ここでは、「必死」の正しい表現方法、「必死」を使用するときの注意点、実際に使う上での例文について解説しています。

またこの記事を通して、「必死」という言葉の類義語と対義語、また「必死」の表現についても学ぶことができます。

必死の

「必死」は「ひっし」と読みます。

「必死」とは、「必ず死ぬこと」「死ぬ覚悟で全力を尽くすこと。また、そのさま」「死に物狂い」「一生懸命」という意味があります。

「必死の形相」「必死の抵抗」「必死の努力」「必死の思い」などという形で用いられます。

「必死」の使い方の例としては、

  • 彼は将来の夢であるデザイナーになるために、必死になって勉強した。
  • 年間の売り上げ目標を達成するために、彼女は必死で働いた。
  • 打ち合わせ時間に遅れそうなため、彼は必死になって走った。
  • 理不尽な人事異動を知り、彼女は必死になって抵抗した。
  • 私たちの必死の努力の甲斐があり、新商品の売れ行きは好調な滑り出しとなった。

などが挙げられます。
いずれも「命がけの覚悟」を持って物事に取り組むさまを表します。

また「必死」は、「将棋で、次に必ず王将が詰む、受ける方法がない状態。またその差し手」を意味する言葉としても用いられます。

「必死(必至)をかける」のように使用し、「この一手で、王(ぎょく)の逃げ場がない。どう逃げても詰んでしまう」という状況を示します。

必死の語源・由来

「必死」の語源は、上記に挙げた将棋の用語「必死(必至)」にあると言われています。

将棋の場合、「必至」と書くのが一般的で、「必至をかけられる」と言うと「相手に追い詰められる」「逃げ場を失う」ことを意味します。
そして、この意味が転じ「死ぬ覚悟で全力を尽くす、そのさま」を表す言葉になったとされています。

必死と必至の違い

「必死」に似た言葉として「必至」という言葉があります。
「必死」と同じように、「ひっし」と読みます。

「必至」という熟語にある「必」という漢字には、「かならず」という意味があります。

また「至」は「いたる」と読み、「ある目的地・場所に行きつく」「到達する」という意味を持ちます。
「必至」には「必ずそのことがやってくること」「そうなるのは避けられないこと。また、そのさま」という意味があります。

「必至」の使い方としては、

  • ここ数年の業績不振では、会社の倒産は必至だろう。
  • 販売企画部が立ち上げた新商品は、売り切り必須の人気商品となった。
  • 与党が強行採決をすれば、野党が反発するのは必至だ。
  • 次回のプレゼンを成功させるためには、資料の見直しは必至である。
  • 次回の選挙は接戦になることは必至だ。

などが挙げられます。

上記の通り「必死」は「死ぬ覚悟で全力を尽くすこと」を表す単語であり、「必ずそうなる」という意味を持つ「必至」とは、全く意味が異なった言葉となります。

必死の類義語

「必死」の類義語には、「全力」「決死」「一心不乱」「死に物狂い」「命がけ」「捨て身」「死んだ気」「万死」などが挙げられます。

全力の意味
「全力」とは、「持っている限りの力」「ありったけの力」という意味があり、「全力を尽くす」「全力を傾ける」などのように使用します。

決死の意味
「決死」とは、「死をも覚悟をして物事を行うこと」を意味しており、「決死の覚悟」「決死の面持ち」などのように使用します。

一心不乱の意味
「一心不乱」とは、文字の通り、「心を一つのことに集中して、他のことに気を取られない」ありさまを表す言葉で、「一心不乱に勉強する」「一心不乱に祈りをささげる」などのように使用します。「死ぬ覚悟」という意味合いは持ちませんが、「“なりふり構わず”に一つのことを頑張る」「一生懸命」という意味で類義語となります。

死に物狂いの意味
「死に物狂い」とは、「死ぬことも恐れないで頑張ること」を意味する言葉で、「死に物狂いになって戦う」などのように使用します。

命がけの意味
「命がけ」とは、「死ぬ覚悟で物事をすること。また、そのさま」「決死」「懸命」を意味する言葉で、「命がけの戦い」「命がけの作業」などのように使用します。

捨て身の意味
「捨て身」とは、「命を捨てる覚悟で、事に当たること」を意味する言葉で、「捨て身の覚悟」「捨て身の戦法」などのように使用します。

死んだ気の意味
「死んだ気」とは、文字通り「一度死んだ気持ちで」頑張ることを意味する言葉です。「一度死んだ気になってやればなんだってできる」などのように使用します。

万死の意味
「万死」とは、「命の助かる見込みがないこと」また「命をなげだすこと」を意味する言葉で、「万死を恐れず」のように使用します。

これらはいずれのも、「死ぬ覚悟で全力を尽くす」「一生懸命」という意味合いを持つ言葉となります。

必死の対義語

「必死」の対義語には、「手抜き」「片手間」「適当」「いい加減」などの言葉が挙げられます。

手抜きの意味
「手抜き」とは、「しなければならない手続きや手間を故意に省くこと」を意味する言葉で、「手抜き工事」などのように使用します。

片手間の意味
「片手間」とは、本業の合間や休み時間を利用して何かをやることを表す言葉です。「片手間仕事」などのように使用し、例えば「テレビを見ながら片手間に仕事をする」などのように用います。この場合、テレビが主体となり、仕事はテレビの合間を縫って行われることとなります。

適当の意味
「適当」とは、「やり方がいいかがんである」という意味を持つ言葉です。「客を適当にあしらう」「適当な返事で誤魔化す」などのように使用します。
「適当」には、その他に「程度が良い」「目的・要求に上手くあてはまる」などの意味もあります。

いい加減の意味
「いい加減」とは、「仕事を最後までやり遂げずに途中で投げ出すさま」を意味する言葉です。「仕事をいい加減にやるな」「いい加減な人」などのように使用します。

これらはいずれも「物事に一生懸命に取り組まないさま」を表す言葉となります。

必死の英語表現

「必死」の英語表現には、「desperate」「heroic」などが挙げられます。

「desperate」とは、「自暴自棄の」「やけくそになった」「死に物狂いの」という意味を持つ形容詞で、「desperately」とすることで「必死に」という副詞にという副詞になります。

「desperate」の例文として、

She’s desperate to get a job.
(彼女は必死に職を求めている)
・He try desperately.
(彼は必死に努力する)

 

などが挙げられます。

「heroic」とは、「勇敢な」「大胆な」「必死な」と言いう意味を持つ形容詞です。強烈な勇気を持つ単語として用いられ、特に最後の手段として自暴自棄で勇敢に行われる行動を示す単語となります。

「heroic」の例文として、

We took heroic measures to save her life.
(私たちは彼女の命を救うために、最後の手段をとった)

などが挙げられます。

まとめ この記事のおさらい

  • 「必死」とは、「必ず死ぬこと」「死ぬ覚悟で全力を尽くすこと。また、そのさま」「死に物狂い」という意味を持つ。
  • 「必死」は、将棋の「必至をかける」を語源としている。
  • 「必死」と同じ読み方をする「必至」には、「必ずそのことがやってくること」「そうなるのは避けられないこと。また、そのさま」という意味がある。
  • 「必死」の類義語には、「全力」「決死」「一心不乱」「死に物狂い」「命がけ」「捨て身」「死んだ気」「万死」などが挙げられる。
  • 「必死」の対義語には、「手抜き」「片手間」「適当」「いい加減」などの言葉が挙げられる。
  • 「必死」の英語表現には、「desperate」「heroic」などが挙げられる。