古き良き言葉「いささか」の適切な使い方と「いささか」の様々な意味

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「いささか」は、日常会話で一般的に使われる言葉ではありません。ビジネスレターやレポートなどにもあまり馴染まない言葉ですが、目上の方への手紙やお礼状、やや堅めで漢字を多く使う文章には馴染みます。上手く使用すれば、文章の表現が豊かにになり、印象的な言葉にもなります。

この記事では「いささか」について解説していきます。

「いささか」の意味

「いささか」の意味は、基本的には“少し”や“いくらか”ですが、ニュアンスの違いや現在の使い方を把握するのが大切です。「いささか」には以下のような4つの意味があります。

① 行為やものの、数や程度が普通よりも少ない様子を表現していて、“少し”、“幾らか”などの意味があります。「いささか」は、人が行う行為などを自分の考えを基準に少ないと判断している場合は婉曲のニュアンス、自分の行為などに使う場合は謙遜のニュアンスが加わります。

② 「いささか」を現代的な用法で使用すると“かなり”という意味で使われることがあります。

③ 下に打ち消しの語をつけて、“少しも”や“全然”の意味で使います。「いささかならず」「いささか~でない」というのが、一般的です。また、現代語では「いささかも」の形にすることもあります。

④ 形容詞として、数量・程度がわずかであることから、“重大でないさま”を表現します。

古語のいささか

「いささか」は、もともと古語で、万葉仮名からあるかなり古い言葉です。語源には、いろいろな説がありますが、「いとささやか」が略されたという説もあります。

漢字表記

「聊か」と「些か」の2通りがあります。どちらかといえば、「些か」の方が一般的ですが、読めない人も少なくないので、ひらがな表記の「いささか」の方がわかりやすでしょう。

「いささか」の類義語

量や程度が少ない様子なので、「いくらか」、「わずかに」、「少し」などがあります。

今の使われ方からいえば、「いくらばかり」や「わずかばかり」と、量などがそれ以上にはならないニュアンスの「~ばかり」を付け加えたほうが適切でしょう。

「いささか」の反意語

「はなはだ(甚だ)」、「すいぶん(随分)」「たいそう(大層)」などがあります。

いささかの使い方と例文

「いささか」の例文には以下のようなものがあります。

婉曲のニュアンスで使用する場合

「輸送コストがかなりかかるので、いささか割高になるのは避けられない。」

謙遜のニュアンスで使用する場合

「料理の腕には、いささか自信があります。」

「かなり」の意味 で使用する場合

「彼が突然現れたのには、いささか驚きました。」

下に打ち消しの語を付ける場合

「確信は、いささかも揺るぎません。」
「このレベルの問題だと、いささかも自信がないです。」

重大でない様を表現する場合

「いささかなりともお役に立てればと思います。」
「それでは、いささか問題だろう。」

「いささか」の英語表記

「いささか」には、“a little”、“a bit”、“slightly”、“somewhat”などがあります。

・I speak a little English.
私は、いささかの英語を話します。
・It’s slightly hotter.
いささか暑い。

「いささかも~ない」の意味では、“not…in the least”や“not…at all”があります。

・I am not sleepy at all.
いささかも眠くない。
・It doesn’t matter in the least.
そんなことはいささかもかまわない。

「いささか」のおさらい

「いささか」の意味は、基本的には“少し”や“いくらか”だが、婉曲のニュアンス、謙遜のニュアンス、現代的な使い方では“かなり”や“少しも”、“全然”の意味もあります。

「いささか」は万葉仮名の時代からある歴史ある古語で、現在の「いささか」の一部の意味と同じように、“少し”や“わずか”と、打消の語と一緒に“少しも”、“まったく”の意味になります。

漢字表記には、「聊か」と「些か」の2通りがありますが、一般的には「いささか」とひらがな表記です。英語表現の「いささか」は“a little”、“a bit”など、「いささかも~ない」の意味では、“not…in the least”や“not…at all”があります。