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この記事では、「冗長」の意味や使い方、言い換え表現、対義語、英語表現などについて解説します。
「冗長」という言葉を耳にしたことはあるはずです。なんとなく意味はわかっても正確に答えることは難しいかもしれません。しかも、「冗長」はIT分野において一般的な意味とは異なる使い方があります。
今のビジネスシーンにおいて「冗長」の意味を理解することは必要不可欠です。この記事を通して、「冗長」の正しい意味と使い方を理解して、ご自身のスキルアップにつなげてください。
冗長とは|一般的な意味からIT業界での意味合いまで
「冗長な話」などのように、冗長は一般的に「無駄に長い」というネガティブな意味で使われますが、IT用語ではかなり意味合いが異なります。
一般的な冗長の意味や読み方
一般的な「冗長」は、「話や文章に無駄が多く不必要に長いこと」の意味で、「じょうちょう」と読みます。冗長の「冗」には、「不必要な」「無駄な」「余分な」などの意味があります。「冗長な表現」と言われたら、無駄の多い不必要な表現と指摘されているのです。
ビジネスにおいて、わかりやすく端的な表現は不可欠です。「冗長な話」や「冗長な文章」にならないよう、日ごろからトレーニングすることも大切です。
ITにおける冗長|ポジティブな意味合いで使われる
一方、IT用語で使われる「冗長」は、「通常は使用しない装置やシステムなどを配置していること」の意味です。一般的な意味のネガティブな冗長とは異なり、「予備」や「余裕を持たせる」というポジティブな意味で使われます。
情報化社会の今、コンピューターシステムやサーバーに故障が生じるとさまざまな障害を引き起こします。万が一のリスクを回避し、被害を最小限にとどめる体制づくりは企業や団体にとって最優先課題になっています。
東日本大震災のときには、システムなどが大きなダメージを受け、多くの企業が多大な損害を被りました。特に国内外にネットワークを構築している企業には、ITにおける「冗長」は、必要不可欠な命題と言えるでしょう。
日常で話す冗長の使い方や例文
「冗長」には、「話や文章に無駄が多く不必要に長いこと」と「通常は使用しない装置やシステムなどを配置していること」の2つの意味がありますが、使われ方が少し異なります。一般的な「冗長」は、以下のようにそのまま熟語として使われることが多くなります。
- 部長の話はいつも冗長で、部下たちはひたすら時間が経つのを待っています。
- 彼らの論点のない冗長な議論は、無駄というしかありません。
- こんな冗長な文章では、だれも説得できないですよ。
また、文章に関する言い回しとして「冗長表現」という熟語もよく使われます。
冗長表現
「冗長表現」とは、文章の内容と関係ない言葉や遠回しな表現を使うことで、読みづらい文になっていることを指す言葉です。難解な表現や類語の重複、長い一文などを多用すると、意図の伝わりにくい文章になってしまいます。
- 冗長表現は読者にストレスを与えるので、文章を読み返してチェックしてください。
一方、IT用語としての「冗長」は、「冗長化」や「冗長性」、「冗長度」などの表現で使われることが多くなっています。
冗長化
「冗長化」とは、「システム障害などに備え、日ごろから予備装置などの体制を整えておく」ことです。冗長化がきちんとおこなわれていれば、万が一のことが起きても設備やシステムを稼働し続けることができるのです。
- アクセスが集中することを踏まえ、早急にシステムの冗長化を進めてください。
冗長性
「冗長性」とは、「冗長化によって設備やシステムに信頼性や安心性がある状態」のことです。また、数学では「理論上なくてもいい命題」、心理学では「余分な部分が付加されることで安定性が図られていること」などの意味もあります。
- 発電設備に冗長性を持たせることで、送電網の信頼性がアップします。
また、「冗長性」はIT分野に限らず、さまざまな分野で使われています。例えば、建築学では建物の構造的な余裕を意味し、冗長性が高いほど崩壊しにくいと言われています。心理学では、無駄と思えることを意味し、冗長性が高いほど安定するとされています。
冗長度
データ通信では本来の情報のほか余分なデータを加えて送っています。この「伝達される情報に含まれる余分な部分の割合」を「冗長度」と言います。例えば、画像圧縮の場合、細かな画像より冗長度の高い一般的な図柄の方が圧縮しやすくなります。
- 情報処理の世界では、冗長度が高いほど安定していると言われています。
冗長の言い換え表現
「冗長」の言い換え表現としては、「冗漫」「長たらしい」「過剰」「余計」「無駄」「散漫」「煩雑」などがあります。
- 意味
言い方や表現がくどくて締まりがないこと。そのさま。 - 例文
あの先生の講義は、いつも冗漫でポイントがわかりづらいのが欠点です。
- 意味
だらだらとして、嫌になるほどながい。 - 例文
朝のスピーチでの10分は長たらしいので、3分にまとめてください。
- 意味 必要な程度や量を超えて余ること。
- 例文 気持ちは理解できますが、過剰な情報は混乱を招くだけです。
- 意味
必要な量より多くあること。余分。 - 例文
課長の説明は余計な話が多いので、新人には伝わりづらいようです。
- 意味 役に立たないこと。
- 例文 君の文章には無駄な形容詞が多すぎます。
- 意味 まとまりのないさま。ちらばり広がること。
- 例文 感情移入しすぎると文章が散漫になりがちです。
- 意味 こみいって煩わしいこと。そのさま。
- 例文 システムの構成がこんなに煩雑では、安心して作業できません。
冗長の対義語
反対語辞書では、「冗長」の対義語は「簡潔」ですが、「端的」「明瞭」「クリア」なども対義語として考えられます。
- 意味
てみじかで要領よくまとまっているさま。 - 例文
簡潔でわかりやすい説明ができる人こそが、本当に頭が良い人だと思います。
- 意味
はっきりとして明白なさま。 - 例文
部長の指示はいつも端的で、部下たちは安心して仕事に没頭できています。
- 意味 はっきりしていること。
- 例文 議論が進まないのは、論点が明瞭でないからです。
- 意味
あきらかなさま。 - 例文
言葉選びや表現方法を学べば、文章はもっとクリアになりますよ。
冗長の英語表現
「冗長」の英語表現としては、「redundant(余分な・不要な)」「verbose(言葉が多い・くどい)」「lengthy(長たらしい)」などがあります。
- The president’s talks are always redundant and boring.
社長の話はいつも冗長で退屈です。 - The professor’s lecture was incredibly verbose,
教授の講義は信じられないほど冗長でした。 - He always makes lengthy explanations.
彼はいつも説明が長たらしい。
まとめ この記事のおさらい
- 「冗長(じょうちょう)」は、「話や文章に無駄が多く不必要に長いこと」の意味。
- IT用語の「冗長」は、「通常は使用しない装置やシステムなどを配置していること」。
- 冗長の言い回しには、「冗長表現」「冗長化」「冗長性」「冗長度」などがあります。
- 「冗長」の言い換え表現は、「冗漫」「長たらしい」「過剰」「余計」「無駄」「散漫」「煩雑」など。
- 「冗長」の対義語は「簡潔」「端的」「明瞭」「クリア」などが考えられます。 「冗長」の英語表現は、「redundant」「verbose」「lengthy」など。