無気力とはどんな状態?考えられる原因・病気・改善・対策方法を紹介

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この記事では「無気力」について解説いたします。

心身ともに健康な毎日を送ることができれば何よりですが、気力が湧かなかったりやる気が起こらなかったりといったこともあるでしょう。

そこで今回は「無気力」になってしまう主な理由や対策等について取り上げました。

この記事の中で一つでも参考になるような内容があれば幸いです。

無気力とはどういう状態か

やる気が出ない
「無気力」とは何をする気力もないことや、やる気のないこと、あるいはその様子を意味しています。

勉強や仕事だけではなく、お出かけや旅行といった楽しいことでさえ億劫に感じてしまうのが特徴です。

例えば休日はどこにも出かけずに家でゴロゴロしたり、ボーッとするといった過ごし方をするのは「無気力」な状態になっているからかもしれません。

「無気力症候群」とは

他のことへのやる気はあるのに、仕事に対しての気持ちが起こらない状態が「無気力症候群」(アパシーシンドローム)です。

無気力症候群が発症する人には、次のような傾向があります。

・周りの期待に応えたいという気持ちが強い
・誰かに指示されて動いているほうが楽
・自分の主張が弱く、主体性がない
・常に他の人と自分を比較する
・完璧主義者

この傾向があると無気力症候群になる、と言い切ることはできません。しかし、自分の意見がなく他の人の評価に自分の存在意義を見出している場合、いつまでも100%の評価を得ることができず苦しくなってしまう可能性が高いです。

努力しても成果が得られないと感じたり、明確な目標を見いだせない場合に無気力症候群を発症してしまう可能性があります。

さらに自分の意思がはっきりしている人でも、完璧主義の人は無気力症候群を発症する可能性があります。自分の理想、目標を高く持つことは良いことなのですが、完璧主義の場合は到達不可能な目標を立ててしまう傾向があります。

到達不可能な目標に向けて長期間努力していると、達成感を得ることができず疲れ切って無気力症候群を発症してしまうのです。医師や看護師など、人の命と向き合う仕事をする人に完璧主義者が多いと言われていますが、共働き家庭の女性が「家事と仕事を100%両立させたい」と完璧を求めるケースも多いので、どんな立場の人でも注意が必要です。

「無気力症候群」には大きく分けて4種類あるといわれています。

以下でその分類と詳細について確認しておきましょう。

1.学習性無力感型
「学習性無力感」とは「長期にわたりストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象」のことです。

育児疲れや過剰労働といった、結果を実感しにくい状態が慢性的に続いている場合には「学習性無力感」が強まる傾向があるとされています。

2.モラトリアム型
「モラトリアム」とは「目標を見失っていて、エネルギーをどこへ向けていいのか分からない状況」を意味しています。

例えば大学入試で合格したものの、いざ入学すると次の目標を見失ってしまい大学の勉強にも身を入れることができなくなる「スチューデント・アパシー」もこの一種です。

この場合は新たな目標を見つけることが最も根本的な解決策だとされています。

3.精神疾患型
特に思い当たるような理由がないのにやる気が出なかったり、生きる気力が湧かなかったりする場合、この「精神疾患」に当てはまります。

うつ病や統合失調症等も「精神疾患」だといわれており、まずは心療内科や精神科で受診してみるのが現実的な対応方法かもしれません。

4.体調不良型
「体調不良型」は睡眠不足や身体的な不調といったことが原因で「無気力」になっている場合です。

体に不調が見られると、何かをしようと思ってもなかなか気力が起こらないということもあるでしょう。

例えば生活リズムが乱れていたり、睡眠が不規則になっているのであればまずは生活習慣を見直してみると良いかもしれません。

無気力になってしまう主な理由・原因とは

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「無気力」になってしまうのには、何かしら理由があるということが少なからずあります。

