「進展」とは?意味や類義語、進捗との違い、例文などを解説

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この記事では進展という言葉について解説しています。進展はビジネスシーンでよく使われますが、進捗や伸展、進行などの同義語と混同しやすい言葉でもあります。字面も似ていますので、誤用を防ぐにはそれぞれの正しい意味を理解しておかなければなりません。

この記事では進展の正しい読み方と意味をはじめ、進捗、伸展、進行との違い。ビジネスでの使い方や類義語、英語表現についてくわしく解説いたします。

進展の読み方と意味


「進展」は「しんてん」と読みます。意味としては「物事や事態が進行して新たな局面を迎えること」「物事が進歩して発展すること」などをあらわす言葉です。「のび広がる」という意味もありますが、単に「広がる」のではなく、「新たな段階に発展するという」ニュアンスがあります

進展の「進」という漢字には「すすむ」「前に出る」「良くなる」「向上する」「上の段階にあがる」「さしあげる」などの意味があります。また「展」は「並べる」「連ねる」「広がる」「広く見る」といった意味を持つ漢字です。

「進展」は「進」と「展」を合成して、物事や事態が進歩発展することを意味する熟語になりました。進展は良い方向に発展する意味で使われることが多い言葉ですが、「病状が進展する」のように「事態が段階的に悪化する」という意味で使われることもあります。

「進捗」との違い

「進捗(しんちょく)」は「物事がはかどること」を意味する言葉です。進捗の「捗」は動詞で「捗る」と書いて「はかどる」と読みます。「進捗」は「仕事や作業などが計画通り順調に進むこと」という意味でビジネスの場でも良く使われています。

たとえばシステム開発や建設工事のように着工から完成までの過程をフェーズやステップなどの枠組みに分けて進める場合に、「プロジェクトの進捗状況を報告する」といった表現で作業や計画が進行している度合いをあらわします。

進展も作業が進行して新たな局面に進むという意味では同じですが、進捗の場合はあらかじめ決められた工程を予定通りこなして次の段階に進むというニュアンスが強く、「新たな局面」といえるほどステップアップする意味にはならないことが進展との違いです

「伸展」との違い

「伸展」とは「伸び広がること」「伸ばして広げること」「規模や勢力などが伸び広がること」などを意味する言葉です。「伸展」の「伸」は訓読みで「のびる(伸びる)」と読み、「のびる」「のばす」「のばして広げる」「述べる」などの意味があります。

「進展」にも「広がる」という意味はありますが、ただ単に広がるというよりも「進歩または悪化して新たな局面に移行する」というニュアンスが強く、「あちこちに伸び広がる」というニュアンスは「伸展」ほど強くありません

伸展は特にビジネスの場で「成長」や「拡大」の意味で「店舗を全国に展開してテリトリーを伸展する」「知名度を伸展させる」といった表現でよく使われます。

「進行」との違い

「進行」は「乗り物が目的の地点に向かって前進すること」「活動や作業などが予定通り進むこと」「粛々と進めること」「癌などの病気やさまざまな事象が気づかないうちに進んでいること」といった意味を持つ言葉です。

進行は事態が特定の方向に進むことをあらわし、伸展のように「広がる」という意味はありません。また作業や計画などが予定通り進むことをあらわす、という意味では進展と似ていますが、進展には作業が予定通り進んで新たな展開に入るというニュアンスがあります

要約すると進行は「レールの上を目的地に向かって淡々と前進する」という意味合いが強く、進展は「進歩して新たな局面に発展する」というニュアンスが強いことが違いです

進展のビジネスでの使い方や例文


ビジネスシーンで「進展」を使う場合は「進展がある(ない)」「進展を遂げる」のように名詞として用いるか、または「進展する」という表現で「物事が進歩発展する」「事態が進行して新たな局面に入る」「事態が意外な方向に進行する」などの意味をあらわします。

進展を名詞として用いた例文

経年劣化の進展を抑制するためにコーティング等のメンテナンスを定期的に実施する。
新型コロナウイルスの感染拡大を機にワクチンの研究開発技術はめざましい進展を遂げました。

進展を「物事が進歩発展する」という意味で用いた例文

リチウムイオン電池に関する技術と充電インフラの整備が進展した結果、電気自動車の普及率が飛躍的に高まっています。

進展の類義語


進展と似た意味を持つ類義語としては、先述した「進捗」「伸展」「進行」のほかに「推進」「前進」「展開」「発展」などの言葉をあげることができます。

推進は「物事を前へおし進めること」「物事を目的や理想の状態に向かうように努めること」「目標の達成に努めること」などの意味を持つ言葉です。進展よりも物事の進歩や目標達成を後押しするというニュアンスが強いことが特徴です。

前進は「人や動物、乗り物などが前へ進むこと」「物事が良い方向に動くこと」「物事の程度や状況、進歩の度合などが進んでいること」をあらわす言葉です。

展開は「広げること、または広がること」「物事を繰り広げること」「発展や向上すること、またはさせること」「次の段階に進むこと」「集まっていたものを散開させること」などを意味します。物事や事態が前に進むというニュアンスはあまり強くありません

展開はビジネスの場では「事業などを幅広く行う」という意味で「国内事業者の海外ビジネス展開を後押しします」といった言い回しで使われます。

最後に発展は「物事が進行して広がっていくこと」「低くとどまった状態からより高く、より豊かになっていくこと」「勢力が伸びて広がること」「盛んになること」などを意味する言葉です。俗語では「色欲が高まり異性や酒などにふけって遊び歩くこと」をあらわします。

進展の英語表現


「進展」を英語で表現する場合は「development」か「progress」を用いるのが一般的です。developmentは「進展」「発達」「発展」「発育」などをあらわす単語で、ほかにも「宅地などの造成や開発」「造成地」「団地」といった意味があります。

日本では不動産開発業者のことをカタカナ語で「デベロッパー」ともいいますが、developmentがその語源です。

progressは「経過」「進行」「進歩」「前進」「発展」「発達」「成り行き」などを意味する言葉です。たとえば計画がどれほど進んでいるかをたずねる場合は「How is your progress?」と表現できます。

「development」や「progress」以外の口語表現としては、たとえば学校で宿題や卒論などの進捗状況などをたずねる場合に「How much you have done?(どれくらいやった?)」という表現も使えます。

まとめ

  • 「進展」は物事や事態が進行して新たな局面を迎えることをあらわす言葉です。
  • 「進捗」は仕事や作業などが計画通り順調に進むことを意味する言葉です。
  • 「伸展」は「伸び広がること」「規模や勢力などが伸び広がること」などを意味する言葉です。
  • 「進行」は乗り物が前進すること、活動や作業が予定通り進むことなどをあらわす言葉です。
  • 「進展」の類義語には「進捗」「伸展」「進行」「推進」「前進」「展開」「発展」などがあります。