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この記事では、「裁判官」の仕事内容やなり方、勤務場所、年収、勤務体系、将来性などについて考察します。
映画やテレビドラマで、法廷で裁判官が判決を下すシーンを見たことがあるはずです。
冷静に判断するその姿には威厳が感じられます。
では、裁判官とはどんな職業で、裁判官になるにはどうすれば良いのでしょうか?
この記事を通して、「裁判官」に関する知識を深め、仕事選びの参考にしてください。
裁判官とは
「裁判官」とは、全国各地の裁判所において、中立の立場で法律上の判断を下す役目の人です。
憲法第76条第3項には、「裁判官は,憲法や法律に拘束されるほかは,良心に従って,独立して各事件について判断を行います」と記載されています。
裁判官には、「司法権の担い手」という重要な役割があります。
裁判官の仕事内容
裁判官の仕事は、事前に提出された資料を調べ、当事者や弁護士、検察官などの言い分や証拠を照らし合わせ、法に基づいて判断を下すことです。
裁判には、大きく「刑事裁判」と「民事裁判」があり、仕事内容も異なります。
刑事裁判では被告が罪を犯したかどうかの判断を下し、罪が認められる場合は、どうような刑罰が相応しいのかの判断もおこないます。
裁判員制度が適用される裁判では、裁判員と一緒に判断します。
民事裁判は、個人の生活に関する民事訴訟に関するもので、裁判官は当事者双方の言い分を聞き、証拠などを調べ判決を下しますが、「調停者」としての役割が大きくなります。
また、家庭内や親族間での問題が調停で解決しなかった場合におこなわれる「家事審判」や非行や非行を犯すおそれのある少年に対して刑事罰ではなく教育的な処遇を決める「少年審判」なども担当します。
裁判官の仕事は刑事裁判や民事裁判などの審判だけではありません。逮捕令状や捜索差押令状を許可するのも大切な仕事です。不当な逮捕や捜索がおこなわれないか、法律の規定に従って判断し、相当な理由が認められれば令状に押印します。
裁判官になるには「司法試験」の合格が必要
裁判官になるには、弁護士や検察官と同様に、「司法試験」の合格が不可欠です。つまり、被告を起訴する検察官、被告を弁護する弁護士、判断を下す裁判官も、「司法試験」という国家試験をクリアした人なのです。
ちなみに、「検察官」とは、検事や副検事の総称です。
司法試験の受験資格
司法試験を受けるには、2つの方法があります。
ひとつは、「法科大学院を終了する」方法で、4年生の大学を卒業して法科大学院に進むのが一般的です。
法科大学院は、大学で法律の基礎科目を学んでいることが前提で、2年間で卒業することができます。
また、法学部以外の学部を卒業した人でも入学できる「未修コース」も設けられています。未修コースの場合は、卒業まで3年間は必要です。
法科大学院は、さまざまな大学にあります。「慶応義塾法科大学院」「東京大学法科大学院」「中央大学法科大学院」などは、毎年多くの合格者を輩出しているので有名ですね。
司法試験の受験資格を得るもうひとつの方法が、「司法予備試験に合格する」ことです。
司法予備試験は、「法科大学院修了程度の知識・能力があるかを判定する試験」で、特別な受験資格はありません。
つまり、中卒や高卒でも受験することが可能です。
また、法科大学院に通うには時間や費用の負担がかかり、社会人にはハードルが高くなります。実際、司法予備試験の受験者は、働きながら受験する人が多いようです。
司法予備試験は、毎年、5月に「短答式」、7月に「論文式」、10月に「口述式」が実施されています。
仕組みとしては、「短答式」に合格すれば、「論文式」、「論文式」に合格すれば、「口述式」を受けることができます。
司法予備試験は、だれでも受験できるものですが、決して易しいものではありません。合格率は約4%前後で、非常に難関な試験と言えるでしょう。
司法試験の難易度はどれくらい?