これは先述の「無気力症候群」の4つの分類と重なる部分が多いので、それぞれの分類をもう少し詳しく確認していきましょう。

1.学習性無力感型
「学習性無力感」に陥るのは、ストレスを長期間避けることができない環境下に身を置いている、あるいは置いていたからというのが理由の一つです。

上記のような環境で自分のスキルや能力以上の仕事や業務を行い続け、失敗しては結果が出ないということを繰り返している可能性があります。

2.モラトリアム型
「モラトリアム」は、大きな目標を達成した後に次の目標が見つからない場合によく見られます。

例えばオリンピックの金メダリストが次に目指すところを見出せなくなったり、大きなプロジェクトを成し遂げたリーダーが燃え尽き症候群になってしまったりするのもこの「モラトリアム」です。

「モラトリアム」は大きな目標を達成した後に今後何に向かって頑張れば良いか分からないというのが理由だといえるかもしれません。

3.精神疾患型
「精神疾患」は精神的に絶望感を抱え込んでいたり、何をやるにしても自己肯定感を低く見積もってしまったりする傾向があります。

過去に大きな挫折を味わったり、自尊心を傷つけられたりした経験があるのが理由だという人もいるかもしれません。

4.体調不良型
「体調不良」は、その背景に食生活や睡眠の乱れといったものがあるという説があります。

例えばやる気に関わるとされる「セロトニン」や「ドーパミン」といった脳内物質は、睡眠の時間が短かったり質が悪かったりするとあまり分泌されません。

そうするとそれが「体調不良」として顕在化し、何をやるにしてもやる気が起きないようになるというわけです。

無気力で何もやる気が起きないときの4つの対策

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上記のように理由が分かったところで、具体的な対策がなければ根本的な解決にはならないでしょう。

そこでこの項目では「無気力」で何もやる気が起きないときの対策として、4つ取り上げました。

それでは一つずつ見ていきましょう。

規則正しい生活リズムを取り戻す

まずは規則正しい生活リズムを取り戻すことが挙げられるでしょう。

「体調不良」型でも触れましたが、生活リズムが乱れていると体調を崩しがちになり、それがやる気の喪失にまで発展する可能性は十分に考えられることです。

その為特に食事と睡眠を規則正しくし、一定の生活リズムに戻すということが重要になってきます。

なかなか寝付けない等であれば、例えば就寝前に軽くストレッチをしたり、ホットミルクを飲んだりしてみるのも良いかもしれません。

栄養バランスの良い食事を摂る

栄養バランスの良い食事を摂ることも非常に重要なことです。

ファーストフードばかり食べていたり暴飲暴食を続けていては、脳ではなく臓器にエネルギーを取られてしまいます。

そうすると眠気を誘発したり、疲れを感じやすくなったりしてしまうというわけです。

そういった事態を避ける為にも、栄養バランスを考えて適量を食べるという食事のスタイルを心がけると良いでしょう。

散歩やストレッチなど、簡単な運動を始める

散歩やストレッチといった、簡単で始めやすい運動をやってみるというのも一つの手段です。

運動習慣がない人は、ある人と比べてうつ病のなりやすさが2倍以上違うという調査結果もあるように、適度な運動は心身の健康に良い影響を及ぼすという意見もあります。

ただし過度な運動はハードルが高くて始めにくいといったデメリットだけでなく、体に過剰な負担がかかってしまうという負の側面もあるので避けた方が無難でしょう。

まずは自分の負担にならない程度に、30分程度の散歩やストレッチから始めてみると継続しやすいかもしれません。

家族や友人に、自分の悩みや考えを打ち明ける

家族や友人に、自分の悩みや考えを打ち明けるというのも非常に有効だといえます。

自分の中で悶々として抱え込むよりも、人に話すことで解消した方が気分もすっきりとすることでしょう。

直接問題を解決してもらう為のアドバイスをもらうというよりも、ただ話を聞いてもらうだけというスタンスの方が聴く側にとっては気が楽です。

もし身近に打ち明けられるような相手がいなければ、心理カウンセラーに話をするというのも一つの手かもしれません。

無気力な状態がいつまでも続く時は、病気の可能性も

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もし「無気力」な状態が一過性ではなく慢性的に続いているのであれば、それは病気である可能性も考えられます。

