ビジネスにおいて、今や危機管理能力の必要性が高まっています。危機管理能力という言葉の意味をしっかりと把握していなければ、危機管理能力を高めることも発揮することもできません。

ここでは、危機管理能力の意味、リスク管理能力との違い、危機管理能力の英語表現、危機管理能力の低い人の特徴、危機管理の3つのステップをご紹介します。ビジネスでも日常生活でも、すぐに危機管理能力を発揮できるようになります。

危機管理能力とは何か?


「危機管理能力」は、誰でもそれなりに持っているものですが、能力の高さには個人差があります。

「危機」の意味は、危険な時期・きわめてあぶない状態や、価値観などが崩壊する時代の転換期などを表します。つまり、「危機」は、ものごとがすでに起こっていることになります。

たとえば、「危機管理」を使う言葉で聞くのは、「危機管理委員会」などもあるでしょう。

この場合には、すでに発生した事件や事故に対して、被害を最小限に抑えるため、また更なる被害が出ないようにするための管理を行うことを目的にしています。「危機管理能力」は、すでに起こったこと、その中でも危機を管理する能力のことをさしています。

一般的には、危機管理は将来を左右する管理ですが、すでに起こっていることに対応するため、受動的になってしまう傾向があります。

しかし、受動的になり過ぎてしまうと、将来の危険や損失が大きくなってしまう可能性を秘めています。なにを危機と認識するのかが、能力の高さの差になるでしょう。

以下の記事では危機に関連する言葉の使い方と、危機管理能力のあるビジネスマンになるための改善方法を解説しています。

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リスク管理能力は危機を予想する能力

「リスク」とは、“予測できない危険”や“ 損害を受ける可能性”のことをいいます。リスクは、まだ起こっていないことをさしているため、予想できないことや可能性を考えて、危険や損害を管理するのが、「リスク管理能力」です。

一般的には、日本人はリスク管理までには考えが至らないことが多いといわれています。

「危機管理能力」と「リスク管理能力」の違い

「危機管理能力」と「リスク管理能力」の大きな違いは、実際に起こったことを管理するのか、まだ起こっていないことを管理するのかの違いがあります。

それゆえに、それぞれの能力には、求められる要素が違う事がわかるでしょう。

たとば、「危機管理能力」では目の前に起こった危険や損害に、いち早く冷静に対応することが求められます。「リスク管理能力」では、未来になにが起こるかを予想する、または予想するための分析なども必要です。

日本人は、リスク管理はあまり考えないといわれているのに対し、危機管理が上手だといわれています。何かがあったときの日本企業の対応の素早さと適切さは、海外で評価が高いです。

危機管理能力の英語表現


危機は英語で、「Crisis」といい、「危機管理能力」は英語表現で以下の様に表します。

Crisis management skills
Crisis-control capabilities

「リスク管理能力」は、以下の様に表します。

Risk management skills

 

危機管理能力が低い人の特徴


ビジネスでも日常生活でも、危機管理能力が低いと、直面した危険や被害などがどんどん大きくなってしまいます。危機管理能力が低い人の特徴は以下の通りです。

楽観的な人は危機管理能力が低い

管理は、危機に気がつかないとできません。楽観的な性格ゆえに、危機を危機と認識できない人もいます。

また、アイデア発想などが得意で将来を考えている人や行動派な人は、目の前で起こっていることを見逃しがちです。物事を考えてから行動に移せない人も、危機管理能力が低いといえるでしょう。

パニックに陥りやすい人は危機管理能力が低い

普段は他の人と変わらないのに、いざ問題が起こった時にパニックになってしまう人も少なくありません。なにから手を付けていけばいいのか、わからなくなってしまうほどのパニックを起こす人は、危機管理能力の低い人です。

経験・知識不足だと危機管理能力が低い

ビジネスシーンでよくみられるのが、このパターンです。新入社員を思い浮かべれば、イメージしやすいでしょう。

ビジネスシーンで、経験・知識不足から危機を管理できない場合は、本人に向上心がなく、学習しないことが原因です。それに加え、あまりにも経験が不足している場合には、危機を危機として認識できずに対応できないことがあります。

