ここでは「エレガント」という言葉について解説いたします。

「エレガント」は日本語としては比較的定着度の高い外来語のひとつです。誰もが知っている言葉なので、かえって語源や意味などに関心が向かない傾向もあります。

そのため最近では「エレガント」と「エレガンス」が混同されることも少なくありません。

外来語の意味の混乱は、訪日する外国人にとって悩みや誤解のタネになることも。

そこでここでは「エレガント」と「エレガンス」の違いも含めて詳しく解説してゆきます。どうぞ最後までお読みください。

エレガントの意味と使い方

「エレガント」は「上品な」「優雅な」「気高い」「簡潔ですっきりしている」「外見や所作が洗練されている」など、特に女性のファッションや身のこなしの美しさ、気高さ、魅力に対する賛辞をあらわす言葉です。

「エレガント」は形容動詞ですので、「エレガントな人」「エレガントなドレス」というように名詞をつなげて用いるのが基本です。

英会話では特に「elegant」の「エル」の発音に注意してください。コツは舌先を上の前歯の裏に軽く押し当てて発音することです。

当て方が不十分だと、「エル」が「アール」の音に聞こえてしまい、「elegant」と言ったつもりなのに、「arrogant(横柄な)」に聞こえてしまうこともあります。

最近はアメリカのスラングで「arrogant」をダジャレで「errogant」ということもあります。こちらは「elegant」の発音ミスにもっと似ているので、くれぐれも誤解されることのないように気をつけてください。

エレガントの語源

エレガントの直接の語源は英語の「elegant」やフランス語の「élégant(またはélégante)」です。

ほかにもドイツ語やイタリア語、スペイン語、オランダ語など、ヨーロッパ言語のほとんどが「elegant」または「elegante」で共通しています。

このように「elegant」が多くの言語に広まっているのは、もともとの語源がラテン語の「eligere」にあるからです。

かつてラテン語は古代ローマ共和国の公用語でした。ローマは全盛期には地中海沿岸の全域を支配しました。そのため公用語のラテン語も広く普及し、のちの言語に大きな影響を与えました。

ラテン語の「eligere」は「精選する」「引き抜く」という意味の言葉です。

現在でも英語で「集める」という意味の「collection」をはじめ、「選択する」という意味の「selection」、「選挙」を意味する「election」など多くの単語の語源になっています。

やがて「elegans」は「精選する」の意味から、上流階級の人々が選びぬいたおしゃれでハイセンスな服装をも意味するようになりました。それが現在のように優雅さや気高さ、上品さをあらわす「elegant」になったといわれています。

「エレガントファッション」とは

時代が平成から令和に変わり、ファッションのトレンドも若者向けのストリートスタイルから、エレガントなスタイルに移ってきています。いま流行の「エレガントファッション」とはどのようなファッションなのでしょうか。

ファッションとしてのエレガントとは、優雅なこと、装飾が過剰すぎず、上品ですっきりしていることです。

デザインとカラーが洗練され、優しく落ち着いた雰囲気があり、シンプルでありながら女性らしく、フォーマルな気品を感じさせるスタイル。ひとことでいえば「大人の気品」に満ちたファッションです。

「エレガントファッション」というと、いかにも和製英語のようですが、英語でも「elegant fashion」は「シンプルで美しく、優雅で小綺麗なファッションスタイル」という意味で通用します。

「エレガント」と「エレガンス」の違い

最近「エレガント」と「エレガンス」がよく混同されますが、「エレガント」は形容動詞、「エレガンス」は名詞です。

「エレガント」の場合は、「今日の彼女はエレガントですね」といった言い方になります。一方、「エレガンス」は名詞ですから、「今日の彼女はエレガンスですね」とは言いません。それでは「今日の彼女は『気品』ですね」と言うのと同じになります。

正しい用法は「今日の彼女にはエレガンスがありますね」あるいは「エレガンスに満ちていますね」といった表現になります。

一部には「エレガント」はファッションを、「エレガンス」は人の内面の気品をあらわす意味で使い分ける傾向も見られますが、原語の「elegant」や「elegance」にそのような用法はありません。

エレガントのビジネス上での使い方

日本では「エレガント」も「エレガンス」もファッション用語として扱われています。一方、英語などの外国語では、「elegant」や「elegance」にはビジネスで使える意味もあります。

それは「非常にシンプルで明快、かつ正確な解決策」という意味です。

たとえば発明家のエリアス・ハウは、ミシンを開発する時に、針の先端に穴を開けて糸を通すことを考案しました。このように「コロンブスの卵」的な発想や発明、人をうならせるような解決策も「elegant」や「elegance」と表現されます。

Maybe I can help you to find elegant solutions to tackle your problems.

たぶん私なら、あなたの問題を解決する最善の策を見つけられると思います。

Elegance is about finding the finest solution to a problem with the minimum parsimony of expense and effort.

エレガンスとは、費用と労力を最小限に抑えて最善の解決策を見つけることです。

エレガントの類義語と例文

エレガントと同じような意味を持つ類義語としては「優雅」「高貴」「上品」「清楚」「可憐」などをあげることができます。英語では「classy」「gorgeous」「gracious」「sophisticated」などがあります。

「清楚」の例文

お隣のお嬢さん、見た目はとっても清楚でおきれいだけど、趣味は空手と筋トレですって。ああいう人を「男前女子」って言うのね。

エレガントの対義語と例文

エレガントと逆の意味を持つ対義語としては、「荒削り」「下品」「粗野」「低俗」「野暮」などをあげることができます。
英語では、「common」「crude」「dingy」「earthy」「vulgar」などがあります。

「野暮」と「荒削り」を含む例文

彼女はデビュー当時は歌もダンスも野暮で荒削りな子でしたが、いまじゃアイドルグループのセンターですよ

エレガントの英語表現

英語の「elegant」の意味は日本のカタカナ英語よりも幅広く、「粋な」「渋い」の意味も含みます。当然、男性にも使います。

There was an elegant silver-haired man stood nearby a bar counter, sipping a cocktail.

バーカウンターの近くにエレガントな銀髪の男がひとり立ったまま、カクテルを飲んでいた。

また「elegant」は精神的な充足感をあらわす意味にも用いられます。

Feeling elegant is a feeling when you love yourself and don’t matter what others say.

エレガントな気分とは、自分を愛し、他の人が何を言っていても気にしないときの気持ちです。

まとめ

「エレガント」は女性のファッションや身のこなしの美しさ、気高さ、魅力に対する賛辞をあらわす言葉です。
「エレガント」の語源は語源がラテン語の「eligere」です。
英語などの言語では「エレガント」は「非常にシンプルで明快、かつ正確な解決策」という意味でも使われます。