病気である場合は無理にやる気を出そうとしても逆効果になることが多いです。

ではどういった病気があるのかを確認する為、この項目では「うつ病」と「自律神経失調症」、「更年期障害」について取り上げました。

うつ病

「うつ病」とは「気分障害の一種で、抑うつ気分や意欲の低下、焦燥や食欲低下、不眠や持続する不安といった特徴がある精神障害」のことです。

「自分は駄目な人間なんだ」と自責の念を抱いたり、何事に対してもネガティブに考えてしまうといった傾向もあります。

それでは、うつ病と無気力症候群とは、何が違うのでしょうか。
うつ病の場合は何に対してもやる気が起きないのに対し、無気力症候群の場合には「家事」「仕事」「勉強」など特定のことに関してのみやる気が起きなくなります。

さらにうつ病の場合は不眠や食欲不振など、身体的な症状が併発する場合がほとんどです。無気力症候群の場合は、気力が奪われるのみで身体的症状はあまりありません。

自律神経失調症

「自律神経失調症」とは「不規則な生活習慣やストレスを原因とする、自律神経のバランスが乱れることにより起こる様々な身体の不調」のことです。

自律神経とは内外からの情報や刺激に対して自動的に反応する神経のことで、本人の意志とは関係なく呼吸や血液循環、体温調節や消化といった機能を無意識のうちに調節します。

この自律神経のバランスが乱れることにより、心身に不調をきたすようになってしまうというわけです。

無気力症候群と似ている点は、几帳面な努力家、他人の評価を気にする人など、繊細な感受性の持ち主がなりやすい症状だという点です。ストレスが原因で自律神経失調症になる人は多く、中にはうつ病と併発しているケースもあるため、発見が遅れるケースが多いそうです。

無気力症候群と異なる点は、めまい・立ちくらみ・動悸・下痢・発汗などの身体的症状が顕著に現れる点です。これらの症状があるならば、内科・神経内科等にて受診しましょう。

更年期障害

「更年期障害」とは「性腺ホルモンの低下に起因する症候群」で、主に女性での症候群を指すことが多いです。

女性は年齢により4つのライフステージ(思春期・性成熟期・更年期・高齢期)を経験します。

個人差はあるものの50歳前後で閉経を迎え、この閉経の時期をはさんだ前後10年間(一般的に45歳から55歳頃)が「更年期」です。

加齢により卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することでホルモンバランスが崩れ、心身に様々な不調が出るのが原因だとされています。

具体的な症状としては頭痛や物忘れといった精神神経系、肩こりや腰痛等の運動器官系といったものがあり、これらに思い当たるものがある場合は婦人科に相談してみるのが良いかもしれません。

無気力症候群と異なる点は、「家事」「仕事」など特定のものに取り掛かるかどうかに関係なく無気力感や抑うつ状態を抱えるという点です。さらに、ほてりやのぼせ、発汗などは更年期障害特有の症状と言えます。

まとめ 無気力についてのおさらい

  • 「無気力」とは何をする気力もないことや、やる気のないこと、あるいはその様子を意味している。
  • 「無気力症候群」(アパシーシンドローム)とは他のことへのやる気はあるのに、仕事に対しての気持ちが起こらない状態を指す。
  • 「無気力」になってしまうのには長期間努力が認められないような環境下にいたり、大きな目標を達成した後に次の目標が見つからないといった理由が考えられる。
  • 「無気力」への対策としては、規則正しい生活リズムを取り戻すことや、栄養バランスの良い食事を摂る、散歩やストレッチといった簡単な運動を始めること等が挙げられる。
  • 「無気力」な状態がいつまでも続くなら、「うつ病」や「自律神経失調症」、「更年期障害」といった病気である可能性がある。