法科大学院を終了したり、司法予備試験に合格すれば、受験できる司法試験ですが、その難度はどれぐらいでしょうか?
司法試験は、短答式と論文式による筆記の方法でおこなわれます。
短答式は、「憲法」「民法」「刑法」の3科目で、論文式は、「公法系科目」「民事系科目」「刑事系科目」「選択科目」の4つで実施されます。
司法試験の合格率は、有名法科大学院を終了した人でも50%前後で、一桁の法科大学院も少なくありません。
全体では、2019年の司法試験の合格率は33.6%になっています。
また、司法予備試験の合格者は、81.8%と高く、司法予備試験での学習が成果を及ぼしていると考えられます。
司法試験には受験期間があります。法科大学院を終了した人は、その年の4月1日から5年間で、この期間を越えると受験できません。
司法予備試験合格者は、合格日の最初の4月1日から起算した5年間が受験期間になります。
難関な司法試験を合格しても、すぐに裁判官になれるわけではありません。弁護士も検察官も同様ですが、司法試験を合格したら、まずは「司法修習」を受けなければなりません。
試験合格後は1年間の「司法修習」を受ける
司法修習は、司法試験に合格した人が、裁判官や弁護士、検察官の業務に就くための公式の研修です。
司法修習は、毎年12月に始まり翌年の11月に終了します。
まずは、12月に司法研修所において基礎的な講義や講習の「導入修習」がおこなわれます。
次に、全国の配属地で、「民事裁判」「刑事裁判」「検察」「弁護」の4科目を2か月ずつ体験します。
8月中旬から9月には、司法研修所でクラス分けの「集合修習」を、10月から11月には、配属地で「選択型実務修習」がおこなわれます。「集合修習」と「選択型実務修習」の順序は逆になる場合もあります。
11月の後半には、「二回試験」と呼ばれる「司法修習生考試」がおこなわれ、合格すれば晴れて裁判官への道が開かれます。
検事や弁護士から転身するルートもある
裁判官や検察官、弁護士になるかは、本人の希望や人格、司法修習の成績などによって決まりますが、検事や弁護士を経験したから裁判官に転身する人も少なからず存在します。
弁護士においては、1991年に発足された「弁護士任官制度」により、裁判官への道が開かれました。
さらに、2004年に「裁判官及び検察官としての能力及び資質の一層の向上並びにその職務の一層の充実を図ること」を目的とした「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律」が施行、2005年には、「弁護士職務経験制度」が施行されました。
しかし、1991年から20016年までの調査では、弁護士出身裁判官は、2944人中116人と決して多い数ではありません。
まだまだ難しいのが現実のようです。
裁判官がおもに勤める場所
裁判官がおもに勤める場所は、「裁判所」です。
日本には、「最高裁判所」「高等裁判所」「地方裁判所」「家庭裁判所」「簡易裁判所」の5つがあります。
通常裁判は、地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所の3段階でおこなわれます。
最高裁判所は、裁判所の最高位の機関で、全国にひとつ東京だけにしかありません。
高等裁判所は、全国8都市に設置され、主に地方裁判所で下された判決の控訴審をおこないます。
地方裁判所は、全国の都道府県の県庁所在地にあり、多くの支部が設置され、原則として第一審を担当します。
家庭裁判所では、家庭に関する事件の審判や調停、非行少年の審判をおこなう機関で、全国各地に本庁が設置され、数多くの支部もあります。
簡易裁判所は、請求金額が140万円以下の民事事件や罰金以下の刑に該当する刑事事件など比較的軽い事件を扱っています。全国に438ヶ所(平成29年時点)あり、もっとも多い裁判所となっています。
定期的な異動(転勤)は避けられない
裁判官として任命されると10年未満は「判事補」という肩書になり、最初の2年半は東京や大阪などの大規模な裁判所に勤務します。その後は3年サイクルで、高等裁判所のある地域の裁判所やその他の裁判所で経験を積むことになります。
