上げますが」と入れてから用件の依頼に移ります。
「 ご多用中にも関わらず」の例文
この例文のみ、終わったことに感謝の気持ちを表す前置き分になっています。したがって、最後は「ありがとうございました。」という過去形で締めくくります。
「ご多用」についてのまとめ
- 「ご多用」は、「多用」(用事の多いこと。忙しいこと)に尊敬語の「ご」が付いたもので、目上の人などが用事が多くて忙しい状態を指す言葉です。
- 「ご多用中とは存じますが…」といったように、何かお願い事をする時に、「いろいろ用事が多くて忙しい時に悪いのですが…」という配慮の気持ちを伝えたい時に使います。
- また、「ご多用にもかかわらず…」となると、相手への感謝の気持ちを強く述べることになります。
- よく似た言葉で「ご多忙」がありますが、相手に配慮した気持ちは同じです。多少のニュアンスの違いはありますが、ほぼ同じように使って問題はありません。
- ビジネスシーンだといい回しとしていろいろな使い方がありますが、お願い事や感謝の気持ちを丁重に伝えるのが目的です。