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飛行機の安全な運行を確保しているのが「運行管理者=ディスパッチャー」です。
特殊な仕事で、映画やドラマでしかその存在を知らない人も多いといえます。
航空関連会社に勤めている重要な仕事といえるのがディスパッチャーです。ここではディスパッチャーの仕事内容や資格、年収に至るまで解説していきます。
ディスパッチャーの仕事は緻密な飛行プランを立てる事
ディスパッチャーは航空路の気象情報を把握し、機体の整備状態や重量、目的地の空港、燃料といった細かいデータを集積し、航空機が安全に目的地へと到着するためのフライトプランを立てます。
飛行機は同じ空路を滑走していますが、基本的にはディスパッチャーの綿密に立てられたプランを仰ぎ、安全なフライトを実践しています。
ディスパッチャーはパイロットと事前に打ち合わせを行いフライトプランを立てますが、実際には飛行上も航空機の安全を守るために、機体の揺れやリアルタイムの気象状況を予測し、随時パイロットに伝達しています。
航空機の花形といえばパイロットとキャビンアテンダントですが、ディスパッチャーは裏方として無くてはならない存在です。
ディスパッチャーと管制官の違い
航空会社の運行管理ということで、航空管制官と間違われることもありますが、管制官は地上からパイロットに離着陸の許可をだし、滑走路へと誘導する役目を担います。
ディスパッチャーは空の渋滞を防ぐ交通整理を行っているといえるでしょう。
また、ディスパッチャーは民間の航空会社や関連会社に勤めていますが、航空管制官は国土交通省所属の国家公務員です。
ディスパッチャーには航空会社に入ってからなる
ディスパッチャーは航空機の安全を管理する重要な職種であるため、だれでもなれるわけではありません。まずは航空会社に入社するか、運行管理業務を行う航空会社の関連会社への入社が必須です。
運行管理者の資格自体が21歳以上で実務経験2年以上となっており、高卒でも可能といえますが、大手航空会社は大卒以上でないと就職すら厳しいといえるでしょう。
地方の子会社などは高卒でも採用しているケースもありますが、大卒レベルの学力がないと難しいです。
ディスパッチャーを志している場合、一度就職・転職エージェントに相談することをおすすめします。
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ディスパッチャーになるために必要な学歴・資格
大卒以上(基本は高卒でも問題なし)で学部は問わず、21歳以上で航空運送事業の実務経験が2年以上必要です。
航空高卒以上の運航管理部門や運航管理業務を行う航空会社の関連会社に就職する必要があります。
入社して運行管理業務にすぐ配属されるかもわからないため、適性が認められなければなりません。
ディスパッチャーになるには、入社後に運行支援者としてディスパッチャーをサポートし、運航管理業務を経験しておくようにしましょう。
ディスパッチャーは社内審査も厳しい
ディスパッチャーは国家資格を取得したからといって、いきなり運行管理を任されるわけではありません。
乗客の安全を任す以上、社内も厳しい審査を取っています。フライトプランの管理はもちろん、適性がある人材かどうかを再度チェックすることもあるでしょう。
それだけ責任重大な職種といえます。
ディスパッチャーはやりがいがある
ディスパッチャーは乗客や乗務員の命を預かる責任重大な仕事です。現場のパイロットの判断にも委ねられますが、命を守るというプレッシャーはディスパッチャーにとっても同じです。
ディスパッチャーは不測の事態を想定してフライトプランを立てておき、予期せぬトラブルにも迅速・冷静に対応することが大切です。
安全にフライトが完了すれば、自分の仕事で乗客の命を守ったという達成感が生まれ、やりがいも充実しています。
しかし、その反面、それだけの責任を背負う以上は、航空機はもちろん、気象予測や航空法など、多くの事象を研究して実務経験を積んでいく必要があります。
また、集中力が非常に重要でありながら、他の部署とも連携して空の安全を守る必要性がありますので、視野の広さや協調性も問われるでしょう。
ディスパッチャーの年収について
職業選択をする上での参考材料として、年収は非常に重要な要素です。「ディスパッチャー」という職業に興味があっても、その年収が分からなければ就職先の候補にするのが難しいという人もいることでしょう。
そこでこの項目では、「ディスパッチャー」の年収についてまとめました。
ディスパッチャーの平均年収は?
