就職の履歴書・面接で中退はどのような印象を持たれるか

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※この記事は2019/03/05に加筆修正いたしました。

高校や大学、専門学校などを中退した方は、履歴書に「中退」と書くと就職活動に不利ではないかと不安に思うかもしれません。
中退したのに「卒業」と書けば経歴詐称になるのは当然ですが、ならば最初から入学しなかったことにしようと、最終学歴を中卒や高卒にしてしまう人もいます。
でも履歴書は人事採用の判断材料にもなる重要な資料です。「中退」はイメージが悪いからといって学歴を偽ると、私文書偽造の罪に問われる可能性があります。
たとえ自分にとって都合の悪い経歴でも、履歴書には正直に記載するのが賢明です。

この記事では、学校を中退した人が就職活動で不利にならない履歴書の書き方や面接対策をはじめ、高卒認定や大卒資格を取得する方法などについて解説していきます。

 

  • 中退、除籍、退学の違い
  • 中退についての履歴書の書き方
  • 中退について面接で聞かれた場合の答え方
  • 高卒認定の取り方
  • 大卒の資格の取り方

 

 

中退とは

そもそも「中退」とは、どのようなことを意味するのでしょうか。「中退」とは「中途退学」の略語です。「中途退学」は児童や生徒、学生などが、卒業や修了を待たずに学校をやめることをいいます。
「中退」には、自発的に退学する「自主退学」と、学校の懲戒処分を受けた懲戒退学があります。履歴書には、どちらも「中途退学」と書いてもかまいませんが、面接時に退学理由を聞かれたときには正直に答えましょう。

中退と退学、除籍の違いとは

前述のように「中退」は「中途退学」の意味ですが、「退学」には、大学院の満期退学や単位取得退学のように「中途」ではないケースも含まれています。
満期退学とは、大学院の修士課程か博士課程で、修士号か博士号を取得しないまま修業年限を迎えて退学することです。また、単位取得退学とは、博士課程で必要な単位は取得したものの博士号を取得できず、退学を余儀なくされることをいいます。博士課程は博士号という学位を取得するための修学課程ですので、単位をいくら取っても、かんじんの博士号が取得できなければ「博士課程修了」とはなりません。そのため「単位取得退学」と記載するのですが、一般的な退学と違い、単位取得退学は博士課程の修学は終了した、という意味になります。

では「中退」と「除籍」の違いは何でしょうか。厳密に言えば「除籍」とは、生徒や学生の卒業や修了、退学、転学をはじめ死亡などの理由により、学籍を抹消する手続きのことです。「除籍」そのものは懲戒処分を意味する言葉ではありません。

しかし一般的には、学費未納や修学規則違反などにより退学させられることを「除籍」と呼ぶことが多く、イメージはあまりよくありません。もちろん懲戒処分とは無関係の「除籍」もありますし、懲戒処分の場合でも、学校の在籍記録を抹消されるわけではありません。学校によっては除籍証明書も発行されますし、学費未納で除籍されても、学費さえ納入すれば復学できる学校もあります。

除籍でも履歴書は中退と記述してもよいのか

結論から言えば、除籍でも履歴書に「中退」と書いてかまいません。ただし退学証明書の提出を求められた場合、人事記録上は退学ではありませんので、除籍証明書が発行されることになります。採用面接で「なぜ学校を除籍されたのか」と問われたら、正直に理由を答えなければなりません。

履歴書で中退と書く場合、理由についても書くべきか

たとえば大学を中退したのにそれを履歴書に書かず、「〇〇高校卒業」を最終学歴に記載した場合は、学歴詐称になります。
そのことが就職後に露見すると懲戒解雇されることもありえます。

中退も立派な学歴のひとつです。正確に記載しなければなりません。中退の理由については、「家庭の事情で修学が困難になった」など、やむを得ない事情や、「技能を取得するため」といった前向きな進路変更であれば、そのことを堂々と付記するのが良いでしょう。逆に、正直に書くのがためらわれる場合は、「〇〇大学経済学部経済学科を一身上の都合により中途退学」のように書き添えるのが無難です。

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面接で中退について聞かれた場合の答え方

履歴書の学歴欄に「大学中退」と書けぱ、面接で理由を聞かれる可能性が高くなります。そのときは正直に事実を伝えなければなりません。
大切なのは、事実を正直に話しながらも卑屈にならず、前向きな姿勢を積極的にアピールすることです。

