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※2/25に一部加筆修正を加えました。
「追伸」のマナー – ビジネスメールで使ってよいのか
手紙やメールで、本文のあとに書き加える文のことを「追伸」と言います。「P.S.」と表されることもあります。
ちなみに「P.S.」は「postscript」を略したもので、ラテン語で”後で書かれた”の意があります。
ビジネスメールで何かを書き加える際、「追伸」の使用は基本的にマナー違反にあたります。
理由は次の3つです。
・読み手が本文の内容に集中できないから
・「ついでに伝えておこう(聞いておこう)」という送り手のあいまいな意図が見えるから
・元々はメールではなく文を後から書き直せない「手紙」で使うものだったから
特に、追伸の内容が本文と全く異なる用件である場合は、余計に読み手を混乱させるので不適切です。一度のメールで送る用件は1つが基本です。また追伸で用件を伝えてしまうと、送り手のからの「ついで感」を受け手に与えてしまうことになります。
追伸はもともとは文字の書き直しができない手紙で使うものでした。メールは書き直しが可能なので、メールで追伸を使うと書き直しが面倒で追伸に書き足したのだと相手に思われてしまうことも考えられます。
その他の「追伸」を使ってはいけない場面
ビジネスシーン以外でも「追伸」を使用してはいけない場面があります。
たとえば次のような場面です。
追伸は、「付け足し」「もう一度」「再び」というようなイメージを連想させる言葉です。
「しばしば」や「またまた」といった重ね言葉と同じで、再婚を連想させる表現となるので不適切です。
結婚祝いとほぼ同じ理由で、「不幸が繰り返される」というイメージを連想させるので不適切です。本文も簡潔にし、お見舞いの気持ちだけを書きましょう。
お礼やお詫びの気持ちを伝えることが本題である手紙では、本文のみでしっかりと伝えることが大切です。先述したように、追伸にはどうしても「ついで感」が出てしまうので、こそこで謝意を示すことは基本的に適切ではありません。
「追伸」を使う場合はどのようなときか
ここまで、基本的にはマナー違反と言ってきましたが、例外もあります。ビジネスで「追伸」を使用してもいい場面があります。
それは、読み手に対しての気遣いを表現する場合です。
たとえば、本文の用件が会議やイベントなどへの案内である場合、車で来る人に向けて駐車場の有無や場所を知らせることや、取引先から依頼されていた資料を送る用件のメールの中で、+αの参考資料を添付していることを知らせる、といった場面です。
また相手との距離感にもよりますが、相手の健康を気遣ったり、簡単な食事に誘ったりするような場合も「追伸」を使用して問題ない場面です。
本文とは関連のないことでひとことお礼を言いたいときや、近況報告をしたいときにも追伸を使っても問題ありません。
追伸の書き方のポイント
ビジネスメールの「追伸」はあくまで追記の扱いですので、短く簡潔に書きましょう。長くても二~三行が限度です。本文よりも長かったり、追伸で相手の返信を促すような表現を書いたりするのはマナー違反です。
また、目上の人や実際に顔を合わせたことが無い人に使用するのも勧められていないので、安易な使用は控えましょう。
追伸であることが相手に分かりやすいように、【追伸】のようにかっこをつけて書くとよいでしょう。
追伸の例文集
本文の用件について書き加える文
相手を簡単な食事などに誘う文
相手の健康を気遣う文
近況を伝える文
「追伸」の類語
「追伸」と同じような意味で使える言葉に「末筆ながら」があります。末筆ながらは手紙の結びの言葉として使われるもので、「最後となりましたが」という意味があります。
「追伸」と「追記」の違い
「追伸」と似た言葉に「追記」があります。漢字も読みも似ているので混同しがちですが、使い方が異なるので注意が必要です。
「追伸」は相手に向けた手紙やメールで補足事項を書き場合に使います。「追記」は、相手がいない文書などで補足を記載する場合に使います。
追伸に対する返信のしかた
「追伸」が入っているメールに返信する時、こちらもつい「追伸」で返してしまいそうになりますが、その必要はありません。本文への返事のあとに続けて、追伸への返答をそのまま書き加えるといいでしょう。
また、絶対に「追伸」に返事をしなければならないという決まりがあるわけではありません。文の内容が軽い案内や気遣い程度のものであったり、送り手からのメールにて双方のやり取りがきれいに終わったりする場面では、あえて返信する必要がない場合もあります。
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