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ここ10年、ベンチャー企業の台頭などから、年功序列のシステムが少なくなってきたり、退職金がなくなったりと会社も変革期を迎えています。
退職金がない場合、自分で老後のための蓄えをしておかなければいけません。
様々な方法がありますが、今回はその中で、「確定拠出年金」について以下のような点を中心に解説いたします。
・確定拠出年金の受け取り方
・確定拠出年金の加入は賢い選択?
確定拠出年金と退職金の違いは?
確定拠出年金も退職金も老後の生活のために使える蓄えや制度である点は共通しています。
会社を退職するときにまとまったお金を受け取ることができます。これを退職金と呼び、老後の生活のために活用することが多いでしょう。
一方、確定拠出年金は会社や個人で積み立てをし、60歳以降に一時金または年金の形でまとまったお金がもらえる制度です。確定拠出年金という言葉を、聞いたことある人とない人がいるかもしれません。今までは、退職金をもらうのが当たり前だったため、この言葉を気にしたことがないという人もいて当然です。
日本の企業においては、何十年もの間退職金制度が用いられてきました。しかし、景気が悪くなり、従来の退職金制度だけでは老後の生活が保障できない場合が出てきました。
そのため、会社でまとまったお金を退職金として社員に渡すのではなく、働いている人たち自身が、自らの責任で資産形成を行うことを進めたのが確定拠出年金です。
確定拠出年金と退職金の具体的な違い
資金ー会社が準備する将来受け取れる金額ー会社によって異なる積立金の運用ー運用方針や、運用に使う機関は会社が決める税制の扱いー受け取った時は退職所得控除の対象になる会社が倒産した場合ー積立金を社外の機関に委託していた場合には問題ないが、内部留保の場合、保証されない場合がある転職した場合ー勤続年数に応じて、支給額が会社で決められている、外部機関に依頼している場合、60歳以降まで付き合いが続く(事前に受け取る場合は除く)
退職金は、会社が主導となって行っています。従業員は選択の余地はなく、決められた金額を退職の時にもらいます。
確定拠出年金
資金ー会社または個人で積み立てをする将来受け取れる金額ー拠出額と運用実績による積立金の運用ー運用方針、運用する商品、運用する機関など全て自分で決められる
税制の扱いー掛金すべて所得控除の対象となる
会社が倒産した場合ー積立金を社外の機関に委託しているため、問題ない
転職した場合ー転職先にそのまま持ち運べる(ポータビリティー制度)
確定拠出年金は、運用方法や運用する商品など全て自分の責任でおこないます。運用次第では、退職金よりも多い金額を受け取ることができますが、リスクもあります。(退職金よりも減る可能性もある)
確定拠出年金の受け取り方
確定拠出年金は、資金運用しながら老後の資金を蓄える年金制度です。
退職金と違って、将来年金を受け取るときの方法もいくつかあります。方法によって課税される税の種類が異なり、実際に受け取れる額も変わってきます。まだまだ先の話と思っているかもしれませんが、受け取るときに慌てて判断してしまい、損をしないように受け取り方についても知っておきましょう。
まず受け取り方には以下の3種類があります。
・年金受け取り
・運用しながら受け取り
確定拠出年金を一時金で受け取る
この方法が1番シンプルです。60歳まで資産運用して貯まった金額を、退職のタイミングで一度に受け取る方法です。
一時金で受け取る一番のメリットは税金面で優遇されることです。退職金は退職所得となり、税金の計算が他の場合と異なります。
退職所得の金額=(退職金額−退職所得控除額) × 1/2
退職所得の控除額は勤続年数によって異なります。勤続年数20年以下の場合、控除額は40万円×勤続年数です。勤続年数が20年を超えている場合、800万円+ 70万円× (勤続年数− 20年)です。勤続年数が長ければ長いほど控除額が多くなり、もらえる金額が高くなります。退職所得は他の所得に比べて税負担が軽いため、手元に残る金額が多いのがメリットです。