裁判官にとって、「裁判官にとって転勤は必要不可欠なもの」が暗黙の了解になっています。
これは、同じ地域に住んでいると交流が深まり私情が入り、公平な判決に支障をきたす危険性があるからです。このために、3年から5年サイクルで転勤するのが慣例となっています。
裁判官の年収
裁判官の報酬は、「裁判官の報酬等に関する法律」で等級ごとに以下のように決められています。
〇最高裁判所長官 2,100,00円 〇最高裁判所判事 1,466,000円
〇東京高等裁判所長官 1,406,000円 〇その他の高等裁判所長官 1,302,000円
〇判事
・1号~8号 1,175,000円~516,000円
〇判事補
・1号~12号 421,500円~234,900円
〇簡易裁判所判事
・1号~17号 818,000円~234,900円
裁判官になりたての人は、月収234,000円で、一般の企業と変わりないように感じますが、月収以外に、初任給調整手当、地域手当、勤勉手当に加え1年目から4.4ヵ月のボーナスが支給されます。推定年収は5,030,368円(平成30年時点)と一般企業の新人よりはかなり多い金額です。
検事になれば、推定年数は、約1900万円~約800万円、最高裁判所判事が約3000万円、最高裁判所長官は約4000万円と高額になります。
裁判官の勤務体系と休日
裁判官には、他の公務員のような所定の労働時間は決められていません。基本的には自分が担当する裁判が開廷するまでに法廷に入れば良いのです。
しかし、現在の日本では処理すべき事件に対して裁判官の数が圧倒的に不足しています。
法廷は月曜日から金曜日の平日に開廷しますが、その準備や判決書きのために土日を裁判所や自宅で仕事をする裁判官も少なくありません。
また、令状を発行するために月2~3回は夜9時から翌朝8時までの「夜間令状当番」という勤務があります。
休日は、開廷していない土曜日には休めますが、基本的には他の裁判官との調整で休みをとるのが一般的です。
裁判官の将来性
複雑高度化する現在において、裁判所が扱う事件も多様化し、裁判官の役割も重要になっています。
しかし、欧米諸国に比べると日本の裁判官の数は圧倒的に少なく、司法試験合格者の中でもごく限られた人しか裁判官にはなれません。
弁護士から裁判官になるケースもありますが、人数的にはまだまだ少ないのが現実で、裁判官の需要は相変わらず高い状態です。
裁判が効率よく的確にできるようにするためにも、裁判官の数を増やすことが求められています。
定年は何歳まで?
裁判官の定年は、裁判所法で決められています。
最高裁判所裁判官は70歳、高等裁判所,地方裁判所及び家庭裁判所の裁判官が65歳、簡易裁判所判事が70歳です。
最高裁判所裁判官および簡易裁判所判事の定年が70歳にしたのは、経験豊富で老練な人材を年齢に関係なく求めたいという理由もあるようです。
まとめ この記事のおさらい
・「裁判官」とは、全国各地の裁判所において、中立の立場で法律上の判断を下す役目の人です。
・裁判官の仕事は、事前に提出された資料を調べ、当事者や弁護士、検察官などの言い分や証拠を照らし合わせ、法に基づいて判断を下すこと。
・裁判官になるには「司法試験」の合格が必要で、試験合格後は1年間の「司法修習」を受けなければなりません。
・裁判官の勤務先は「最高裁判所」「高等裁判所」「地方裁判所」「家庭裁判所」「簡易裁判所」の5つ。
・裁判官の推定年収は新人で約500万円、検事約1900万円~約800万円、最高裁判所判事約3000万円、最高裁判所長官約4000万円。
・勤務体系は法定のない土日は休日になりますが、準備などで忙しく、休日も他の裁判官との調整で取得することが多くなります。
・複雑高度化する現代、欧米と比較しても数の少ない裁判官の需要は高まっています。
・最高裁判所裁判官の定年は70歳、高等裁判所,地方裁判所及び家庭裁判所の裁判官が65歳、簡易裁判所判事が70歳と法律で決められています。
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