「ディスパッチャー」の平均年収は、大体400万円程度といわれています。ただし正社員か契約社員という雇用形態や勤続年収、所属する会社や役職の有無などによっても変わってくるので一概には語れません。
仮に年収が400万円でボーナスが4ヶ月分だとすると、月収は約25万円だと算出できます。ボーナスがないとすると、月収は約33万円程度くらいになるでしょう。
昨今の日本人の平均年収が400万円〜450万円くらいだとされているので、「ディスパッチャー」の年収は一般的な職業と同水準程度だといえます。
ディスパッチャーの年代別平均年収は?
「ディスパッチャー」の年代別平均年収は、雇用形態などにもよりますが大体以下のような数字になるといわれています。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 200万円〜300万円程度 |
30代 | 300万円〜400万円程度 |
40代 | 400万円〜600万円程度 |
50代 | 500万円〜800万円程度 |
上記の平均年収はどのような規模の会社に勤めるかや役職などによっても変わってきます。例えば契約社員よりも正社員の方が年収が高くなる可能性が高いですし、役職がついている方が年収が高くなるでしょう。
また年代が上がる方が扶養する家族がいたり役職が上がったりする関係で、平均年収もその分大きな上がり幅を見せることが多々見られます。また定期昇給や資格を取得することによるキャリアアップなどもあるので、年代が上がる方が平均年収も高くなっていくと考えられるでしょう。
ディスパッチャーの初任給は?
「ディスパッチャー」は航空会社の総合職として入社した場合、初任給は全員同じです。例えばJALの業務企画職(地上職事務系)では2020年度の新卒採用の場合で22万8000円程度だとされています。
なお大手航空会社では「ディスパッチャー」を専門職として採用するのではなく、総合職(地上職)としてある程度の人数をまとめて採用することが多いです。その中で運行管理の適性がある社員を「ディスパッチャー」として配置しているとされています。
そのため「ディスパッチャー」は同じ航空会社であれば他の配属の人と給料は変わらないようになっているということです。
ただし「ディスパッチャー」は正社員だけではなく、契約社員の人もいます。契約社員はほとんどの場合時給制で、時給1000円〜1200円程度であることが多いようです。ただし勤続年収や仕事ぶりに応じて時給が上がっていくので、自分の頑張り次第では時給を上げることができます。
ディスパッチャーの勤務はシフト制
航空機は夜間もフライトがあるので、空港で勤務しているディスパッチャーは基本的に夜勤もあるシフト制といえます。航空機は深夜だけでなく、早朝にもフライトしているので、日によって出勤時間が異なることもあります。
決まった時間に働きたい人はどうしても不利になり、ディスパッチャーは不規則な生活になりがちです。航空会社は土日関係ありませんし、航空機は天候が悪化しない限りは年中活動しています。
ゴールデンウィークやお盆、正月などの大型連休はニュースでも取り上げられているほど、ラッシュを迎えて激務といえるでしょう。
平日に休暇が取れるメリットもありますが、通常休みのときは休めないので、生活スタイルは慣れるまで大変といえます。
ディスパッチャーの活躍する企業
ANA(全日空)
国内線・国際線共に国内最大規模の航空会社です。世界規模の格付けランクでも上位に入るなど、日本の航空会社を代表する存在です。
JAL(日本航空)
一時は倒産に追い込まれましたが、元々高いフライト技術やサービスを評価されていた航空会社で、現在も根強い人気を誇っています。
ピーチアビエーション
格安航空会社でありながら、ANAの完全子会社として存在しています。CAも茶髪OKで国籍不問という従来の常識を覆した方針をとっています。
ディスパッチャーについてのまとめ
- 「ディスパッチャー」は航空会社の運行管理者であり、航空機が無事に目的地へたどり着けるためにフライトプランを立て、乗客の安全を守るという、非常に大きな責任を伴う仕事といえます。
- 「ディスパッチャー」になるには実務経験を積んで国家資格を受けていき、社内の厳しい審査を経ないとなれない職種です。入社する航空会社にもよりますが、年収は高めなものの、不規則な生活スタイルになりがちで週末に休みを取ることもままなりません。
- それでもやりがいは充実している職種といえるでしょう。
- 「ディスパッチャー」の平均年収は約400万円程度とされていて、一般的な日本人の平均年収と同程度です。
- 「ディスパッチャー」は役職がついたり資格を取得したりすると年収が上がるので、年代が上がるほど平均年収も上がっていきます。
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