退職金制度とは何かや退職金に頼らない場合の貯蓄方法について解説

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今までは、学校を卒業したらひとつの会社で定年まで働き、退職金をもらう事が当たり前でした。

終身雇用がすでに崩れ、退職金制度にも変化が現れ始めています。ここでは、退職金制度の現状や退職金制度がない場合にはどうすべきかなどについて解説していきます。

退職金制度なしの会社の割合は4分の1

厚生労働省の「平成25年就労条件総合調査結果」からみると、退職金制度がない企業は、全体の4分の1ほどとあります。

転職活動を始めて、退職金制度がない会社に出会っても、いまでは珍しいことではありません。

退職金制度は会社の義務ではない

社会の風潮として、今までは会社に退職金制度があるのは当たり前でした。しかし、退職金制度は会社に義務づけられた制度ではありません。

就業規則に明記しなければいけないとの定めがあります。ですが、なければないと明記すればよいだけです。

退職金制度は、終身雇用だからこそ必要な制度でした。会社がかわればもらえる退職金が減ることで、人材をひとつの会社に繋ぎ止める役割がありました。

終身雇用さえほとんど機能していない今は、会社にとって退職金制度を設けるのはメリットになりません。

退職金制度がない会社は悪い会社とはいえない

20年ほど前には、約90%の会社が退職金制度を設けていました。それが今では75%ほどの会社に減っているのは、終身雇用だけでなく、それぞれの会社の財産が減っていることも原因のひとつです。

退職金制度には、一度にある程度の金額の退職金の支払いのための原資、または積み立てが必要です。また、社員の高齢化で退職金の支出が増えて、原資が減ってしまったこともあるでしょう。

しかし、退職金は、月給から毎月自分の退職金のために積み立てられて、それを一括して退職時に支払われています。

退職金の原資が少ないということは、会社の経営不振に直結することではありません。退職金制度がない会社では、月給やボーナスを多めにしているとうたっている会社もあります。

退職金は後払いなので不確実

退職金を月給やボーナスからの積み立てと考えるならば、会社の経営状態によってその積立が全額反映されるかわからないことがあります。

極端にいえば、倒産で退職金を全くもらえなくなることも考えられるでしょう。また、退職金は会社の義務ではないので、会社はその経営状態により、退職金の金額をかえることもできます。

定年まで働くつもりだった会社で、何らかの理由で途中退職した場合には、定年退職してもらえるはずだった退職金の金額より少なくなるでしょう。

転職を考える人にとって退職金は不利

人によっては、転職でキャリアアップしていくこともあります。自己都合の退職の場合には、退職金の減額が一般的です。

ですから、転職を前提にしている人にとっては、退職金制度が逆に不利になることもあります。月給やボーナスが多い会社がよいでしょう。

退職金のあるなしは、生涯収入と転職の可能性を合わせて考えるべきです。

制度がないなら老後資金を備えておく

退職金制度がない場合、老後の資金は自分で地道に蓄えていかなければなりません。
年金制度も、この先が不透明なところがあります。なおさら老後資金の確保が重要です。

一般的に夫婦二人の老後の生活費は、月に24万円ほど必要だといわれています。十分に趣味や余暇を楽しむなら、月に35万円ともいわれています。

老後のための貯蓄方法

老後資金の貯蓄といえば、まず頭に浮かぶのは、地道な貯金でしょう。

目標をもち、簡単に引き出せない口座を用意しなければ、結果が分かりにくい(貯まりにくい)地道な貯金は、意外と難しいものです。金融商品ではないので、リスクがないだけに、仕方がないところです。

貯金以外の老後資金の貯蓄方法として、いくつかのおすすめの方法があります。

個人年金保険

保険会社が提供する年金と考えればよいでしょう。定額を保険会社に納めることで、年金のように毎月、または退職金のように一括で老後に支払いを受けられるものです。

貯金よりも金利がよいです。しかも気軽に引き出し足りはできません。また確定申告で保険料控除もあります。

ただ、商品を選ぶ時に気をつけないと、保険会社が倒産した時に受取金が減額になることがあります。また、思わぬ事態で途中解約する場合、元本割れすることがあります。

個人型確定拠出年金

別名DCとも呼ばれるのが、個人型確定拠出年金です。保険料を毎月払い、保険会社がそれを運用して、60才から年金として受け取る仕組みです。

節税対策になるうえに、運用で得た利益には税金がかかりません。ただし、60歳までは引き出せないので、箒退職してもすぐに受け取れないでしょう。

株や投資信託など投資商品

あくまでも投資なので、リスクが高いですが、運用効率を追求するなら株や投資信託になるでしょう。

経験がないと、なかなか難しいかもしれません。社会情勢でも大きく運用益が影響されるので、注意が必要な老後資金の貯蓄方法ではあります。しかし、他のものと組み合わせなるなど、リスクヘッジをできればよいでしょう。

退職金制度についてのまとめ

  • 退職金制度がない会社は、今では全体の4分の1ほどを占めます。退職金制度は会社の義務ではないので、終身雇用が前提で亡くなった今は、会社にとってはメリットの少ない制度になりつつあります。
  • 転職を前提にしている人にとっても、退職金は後払いであり不確実なことや途中退職者には不利なことが多いので、必ずしもメリットがあるものでもありません。
  • 退職金制度に頼らない場合、老後資金の貯蓄が必要です。その方法には、地道な貯金以外に個人年金保険、個人型確定拠出年金、株や投資信託など投資商品などがあります、ですがそれぞれメリット・デメリットがあります。