この記事では、「掉尾」の、類語、表現について考察します。

「掉尾」という言葉をご存じですか?文学作品などでは時々見かける言葉ですが、日常生活においてはほとんど使わない表現です。

「掉尾」は、では使われる言葉ですから、知らないと恥をかくこともあります。この記事を通じて、「掉尾」の意味や使い方を学び、ご自身のスキルアップにつなげてください。

「掉尾」の読み方・意味・使い方


「掉尾」とは、「ちょうび」と読み、「物事が最後になって勢いが盛んになること」もしくは「最後」の意味です。「ちょうび」という読み方が正式ですが、小説などの作品中には「とうび」とふりがなが振られるケースが多くなっています。

そのため、一般的には「とうび」と読まれ、辞書にも「慣用読み」として「とうび」という読み方が記載されています。

「掉尾」の語源

「掉尾」の「掉」の意味は「ふるう」「振り動かす」です。捕まった魚が死ぬ直前に「尾を振る」ことから、「物事が最後になって勢いが盛んになること」「最後」の意味になったと言われています。

「掉尾」は、以下のように小説の中で使われています。

・小生はあれが掉尾だと思って自負して居るのである。
 漱石氏と私 /高浜虚子(著)
・此時代に於ける開山の最後を飾るにふさわしい掉尾の業績であった。
 山の今昔 / 木暮理太郎(著)
・その白兵戦のうちに各人が掉尾の勇を振った。
 ジャン・ヴァルジャン / ヴィクトル・ユゴー(著)

一般的な文章の場合、「掉尾」は以下のように使われます。

・全勝同士の優勝決定戦は、千秋楽の掉尾にふさわしい白熱したものになりました。

「掉尾」のさまざまな使われ方

cf.
「掉尾」は、小説などでは「掉尾」単独で使われますが、一般的の文章では「追尾を飾る」の熟語で使われることが多くなっています。

「掉尾を飾る」

「掉尾を飾る」とは、「物事の最後を立派にしめくくること」の意味です。

・彼の引退試合は、まさに掉尾を飾るのにふさわしい好プレーの連続でした。
・政治家なら、最後ぐらいはジタバタせずに掉尾を飾ってほしいものです。
・ドーム公演の最後は花火が打ちあがり、掉尾を飾るにはふさわしい演出でした。

また、「掉尾の一振」や「掉尾文」という表現があります。

「掉尾の一振」

「掉尾の一振」とは「とうびのいっしん」と読み、株式用語として使われています。
「掉尾」が「物事が最後になって勢いが盛んになること」の意味から、「株価が年末の大納会に向けて上昇する」という株式相場の格言になっています。

「掉尾の一振」は、投資家たちが年末に向けて株価が上昇することの期待を込めた意味合いもありますが、機関投資家が運用成績を良く見せるように年末に向けて買い注文を入れる「お化粧買い」をおこなうこともあります。

・実体にそぐわない「追尾の一振」では、相場は長続きしませんね。

「掉尾文」

「掉尾文」とは、「文尾になって初めて文意を完結する長文」のことです。英語の「periodic sentence」の和訳で、いわゆる「倒置法」によって書かれた文章と言えるでしょう。

「倒置法(とうちほう)」とは、「文を普通の順番とは逆にする表現」のことで、小説などによく使われる手法です。

例えば、「君の声が聞こえるよ」という文を、倒置法で表現すると「聞こえるよ、君の声が」になります。つまり、「聞こえるよ」だけでは、何が聞こえるか判断できず、文章としては完結していませんね。

「掉尾文」の例としては以下のような長文があります。

・1時間も前に待ち合わせ場所についてしまいました。せっかちな性格の私は。
・修理不可能だと思われた車が復活したのは、元修理工だった友人のお陰です。

「掉尾」のビジネス上での使い方

敬称
ビジネスで「掉尾」を使う場合は、「掉尾を飾る」という熟語で使うのが一般的です。また、証券関係者であれば、会話や文章の中で「掉尾の一振り」を使うこともあります。

・定年退職する部長の掉尾を飾るために、何かイベントを企画したいですね。
・今回の新商品は、当社の大型モデルの掉尾を飾るものになります。
・企業の活動が低迷する中、年末の株価には「掉尾の一振り」が欲しいものです。

「掉尾」の類義語と例文

MBA
「掉尾」の類語では、「最後」「終幕」「ラスト」「結び」「挙句の果て」「有終の美」などがあります。

最後(さいご)
物事のいちばんあと。いちばんおわり。

例文
・葬式では、故人らしく人生の最後を飾るような素晴らしい演出を期待しています。

終幕(しゅうまく)
演劇が終わること。物事が終わること。その終わりの場面。

例文
・長引いた2国間の紛争も、ようやく終幕を迎えることになりました。

ラスト
最後。最終。終わり。

例文
・聖火ランナーのラストを飾ったのは、あの伝説のアスリートでした。

結び(むすび)
文章や相撲の取り組みなどの終わり。

例文
・ビジネス文の最後には、かならず結びの言葉を入れるようにしましょう。

挙句の果て(あげくのはて)
とどのつまり。最後の最後には。

例文
・ギャンブルで借金を重ねた親父の挙句の果ては、路上生活者という現実でした。

有終の美(ゆうしゅうのび)
物事をやりとおし、最後をりっぱにやりとげること。

例文
・彼は、引退試合でもスーパーゴールを決め、有終の美を飾りました。

「掉尾」の対義語と例文

KJ法
「掉尾」の対義語は、「劈頭」という言葉があります。また、広義では「冒頭」「幕開け」「滑り出し」「序章」「嚆矢」なども対義語として考えられます。

劈頭(へきとう)
物事のいちばん初めのこと。

例文
・臨時国会は、大臣の汚職疑惑で開会劈頭から紛糾しました。

冒頭(ぼうとう)
文章や会話の初めの部分。物事の初めの部分。

例文
・大統領の演説は素晴らしく、冒頭から多くの人々の心をつかみました。

幕開け(まくあけ)
幕が開いて演技が始まること。物事が始まること。その時期。

例文
・AI技術を搭載したロボットの登場は、新しい時代の幕開けと言えるでしょう。

滑り出し(すべりだし)
物事が進行し始めること。その時期。

例文
・開発した商品の評判は良く、新規事業は快調に滑り出しました。

序章(じょしょう)
小説などで本題に入る前の前置き。

例文
・つらい出来事や理不尽な仕打ちは、次のステージへ向かう序章だと思えば良いのです。

嚆矢(こうし)
物事の始まり。最初。

例文
・会社の嚆矢から知っている部長の言葉には、どこか重みが感じられます。

「掉尾」の英語表現

忌憚
「掉尾」の英語表現には、「last」「conclusion」があります。

・He was the last of the successor to the throne the country.
 彼はその国の掉尾を飾る人物でした。
・Her piano performance brought the concert to a successful conclusion.
 彼女のピアノ演奏が音楽会の掉尾を飾りました。

まとめ この記事のおさらい

・「掉尾」は、「物事が最後になって勢いが盛んになること」の意味で「ちょうび」と呼びますが、一般的には「とうび」と呼ぶことが多くなっています。
・捕まった魚が死ぬ直前に「尾を振る」ことが語源。
・「掉尾」には、「掉尾を飾る」「掉尾の一振」「掉尾文」などさまざまな表現があります。
・「掉尾」の類語は、「最後」「終幕」「ラスト」「結び」「挙句の果て」「有終の美」など。
・「掉尾」の対義語は、「劈頭」「冒頭」「幕開け」「滑り出し」「序章」「嚆矢」など。
・「掉尾」の英語表現は、「last」「conclusion」があります。