「大学中退」の経歴は、就職には不利ですが、逆に言えば不利な経歴だからこそ、卒業者にはできない経験をしてきたことをアピールできる強みもあります。
自分の失敗を冷静に分析し反省しながらも、「馬鹿な自分」を明るく笑い飛ばせるような開き直りも重要です。
くれぐれも退学した学校を批判したり中傷したりすることだけは避けてください。

面接の際には、社会人としての良心や適性に問題がないことを、面接官にしっかり伝えるように心がけましょう。

高校中退の場合

中退したのが大学ではなく、高校だった場合はどうでしょうか。日本では大学と短期大学の進学率は6割に達しています。
高校なんか卒業してあたりまえのように思えるだけに、高校中退という学歴は、何かと良くない先入観を抱かれる可能性があります。

たとえば「いじめで不登校にでもなったの?」とか「勉強がいやで辞めたの?」とか「グレてドロップアウトしたのでは?」などと意地悪なツッコミをされるかもれません。「高校さえまともに卒業できない者に、仕事を任せられるだろうか?」そんなふうに疑われてしまうかもしれません。

だからこそ、自分はそんなチャランポランな人間ではないこと、仕事に対する責任感は人並み以上にあることを、相手に理解してもらわなければなりません。たとえ高校を中退した理由がネガティブなものだとしても、それを明るく正直にカミングアウトできるぐらいの開き直りが必要です。面接でいやなことを聞かれても、明るくハキハキと自己アピールして、面接官にやる気と誠実さを感じさせましょう。高校中退だからといって、卑屈になることはありません。「私を雇わないと後悔しますよ」と面接官に啖呵を切るぐらいの気持ちでのぞんでください。

高卒認定の取り方

「高卒認定」は高等学校を卒業していない方が、高卒者と同等以上の学力があることを認定する試験のことです。正式には「高等学校卒業程度認定試験」といいます。
かつては「大学入学資格検定制度」と呼ばれ、その名のとおり大学の受験資格を得るための試験制度でしたが、高卒認定制度になってからは大学や専門学校の受験だけでなく、さまざまな資格試験や就職試験にも対応できるようになりました。

もっとも、高卒認定は、高卒資格ではありませんので、認定試験に合格しても「高等学校卒業」と称することはできません。高卒認定を得ても、次に大学や短大、専門学校などに進学しない限り、最終学歴は「中学校卒業」になります。ただし高卒認定の取得者は、履歴書の学歴欄に「高等学校卒業程度認定試験合格」と記載することができます。高等学校卒業資格を得るには、通信制や定時制を含む高等学校をほんとうに卒業するしかありません。

大卒資格の取り方

大卒資格を取得するには、大卒資格を得られる大学か専門学校に入学し、所定の単位を取得したうえで卒業するのが一般的です。

働きながら大卒を取るには

さまざまな事情により働きながら学位取得をめざす場合は、放送大学をはじめとする大学通信教育や、大学の夜間学部で修学するという方法があります。
特に放送大学は、全ての講義をインターネットで配信しており、いつでもどこでも好きなときに学べるように、通信指導もWebを通じて行います。講義や試験を受けるためにわざわざ登校する必要はありません。学位はもちろん修士号を取得することも可能です。

他にも各種大学が設置する通信教育課程を終了することで、大卒資格を取得することができます。基本的には大学から送付される教科書や文献などを元に学習し、通信添削により指導と評価を受けますが、大学によってはスクーリングという面接授業による一定の単位取得を義務づけている場合もあります。

また夜間大学については、全国的に減少傾向にありますが、東京理科大学の理学部や東洋大学の文系学部には「第2部」や「イブニングコース(夜)」の名称で夜間学部を設置しています。
下記サイトでは、大学名と所在地、学問分野、取得できる教員免許、諸資格、受験資格などのデータを検索できます。ご自分の希望に合った大学やコースを調べてみましょう。

参考:大学通信教育ガイド

就職、履歴書における中退の印象に関するおさらい

この記事のおさらいは以下の通りとなります。

  • 自主退学も懲戒退学も、学歴は「中退」となる
  • 大学院の満期退学や単位取得退学のように「中退」ではないケースもある
  • 除籍でも履歴書に「中退」と書いてよい
  • 中退の事実を履歴書に書かないと学歴詐称になる
  • 履歴書に中退理由を書き添えた方がよい
  • 高卒認定は認定試験に合格すれば取得できる
  • 大卒資格は放送大学をはじめ大学の通信教育課程や夜間学部で取得できる