「徒花(あだばな)」の意味 言葉の由来や英語表現を解説

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この記事では「徒花」という言葉について解説します。

ここでは、「徒花」の読み方や意味、由来や使い方、類語や反対語はあるのか、英語ではどのように表現するのかについて解説します。

「徒花」の意味は三つある

「徒花」は「あだばな」という読み方をし、「いたずらばな」と読むこともあります。

「徒花」の主な意味には以下の3つがあります。

①咲いても実を結ばない花。外見ははなやかでも実質を伴わないもののたとえにもいう。
②季節はずれに咲く花。狂い咲き。
③咲いてすぐ散る、はかない花。特に、桜の花。 あだざくら。

特に①の「外見ばかりで中身が伴わない」ものの例えとして使われることが多いです。

「徒花」という言葉を用いた、「徒花に実は生らぬ(あだばなにみはならぬ)」ということわざもあり、見かけがよくても、内容が伴わず着実におこなわれない計画は、よい成果が得られないという意味をもちます。

「徒花」の由来は見た目だけよい花

「徒花」は、花の「はかなさ」や「見た目だけで楽しむところ」が由来である言葉です。

「徒花」は、本来は花はそこにあるだけで美しいものですが、特に実の無い花は枯れてしまえばなにも残らず、「外見だけで中身がない」という意味をあらわしています。

「徒」という字は「無駄」という意味や、無益なこと。幾らしても、実りのないさま。という意味を持つ漢字で、「徒労(骨折り損)」「徒食(仕事をしないで無駄にご飯を食べる事)」という言葉にも使われます。

「徒花」の使い方と例文

「徒花」は、「外見だけ磨き上げて、中身が伴わないこと」をあらわす言葉として使われています。

「見た目だけ豪華で使い道がない道具」であったり、「見てくれだけ立派で中身がない原稿」などというように、人でなく物事に対して用いられたりするのが一般的です。

基本的によい意味で使われることはなく、「実らない努力」や「外見への無駄なこだわり」をさすときに用いられる言葉の一つです。

「徒花」の例文

彼女の時代は一時の徒花に過ぎず、その黄金期は長くは続かないだろう。
徒花に実は生らずともいうし、出来栄えにばかり気を取られず、もっと中身について話し合った方がよいと思う。
君の努力が徒花にならないことを願うよ。

「徒花」の類語と例文

「徒花」の類語①:見掛け倒し(みかけだおし)

見掛け倒しは、外見はすぐれていても、実質は劣っていることを意味する言葉です。

見掛け倒しを使った例文
「立派なようで、しょせんは見掛け倒しだ。」

「徒花」の類語②:無駄(むだ)

無駄は、役に立たない(余計な)ことや、効果・効用がないことを意味する言葉です。

無駄を使った例文
「こんなところに椅子を置いても無駄でしかない。」

「徒花」の類語③:水の泡(みずのあわ)

水の泡は、はかなく消え去って行くことや、努力などが無駄になることを意味する言葉です。

水の泡を使った例文
「頑張って企画書を作成したのに、パソコンが壊れて水の泡になってしまった。」

「徒花」の反対語「実る」と「見かけに違わぬ」

「徒花」の反対語は「実る」という言葉が使えるでしょう。

「徒花」自体、実がならない花が由来であるため、「実る」という言葉とは真逆の位置にある言葉です。「努力が実る」「恋が実る」というように「成果が出る」という意味です。

「見かけに違わぬ」という言葉も反対語として使うことが出来ます。見かけ通りという意味で、「見かけに違わぬ実力の持ち主だ」などと、見かけと中身にギャップがない(少ない)ときに使います。

「徒花」の英語表現

英語で「徒花」を意味する表現はいくつかあります。

「blossom that bear no fruit」は直訳すると「実の生らない花」という意味で、「徒花」をあらわす言葉です。

「blossom blooming out ofseason」は「季節外れに咲く花」を意味し、「徒花」の意味と同じことを表現しています。

「なにも成果が残せなかった」という意味で「徒花に終わる」という言葉がありますが、英語では「come to nothing」と表現します。

徒花についてののまとめ

  • 「徒花」は「あだばな」や「いたずらばな」と読み、主に「外見は華やかでも、中身が伴わないこと」を意味する言葉です。
  • この「徒花」を用いたことわざ「徒花に実は生らぬ」は「どんなに見かけがよくても、内容が伴わず着実におこなわれない計画は、よい成果を残せない」という意味のことわざです。
  • 「徒花」の由来は「実の生らない花」そのものから来ていて、花が散ってしまえば後には実も残らないことから「見た目ばかりの無駄なもの」という意味になりました。
  • 「徒花」の類語には「見掛け倒し」という言葉があり、一方、反対語には「見かけに違わず」という言葉があります。
  • 英語では「blossom that bear no fruit」と表現するのが一般的で、何も成果を残せないという意味の「come to nothing」という英語でも表現することができます。