主に接客業ではよく使われているクレームという言葉は、似たような言葉もいくつかあり混同してしまうこともあるでしょう。

ここでは、クレームとは、クレーム対応の基本、クレームに対するNG行動などをご紹介します。接客業でなくても、大切なシーンでも間違いなく使える語彙力と基本の対応を身につけておきましょう。

クレームとはそもそもなにか

現在使われるクレームの意味は、サービスや商品に対する苦情や改善要求、不満を訴えることなどを広く指して使う言葉でしょう。

クレームは、英語の“claim”からきている言葉で、本来は何かを要求する行為自体を指しています。特に、補償や賠償を要求する時に使われます。たとえば、火災にあったときに火災保険の補償を受けるための要求をすることは、まさにクレームにあたります。

クレームの現在の広い意味は、苦情からきていると考えられます。苦情とは、情という文字が入るように、不利益を被った時に感情の一種である不満を訴えること、不満という感情そのもののことを指す場合もあるでしょう。一般的には、クレームはサービスや商品に対して使う言葉ですが、苦情はサービス以外の人対人にも使うことができます。

日本でのクレームの意味はそのまま英語表現できない

サービスや商品に対する苦情や改善要求、不満を訴えることでの意味のクレームを英語で表現すると、“コンプレイン:complaint”になります。

英語の“claim”は、先にも紹介したように賠償や補償に対して使われることが多く、法に抵触している可能性を秘めているでしょう。英語のビジネスシーンで、クレームではなくコンプレインがあったとなれば、早めにより慎重な対処が必要になると考えられます。

クレーム対応の基本

一般的な日本語でのクレームは、接客業でなくても経験することも多いでしょう。

クレームは臨機応変に対応するのが鉄則ですが、どんなシーンのクレームに対してでも初期対応の基本があります。

たいていの場合は、不満を訴えているので感情的になっていることでしょう。怒りを助長させないように対応するのがポイントになります。

クレームをもらったらまず謝罪

理由はどうであれ、顧客が嫌な思いをしたのは事実です。
そのため、まずは嫌な思いをさせたことに対してのみ謝罪をしましょう。

続いて、仕事の手を一度とめて、顧客の目を見てしっかりと話を聞きます。その時には、内容を繰り返しながら聞くオウム返しやおっしゃったことを反復するミラーリングなどをはさみつつ、真摯に聞いていることを態度で示すようにします。

また、適当なあいづちも聞いていることを伝える重要な手段のひとつです。適度に、「はい」、「ええ」、「よくわかります」、「ごもっともです」などの言葉を使いましてあいづちを打ちましょう。

表情は神妙に、キョロキョロしないように話を聞きますが、相手の目を見すぎるのも不快にさせてしまうので気をつけましょう。必要に応じてメモを取るようにすると、顧客の話を聞き漏れることがないですし、目を見すぎることも防ぐことができます。

メモは、事実だけでなく顧客の感情もわかるように書くと、後々のクレーム対応に役立つでしょう。

また、姿勢にも気をつけて、うつむきがちにならないように、腕を後ろや前に組まないように、背筋を伸ばして話を聞くようにします。

謝罪の次にお詫び

謝罪に続いて、お客様の立場に立ってお詫びすることようにします。しかし、クレームの内容によっては、何でも受け入れればいいということでもありません。安易に非を認めてしまうと、あとあとさらなるトラブルになることもあるので気をつけておきましょう。

非があることと顧客に嫌な思いをさせてしまったことは、しっかり分けて考えて、言葉を慎重に選びながら冷静にお詫びをしなくてはいけません。

飲食店なら「お急ぎのところ、大変お待たせしておりまして、申し訳ございません」や販売などなら「商品に不具合、破損があり、ご不便をおかけいたしまして、大変申し訳ございません」などとお詫びできるでしょう。謝罪にプラスして、顧客の立場に立った言葉を添えるようにしましょう。

誠実に対応することで顧客の怒りを和らげる

対応できることであれば、その場で早めに対応しましょう。その際には、顧客を少なからず待たせることが多いですが、あらかじめどのくらいの時間がかかるかを伝えるのも重要です。何も知らされずに待つ時間は、実際の時間も長く感じてしまうことも多いからです。

その場で対応や判断ができない、どうしていいかわからない、顧客がかなり怒っているなどのケースでは、責任者を呼んで解決しなければいけないでしょう。その際には、それまでの経緯をしっかりと責任者に伝え、顧客が同じ内容を繰り返し話さなくてはいけないような場面をつくらないようにしましょう。

クレームに対してのNG行動

クレーム対応では、なにげなくいってしまったことや行動で、顧客の怒りを助長されることも多々あります。クレームの初期対応でのNG行動も頭にいれておきましょう。

不適切な言葉で怒りを増長

クレーム対応での不適切な言葉いくつかありますが、ここでは思わず口にしてしまいがちな言葉をご紹介します。

顧客がクレームをいってきたときに、「担当ではないので…」と答えてしまうことがあります。

顧客は個人にではなく、会社やお店に対してクレームをしているので、誰が聞いているかは関係ないのです。誠実さにかける響きがあるので、たとえ担当でなくてもまずは話を聞き、担当者に引き継ぐようにしましょう。

「そういう決まりなんです」という言葉も、会社やお店の都合を押しつける言葉です。

クレーム対応では、トラブルが大きくなる可能性のある言葉なので、気をつけましょう。ただし、明らかなルール違反が顧客にある場合で、対応しきれないと感じた時には、上司や担当者などに判断をしてもらいましょう。

間違いを指摘すると恥をかかせてしまう

顧客の勘違いや間違いから、筋違いのクレームになっていることもあるでしょう。しかし、間違いなどをストレートに指摘すると、顧客に恥をかかせてしまうことになります。

また、勘違いや間違いなどは誰でもあることです。「わかりにくかったですね」や「見にくくなっていました」などのお詫びをクッションにして、相手に非はないことを伝えましょう。そのうえで、正しいことを伝えれば、顧客がそれ以上嫌な思いをすることがないでしょう。

たらい回しにする

クレームは、基本的には受けたひとが最後まで対応するのがいいでしょう。

特に電話の場合には、回しやすいこともあり、ついつい顧客をたら回しにし、毎回説明をさせてしまうことが多くなります。

他の部署や担当者に回すのであれば、「こちらで一度担当者に説明してから、おかけ直しさせていただきます。」などとしたほうがたらい回しにならないことも多いでしょう。

クレームのまとめ

  • クレームとは、サービスや商品に対する苦情や改善要求、不満を訴えることなどを広くさして使う言葉です。
  • クレームは、英語の“claim”からきている言葉で、本来は何かを要求する行為自体を指しています。日本語での一般的なクレームを英語にすると、“コンプレイン:complaint”になります。
  • クレーム対応の基本では、まずは不快な思いをさせたことに謝罪、お客様の立場に立ってお詫び、すぐに対応または責任者に引き継ぎなど誠実に対応することでしょう。
  • クレームに対してのNG行動では、
    クレーム対応では、なにげなくいってしまったことや行動で、顧客の怒りを助長されることも多々あります。クレームの初期対応でのNG対応では、不適切な言葉を口にする、顧客の間違いをストレートに指摘、たらい回しにするなどがあります。