アベノミクスによって経済指標そのものは上向いたといわれますが、景気回復の実感は乏しく、その一方で仕事量だけが増えているという声は少なくありません。平日は残業が続き、家に帰るのはただ眠るためだけ。休日になっても疲れが抜けず、ゴロゴロしているうちに月曜がやってきてしまう。
このままでは、人生でいちばん力を発揮できるはずの時期を、仕事に追われるだけで終えてしまいかねません。「帰って寝るだけ」の毎日を変えるには、どこに手をつければいいのか。実態と具体的な改善策を見ていきます。
帰って寝るだけの生活になっている人は約7割いる
2016年に大学生活情報サイト「マイナビ学生の窓口」が社会人を対象におこなったアンケート調査では、「毎日が『職場と家の往復』で終わってしまう」と答えた人が67.0%にのぼりました。3人に2人が同じ悩みを抱えているわけで、決して珍しい状況ではありません。
仕事がハードで残業も多く、通勤時間も長いという環境では、家に着いたころには体力も気力も残っておらず、何もできずに寝てしまうのは自然な流れともいえます。ただ、それが毎日のルーティンになってしまうと話は変わってきます。
そんな生活を続けていれば、仕事だけで人生が埋まってしまいます。長い社会人生活を実りあるものにするには、「帰って寝るだけ」という状態を当たり前だと思わず、いちど根本から見直す必要があるのではないでしょうか。
帰って寝るだけから脱出する方法
「帰って寝るだけ」の生活は、仕事のやり方や環境、働き方そのものを見直すことで変えられる余地があります。ここでは、実際に試しやすい6つの方法を紹介します。仕事の進め方に関わるものから、住む場所や職場そのものを変える選択肢まで、段階に応じて選んでみてください。
仕事の完璧主義をやめる
定時に仕事が終わらない原因のひとつに、過度な完璧主義があります。手抜きは悪だと考える人ほど、すべての業務に全力を注ぎがちですが、それでは体が持ちません。
100メートルを10秒で走れる人でも、その速度で42.195キロのフルマラソンを走りきることはできません。仕事も同じで、朝から晩まで全力を出し続けることは誰にもできないのです。
まず優先順位を決め、重要な業務は丁寧に、それ以外はスピード重視でこなす。この緩急の使い分けができれば、時間も体力も無駄にせずにすみます。完璧を目指すべき場面と、そこそこで十分な場面を見分ける習慣が、結果的に残業を減らします。
残業しない宣言をする
仕事の疲れと時間の無駄を減らすには、残業をしないのが一番です。ただ、日本の職場では、さっさと仕事を終えて定時に帰る社員よりも、遅くまで残業している社員のほうが評価されやすい傾向が根強く残っています。
本来、同じ仕事を短時間で終わらせられる人のほうが能力的には優秀なはずです。それでも現実にはそう評価されないことが多いのが実情です。そこでおすすめしたいのが、「私は原則として残業しません」とはっきり宣言してしまうことです。もちろん、これは勇気のいる行動です。
一歩間違えると「仕事をしない宣言」と受け取られ、周囲の反発を招くこともあります。だからこそ、定時までにきちんと仕事を終わらせている事実を、態度と結果で示す必要があります。
そうすれば周囲も次第に自分の能力や仕事のスタイルを理解してくれるようになり、定時退社が習慣化すれば仕事にもメリハリがつきます。職場の理解を得るのは簡単ではありませんが、試してみる価値はあるはずです。
平日にやりたいことを計画する
定時で退社できたとしても、その後何もせずに過ごしてしまえば、「帰って寝るだけ」の生活を根本から変えることにはなりません。
アフターファイブの時間は、フィットネスジムで体を動かす、スパやエステでリラックスする、ショッピングを楽しむなど、心と体をリフレッシュする使い方をしてみましょう。土日のうちに1週間分の予定を立て、平日にやりたいことを前もって決めておくと、実行に移しやすくなります。
家に帰る前に外で用事を済ませる
資格やスキルの取得を目指して、自宅で勉強に取り組む人は少なくありません。ただ、仕事のあとの時間はどうしても気がゆるみ、1日の疲れも重なって、なかなか集中できないものです。
休憩のつもりでテレビやスマホに手を伸ばし、そのまま時間が過ぎてしまうこともよくあります。自宅というのは、意外と勉強には向かない場所なのです。
最近は自習ブースを備えた「勉強カフェ」のような施設も増えています。勉強や調べものは帰宅前に済ませ、家では仕事めいたことをせず、心と体を休めることに専念する。そうすれば睡眠の質も上がり、疲労回復にもつながります。
会社の近くに引っ越す
職場の人間関係や長時間労働は、多くの社会人にとって疲労とストレスの大きな要因です。そこに長い通勤時間が加われば、心身ともに疲れきってしまい、仕事へのモチベーションを保つのは難しくなります。
日本の満員電車の混雑ぶりや長時間労働は、海外でもよく知られています。これが日本人の疲労とストレスを増幅させ、生産性にも少なからず影響を及ぼしているのは事実でしょう。最近、郊外から都市部への引っ越しを選ぶ人が増えているのも、こうした背景があるからかもしれません。
通勤時間を短縮できれば、疲労やストレスが軽減されるだけでなく、仕事へのモチベーションや生産性の向上にもつながります。空いた時間を、収入を増やす活動やプライベートに充てる余裕も生まれるでしょう。
転職を考える
平日に家に帰っても寝るだけになってしまう原因が、通勤よりも仕事内容や職場環境そのものにあるなら、引っ越しよりも転職を検討したほうが近道かもしれません。最近の求人情報サービスはインターネット中心になっており、スマホがあればいつでもどこでも最新の求人をチェックできます。
職種や勤務地、給与や福利厚生など、自分が希望する条件で誰にも気兼ねなく検索できるうえ、そのまま応募することも可能です。
仕事がつらいと感じたら、まずは転職サイトに登録してみるのも一つの手です。求人情報を眺めるだけでも気分転換になりますし、条件に合う求人が見つかれば、新しい道を選ぶきっかけになります。転職に関する情報は業種&年代など経歴特化型転職エージェントの紹介と比較 ブックマーク推奨!でも詳しく紹介されていますし、実際の進め方については転職したい!その思いに答える16のエージェント解説と、効率的な転職の仕方 ブックマーク推奨!も参考になるはずです。
帰って寝るだけについてのまとめ
- 毎日が職場と家の往復で終わってしまう、という人は約7割に達している。
- 仕事の完璧主義は、かえって効率を悪化させることがある。
- 残業なしのライフスタイルを周囲に理解してもらうために「残業しない宣言」をするのも一つの手段。
- 平日のアフターファイブは、あらかじめ計画を立てて有意義に使うべき。
- 「帰って寝るだけ」の生活を変えるには、転居や転職も選択肢として視野に入れたほうがよい。
帰って寝るだけの毎日は、一度立ち止まって働き方や環境を見直すきっかけになります。小さな変化を一つずつ試しながら、自分に合った生活のリズムを見つけていきましょう。

