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この記事では「ずつ」の意味や使い方について解説いたします。
「ずつ」は毎日の生活でも自然と使うくらい身近な言葉ですが、だからこそその意味や使い方についてよく理解する必要があるといえます。
また、「づつ」と「ずつ」どっちを利用すべきかわからないという方も多いのではないでしょうか。
一つずつ解説し、掲載します。
「ずつ」の意味と使い方
「ずつ」は「数量・割合を表す名詞・副詞、および一部の助詞につく副助詞」で、「ある数量を均等に割り当てる」という意味があります。
例えば「一人につき二つずつお菓子を配る」というと全員に対して二つお菓子を配っているという意味です。
また「一定量に限って繰り返す」という意味で使われることもあります。
「一ページずつ読み進める」とは一ページ読み進めるというのを繰り返すと解釈することができるでしょう。
「ずつ」の漢字表現は「宛」
国語辞典等で「ずつ」を調べると「宛」という漢字で出てきます。これは「ずつ」の漢字表現が「宛」だからです。
例えば「一人宛」は「ひとりあて」ではなく、「ひとりずつ」と読みます。また「五本宛」も「ごほんあて」ではなく「ごほんずつ」です。
「ずつ」と「づつ」の違い
「ずつ」と似た言葉として「づつ」が挙げられます。
音も意味も同じですが、「ずつ」の方が目にする機会が圧倒的に多いです。
ではなぜ「ずつ」の方が目に触れることが多いのか、またどのように使い分けをしたら良いか確認してみましょう。
基本は「ずつ」を使用する
「ずつ」と「づつ」は対象や状況によって使い分けがあるという意見もありますが、基本的な考えとして「ずつ」を使うとされています。
基本的に「ずつ」を使用すれば問題ない為、他の言葉のように使い分けを覚えたり意識したりする必要もありません。
「少しずつ」や「一本ずつ」等、それぞれが均等であることを伝える時には「ずつ」を使います。
また言葉の使い方を司る文部科学省の内閣告知や内閣訓令では「じ」や「ず」を使って書くことを本則とする記述があるのです。
このことから基本的に「ぢ」ではなく「じ」、「づ」ではなく「ず」を使うことを奨励しているということが読み取れます。
また内閣訓令に従った言葉遣いをしているNHKも「ずつ」が使われているのです。
実際にテレビの字幕等を見ても「づつ」より「ずつ」の方が多く使われており、またその方が読みやすいという声もあります。
なお自分独自の意図を込めて「づつ」と「ずつ」を使い分けることは全く問題ありません。
その他仲間内で使うのも良いでしょう。
ただしビジネスメールや公的な文書等では違和感を持たれたりしないよう、「ずつ」を使うのが無難です。
さらに「融通」や「稲妻」は漢字単体で見ると「ゆう+つう」と「いな+つま」と読みますが、実際の読みは「ゆうずう」や「いなずま」であることが分かります。
これはこれらの言葉を二つに分解すると意味が通じなくなるからとされています。
このように、「ずつ」を使う機会が圧倒的に多いからこそ私たちの目に入る頻度も多くなっているということが分かります。
では「づつ」は自分の中だけ、あるいは身内でしか使わない方が良いかというと必ずしもそうではありません。
例えば「縮れる」は「ちぢれる」、「続く」は「つづく」と書きますが、これは先述の内閣訓令に「前と同じ音が続く場合はそのまま濁点をつける」という例外があるからです。
他にも「鼻血」は「はなぢ」と書きますが、これは「血」が「ち」と読む為だと考えるのが妥当でしょう。
ここでの内容をまとめると、以下のようなことがいえます。
- 基本的には「ずつ」を使う
- 「づつ」を使うのは自分の中や身内に留めておくのが無難
- 連続して同じ音を使う場合はそのまま濁点をつける
- 「融通」や「稲妻」等分解すると意味が通じなくなる言葉は「ず」を使う
- 「鼻血」は「はなぢ」と読む等の例外もある
「ずつ」と「ごと」の違い
「ずつ」と似た意味を持つ言葉として「ごと」が挙げられます。
日本語に慣れ親しんでいる方は感覚的に使い分けることができますが、実は外国人等日本語を一から学ぶ人には難しいという意見もあるのです。
それではどのように使い分けをしているか見てみましょう。
「ずつ」は数量、「ごと」は頻度に使う
「ずつ」は「ある数量を均等に割り当てる」という意味があるのはすでに確認した通りです。
対して「ごと」は「ある頻度や回数を数える」時に使われています。
例えば「一週間ごとに訪問する」や「二回失敗するごとに交代する」は頻度や回数なので「ずつ」ではなく「ごと」を使っています。
ただし「地域ごとに風習は違う」や「家庭ごとに訪問して回る」のように、一定の団体や組織等に対して使う時もあるので注意が必要です。
この場合「地域によって風習は違う」や「家庭を順番に訪問して回る」という意味だと解釈することができます。
なお「ごと」は漢字で「毎」と書きますが、本来「毎」は「まい」としか読まないのです。
名詞や動詞の連体形につく接尾語として使う時には「毎」と読みますが、それは正式ではないという意見もあります。
特に公式な文章等では「ごと」と書いた方が無難だといえるかもしれません。
ちなみに、「ずつ」や「ごと」に似た言葉として「あたり」も考えられます。
「あたり」は「一人につき一つ支給する」のように、「どの程度の割合で割り当てるか示す時に使う」言葉です。
他には「五本につき一本の割合で当たりくじが入っている」のように使います。
「ずつ」の英語表現
「ずつ」を英語で表現すると次のようなものが考えられます。
- each(ずつ)
- one by one(一人ずつ)
- little by little(少しずつ)
上記を使った例文も一緒に確認しておきましょう。
(映画のチケットは一人につき1900円ずつです。)
複数人いるので「ticket」ではなく複数形の「tickets」を使い、その為be動詞も「are」を使います。
(彼は子どもたちにキャンディーを三個ずつ与えていた。)
上記は文意を分かりやすくする為に意訳していますが、「one by one」を「一人ずつ」と訳すなら「彼は三個のキャンディーを子どもたち一人ずつに与えた。」と表現します。
(それに少しずつ慣れてきた。)
不慣れなことも少しずつ慣れてできるようになっていった様子が分かります。
なお「be used to 〜」は「〜に慣れている」、「used to 〜」は「かつて〜した」という意味なので要注意です。
まとめ この記事のおさらい
- 「ずつ」は「数量・割合を表す名詞・副詞、および一部の助詞につく副助詞」で、「ある数量を均等に割り当てる」という意味がある
- 「づつ」は自分独自や身内として使うに留めるのが無難で、日常やビジネスでは「ずつ」を使う
- 「ずつ」は数量に使うのに対し、「ごと」は頻度に使用する
- 「ずつ」と似た言葉の「あたり」は「五人あたり一チームを組む」のように、「どの程度の割合で割り当てるか」を示す時に使う
- 「続く」のように連続して同じ音を使う場合はそのまま濁点をつける
- 「融通」や「稲妻」のように分解すると意味が通じなくなる言葉には「ず」を使う