しかし新入社員である場合は、知識・経験不足は当然であるともいえるでしょう。新入社員の危機管理能力の無さは、周りからのサポートや指導不足が原因のこともあります。

危機管理能力が高い人の特徴


危機管理能力が高い人には、ある程度共通する特徴があるものです。

この項目では、その特徴として4つ取り上げました。

慎重で用心深い

危機管理能力が高い人は、何事に対しても慎重で用心深いという特徴があります。

慎重で用心深い人は、何か問題が起こっても冷静かつ適切に対応することが可能です。

慎重だから決して博打のような行動を取ることはしませんし、用心深いからこそどのように行動すれば危機を乗り切ることができるのかを落ち着いて判断することができます。

その逆で、軽率で大雑把な性格の人は後先のことを深く考えずに行動してしまう傾向があるかもしれません。

危機を完全になくすこと自体はかなり難しいことですが、危機が発生した際には慎重で用心深い人が頼りになることでしょう。

常に冷静で落ち着いている人

危機というのは予定通りに起こるものではなく、概して突発的に発生するものです。

したがって予想外のことが自分の意図せぬタイミングで起こるわけですから、多くの人は少なからず混乱してしまうことでしょう。

しかしながら、混乱した状態で適切な判断や行動をすることは極めて難しいと言わざるを得ません。

そのためどんな場面であっても常に冷静で落ち着いている人は、何らかの問題が起こってもパニックになることなく最適な行動をするということが期待できます。

常に冷静で落ち着いている人は、「焦っても仕方がない」や「パニックになっても事態は好転しない」ということがよく分かっているのかもしれません。

日頃から備えができている人

危機管理能力が高い人というのは、実際に危機が起こった場合に備えて日頃から準備をしている人です。

例えば天災によって断水や停電などが発生した際に困らないように、ペットボトルの飲料水や蓄電池、非常食などを用意しているような人が当てはまります。

日頃から備えができている人は、いざ危機が発生しても対策ができているのでパニックになったりすることもありません。

「もしかしたら自分も災害に巻き込まれるかもしれない」といった考えを持って行動することができるからこそ、有事に備えて対策をすることもできるというわけです。

知識や経験が豊富な人

知識や経験が豊富な人は、何かが起こった際にどうすれば良いのかをその知識や経験から適切に判断することができます

したがって知識や経験が豊富な人は、危機管理能力が高い人だといえるでしょう。

例えば地震などが発生した際には、数多くの人がスーパーやドラッグストアなどに押し寄せて食料やトイレットペーパーなどを大量に購入するということが多いです。

知識や経験が豊富な人は、そのことを知っているからこそ売れ切れになるような商品を未然に買っておくことができます。

日本は災害大国と言われるほど毎年天災が起こっているので、いざ何かが起こる前に準備しておいた方が良いかもしれません。

危機管理能力を高めるメリット


危機管理能力は決して無駄なものではなく、様々なメリットがあります。

この項目では、そのメリットとして3つピックアップしました。

いざ危機が起こった際に、適切に対応できる

危機管理能力を高める最たるメリットは、いざ危機が起こった際に適切に対応できるということが挙げられるでしょう。

生きている限り、危機が全く発生しないということはとても考えられません。

多かれ少なかれ何らかの危機は必ず起こってしまうものです。

そしていざ何らかの危機があった場合、危機管理能力が高ければその危機を乗り切ることができる可能性も高まります。

したがって危機管理能力が高めるメリットは、実際の危機に適切に対応できることだといえるでしょう。

幅広い場面で重宝される

学校や会社など、危機管理能力が高い人は幅広い場面で重宝されています。

例えば学校で火災が発生した場合、危機管理能力が高い人は適切な判断をして生徒や教職員などを安全に避難させることができるでしょう。

また会社のパソコンがウイルスに感染してしまった際には、すぐにネット環境から遮断することでウイルスが拡散することを防ぐことが可能です。

様々な危機が日々起こっている今日だからこそ、危機管理能力が高い人はますます必要とされているのかもしれません。

外的な要素から自分を守ることができる

危機というのは自分から呼び寄せるものではなく、自分の意識の外から外的にやってくるものです。

そのため危機というのは自分が意図してコントロールできるものではなく、危機を完全に避けるということはできません。

しかしながら危機が発生した場合でもその脅威から自分を守ることに努めることはできます。

したがって危機管理能力が高い人は、危機という外的な問題から自分を守ることができるというメリットがあるといえます。

危機管理能力向上の3つのステップ


危機管理能力が低い人でも、うまく危機管理できるようになるために、基本である以下の3つのステップを参考にしましょう。

1. 目標設定
まずは、何を達成したいかをはっきりさせましょう。目的とは、危機回避なのか、最小限に抑制するのか、排除するのかなどになります。
2. 危機の分析
危機の定義・認識をする、パターン化する、最悪の想定する、などの分析方法があります。すでに起こった危機がどのくらいの期間、影響を及ぼすか、目標を達成するためのどのくらいの期間が設けられているかなどで分析の方法が変わってきます。
3. 解決方法の選定
危機を回避、または最小限の被害に抑えるなどの目標に沿って、分析をもとに具体的な解決方法を決めます。

危機管理能力についてのまとめ

  • 「危機管理能力」は、すでに起こったこと、その中でも危機を管理する能力のことを指しています。
  • 予想できないことや可能性を考えて、危険や損害を管理するのが、「リスク管理能力」になります。
  • 両者の違いは、実際に起こったことを管理するのか、まだ起こっていないことを管理するのかです。
  • 英語表現の「危機管理能力」は、“Crisis management skills”、または“Crisis-control capabilities”になります。
  • 危機管理能力が低い人の特徴には、楽観的で危機を認識できない、あるいはい逃している、パニックに陥って対処できない、経験・知識不足で対応できない、または方法を見いだせないなどがあるでしょう。
  • 危機管理能力が高い人の特徴としては、慎重で用心深い、日頃から備えができている、などの特徴があります。
  • 危機管理能力を高めるメリットは、いざ危機が起こった際に、適切に対応できることなどが挙げられます。
  • 危機管理の3つのステップには、1.危機回避、抑制などの目標設定、2.定義、パターン化などの危機の分析、3.具体的な解決方法の選定があります。
  • 社員だけでなく、会社自体の危機管理能力が低い場合もあります。場合によっては見切りをつけることも大切です。