確定拠出年金は、預けている間、常に運用しています。もし一時金で60歳の退職と同時にすべて受け取った場合、その金額から増えることはありません。
もし、一部でも残していた場合、そのまま運用続けるため、多少の運用益が出るかもしれません。
確定した金額から増えないという点は一時金で受け取ったときのデメリットでしょう。しかし、退職金が少ない人は、税制メリットを活用した一時金受取の方が良いかもしれません。
確定拠出年金を年金受取にする
確定拠出年金を年金として受け取ることができます。65歳以上であれば、公的年金等の収入が120万円以下であった場合、課税されません。
年金として受け取る場合には、区分は雑所得となります。そのため、給与所得や事業所得などの他の所得と合計して、総所得金額を求めてから税額の計算をします。その際に、公的年金や他の所得の金額によって納める税も変わってきます。
終身年金の選択肢がある場合は、生きている限り何年でも年金の支給が受けられます。平均寿命もますます伸びている昨今、年金受取の方が一時金で受け取るより、安定して生活保障がされているかもしれません。
年金受取の場合、他の所得と合わせて税額の計算をします。したがって、所得自体が高い人の場合、その分税率も上がります。公的年金やその他の所得が多い人は、年金形式で受け取ると税率が高くなります。公的年金が始まる65歳までに受け取る方が、少しでも税の負担が軽くなるかもしれません。
確定拠出年金を運用しながら受け取り
これまで確定拠出年金として、自分の責任でリスクを理解しながら資産運用をしてきたはずです。その知識と経験があれば、退職後も自分の資産をそのまま運用し続けた方が増える可能性が高いです。
自分で運用続けながら、一部の金額は受け取る方法を選択すれば、ある程度安定した生活保障が期待できます。また、その後何年間かの安心も一緒に手に入ります。
この一部の金額を受け取る方法には、「定額受取」と「定率受取」の2つがあります。
毎年200万円ずつ、というように決まった額を受け取ります。
毎年の受け取り額を固定するのではなく、受け取る率を一定にする方法です。
定率受取の例
退職金2000万円3%ずつ受け取る。
1年目は2000万円× 3% = 60万円
2年目は(2000万−60万) × 3%
というように、毎年の額は異なりますが、総資産に対する受け取る率を固定するものです。
運用しながらなので、実際には年によって増えたり減ったりすることがあるでしょう。ただし、定率受取の方が、定額受取に比べて長い期間受け取れる可能性が高くなります。
確定拠出年金を運用しながら受け取ると、毎年、受け取るたびに税金がかかってしまうことです。運用して、増えた場合は問題ありませんが、減った場合は受取金額も減る上、税金がかかるため、実際の受け取りはもう少し減ってしまいます。
運用リスクに応じて税率が変わるわけではありませんので、損をする年も出てくることもあるでしょう。
確定拠出年金への加入と退職金前払いはどちらが良い選択?
会社によって、確定拠出年金への加入が絶対であるところとそうでないところがあります。しかし、基本的には加入したほうがお得になる場合が多いでしょう。入らない場合、定年退職時にまとまったお金が全く受け取れません。老後の生活保障が何もないので少し不安でしょう。
もし、退職金を前払いでもらった場合は、所得税や住民税、社会保険料等がひかれます。そうすると、手元に残るのは7割くらいといわれています。
各々が置かれている状況にもよりますが、基本的には、確定拠出年金に加入した方が後々もらえる金額は増えるでしょう。
確定拠出年金のまとめ
- 退職金は、会社を退職するときにまとまったお金を受け取ることができる制度のことである
- 確定拠出年金は、会社や個人で積み立てをし、60歳以降に一時金または年金の形でまとまったお金がもらえる制度のことである。
- 退職金は会社主導であるのに対し、確定拠出年金は自分の責任で行う資産運用である
- 確定拠出年金の受け取り方には3種類あり、それぞれにかかる税金や受取時期、期間、受取額が異なる