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この記事では、「脇」の意味や使い方、「脇付と外脇付け」、類語や対義語、英語表現について考察します。
「脇の下」や「脇が甘い」など、「脇」はよく使われる言葉ですが、手紙などに使われる「脇付」や「外脇付け」は馴染みが薄い表現かもしれません。
「脇」は、ビジネス上でもよく使われる言葉です。この記事を通して、「脇」に関する言葉の意味や使い方をきちんと理解し、ご自身のスキルアップにつなげてください。
脇の読み方・意味・使い方
「脇」は、「両腕の付け根のすぐ下のところ」や「目指すものからずれた方向、横」の意味で、「わき」と呼びます。また、能では主人公の相手役のことを呼びます。
「脇」は身体の部分を示す場合は、以下のように使います。
・夏は、脇に汗をかきやすくなります。
・彼は、いつも脇に本を抱えていました。
また、「脇が甘い」という表現もよく使われますが、これは相撲で脇の力が弱いため相手にまわしを取られやすいという意味から生まれたものです。転じて、「つけこまれやすい」という意味で使われるようになりました。
・女性に対して脇が甘いから、こんな記事を書かれてしまうのです。
「脇が甘い」とは逆に、「脇をしめる」という表現もあります。これは、スポーツの基本としてよく聞く表現ですが、スポーツ以外で「油断をせずに注意深く行動する」という意味でも使われます。
・旅行は開放的な気分になりがちですが、しっかりと脇をしめて行動することが大切です。
また、「目指すものからずれた方向、横」の意味では、以下のように「脇」を使います。
・彼女は、いつもテーブルの脇に、四季の花を飾っていました。
「脇」を使った表現で「脇に置く」がありますが、これは物理的な意味の他に「一旦その問題から離れる」という意味でも使われます。
・こまかな対応策は一度脇において、根本的な問題を解決すべきです。
「脇」は、能や狂言の主役以外の役の意味がありますが、現在ではドラマや映画などの「脇役」という意味で使われています。また、俳優でなくても一般社会において脇役的な存在で「脇」を使うこともあります。
・この会社で出世したいのなら、出しゃばらずに脇に徹することです。
脇の語源
「脇」という漢字の成り立ちは、「月(肉)」という切った肉をイメージする象形と、3つの「力」で、力強い腕で肉を挟むという意味です。
そこから、力強く腕で挟む場所が「脇」という漢字になったそうです。
「脇」と「腋」の違い
同じ「わき」と読む漢字に「腋」があります。辞書などでは「脇」と同列になっていますが、違いはないのでしょうか?
「腋」は、「脇」と同様に「両腕の付け根のすぐ下のところ」の意味がありますが、「脇」のように他の意味で使われることはありません。
あくまでも、身体の部分の意味だけで、医学用語では「脇の下」は「腋下(えきか)」と呼びます。つまり、医学的には「脇」ではなく「腋」が正しいということになります。
逆に、「脇が甘い」を「腋が甘い」とは表現しません。
手紙で使われる「脇付」と「外脇付け」とは
ビジネス上では、手紙などの書き方にもきちんとしたマナーが必要です。
ここでは、手紙で使われる「脇付」と「外脇付け」の意味や使い方を紹介します。
「脇付」の意味と使い方
「脇付」とは、手紙の宛名の左下に書き添えて敬意を表すもので、「わきづけ」と呼びます。
「脇付」は、手紙を差し出す相手の宛名に書き添えて、敬意を表します。
一般的には「侍史(じし)」という表現が用いられます。
「脇付」は、以下のように手紙の宛名と便箋の後付けの2カ所に書くのが正式なマナーです。
「侍史」は、目上の人につける「脇付」ですが、父母などの宛名につける「膝下(しっか)」や身分の高い人への「台下(だいか)」があります。
また、女性には「御前(おんまえ・みまえ・みもと)」や一般に対しての「案下(あんか)」
「机下(きか)」「座右(ざゆう)」など、数多くの「脇付」があり、その歴史は古く江戸時代まで遡ります。現在は、医師から医師宛の手紙などに「侍史」を見かけるぐらいで、一般的にはあまり使用されていません。
「外脇付け」の意味と使い方
「外脇付け」とは、同封物や添付書類などの説明を手紙に書いていることを示す表現です。
以下のように、宛名の左下に書き添えます。
「外脇付け」は、赤や青で表記することが多いですが、黒でも問題はありません。
「外脇付け」には、以下のような種類があります。
①本人以外開封禁止
・親展(しんてん)・親披(しんぴ)・直披(じきひ)
②重要な文書である
・重要
③返信を求める
・拝答(はいとう)・待貴答(じきとう)・乞返答(きつへんとう)
④迅速な対応を求める
・至急(しきゅう)・急信(きゅうしん)
⑤同封されている
・○○在中(ざいちゅう)
脇の類義語と例文
脇には、身体的な意味と方向や位置などの意味がありますが、身体的な同義語では前述した「腋」があるので、ここでは身体的なもの以外の意味での同義語を紹介します。
そば。すぐ近く。例文
・彼の傍らには、見慣れない二匹の子犬がじゃれあっていました。
物の左右。傍ら。例文
・彼女の横には、いつも親友のA子がいました。
本筋から離れた話。例文
・余談は抜きにして、今回は真剣に議論しましょう。
本道から分かれた道。本筋からはずれた筋道。例文
・彼の話は横道からそれた内容が多く、まとまりがありません。
脇の対義語と例文
「脇」の身体的な意味での対義語はありませんが、能の役の対義語としては、「仕手」があります。また、「目指すものからずれた方向」の意味の対義語としては「中央」「中心」「本題」「本筋」があります。
能や狂言で主人公の役。例文
・能の主役である「仕手」は、株式の「仕手株」の語源でもあります。
まんなかの位置。中心例文
・会議テーブルの中央に座っているのが、わが社の取締役です。
あるのもの真ん中。中央の部分。例文
・監督は輪の中心に立ち、選手たちを鼓舞しました。
話の中心となる題目や事柄。例文
・本題に入る前に、今回被害に遭われた皆様に心からお詫び申し上げます。
中心となる筋道。正当な道理。例文
・彼の意見は、少し話の本筋からはずれている気がします。
脇の英語表現
身体的な意味の「脇」の英語は、「armpits」や「underarms」です。
脇に汗をかいています。
・Underarm sweating is embarrassing in summer.
夏は脇汗が恥ずかしいです。
また、「脇が甘い」は、以下のように表現します。
私は自分の弱点を隠せません。(私は、脇が甘いです)
まとめ この記事のおさらい
- 「脇(わき)」は、「両腕の付け根のすぐ下のところ」「目指すものからずれた方向、横」の意味。能の主人公以外の役の意味も。
- 「腋」は、「脇」と同様に「両腕の付け根のすぐ下のところ」の意味で、身体的な意味以外には使われません。
- 「脇付(わきづけ)」は、手紙の宛名の左下に書き添えて敬意を表すもの。
- 「外脇付け」は、同封物や添付書類などの説明を手紙に書いていることを示す表現。
- 「脇」の類義語には、「傍ら」「横」「余談」「横道」などがあります。
- 「脇」の対義語には、「仕手」中央」「中心」「本題」「本筋」などが。
- 「脇」の英語表現は、「armpits」や「underarms」です。