「了承を得る」の了承の意味とは、 了解・承諾との違いを解説

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ビジネスシーンでは、会話でもメールでも相手からの許可を求め、「了承を得る」と表現することがあります。定型文句として何気なく使っているかも知れませんが、他の似たような言葉「了解」や「承諾」と意味に違いがあります。
使い分けなければ失礼に当たることもあるので、ここでしっかり復習しましょう。

了承を得るとは

「了承」とは、辞書で調べると”事情をくんで納得すること“を言います。しかし、この言葉には、上から目線なニュアンスがあります。

社内であれば、目上から目下が許可を得た場合、社外ではクライアントから何かの許可を得た場合に使う言葉です。

■先日訂正した設計図で先方から了承を得たので、作業に入ります。
■○○課長からは了承を得ている企画書ですが、お目通しいただけませんか?

了承と了解・承諾の違い

了承と「了解」の違いとは

辞書で“物事の内容や事情を理解して承認すること”とされています。
よく社内で使う言葉とされているように、ビジネスにおいて相応しい敬意が含まれていない言葉と言われています。
社内でも、年齢的に目上の人に使わないのが無難です。

■ミーティングを欠席した○○さんから、議題については了解を得ています。(同僚同士)

了承と「承諾」の違いとは

承諾は、“相手の意見・希望・要求などを聞いて、受け入れること”を言います。
一般的には、社外とのやり取りの中で使われます。取引や契約などビジネス上のきちんとした手順に対して使うことができます。また、上司からの許可の意味で、個人的な行為や行動に対しても使われます。

■先日の契約について、A社から承諾を得ました。
■B課長から正式な承諾を得ていませんので、まだ進めることができません。

相手から許可を得る際に適した表現

では、相手に何かに対して許可を求める時には、どのような表現が適切でしょうか?
「計画案訂正が遅れますので、○○ください」を例にします。

計画案訂正が遅れますので、ご了承ください

この場合は、社内で目上の人に、または社外の人に遅れに対する許可を依頼するのにも適切です。相手を選ばずに使える表現です。

計画案訂正が遅れますので、ご了解ください

文法的には間違いではありませんが、表現として依頼する際には「了解」は使いません。
相手からの依頼を受けた時の返答として使います。返答として、ビジネスには相応しくないカジュアルなニュアンスがあるので、社内の目上の人へ「了解しました」というのは控えるのがいいでしょう。

「了解」に替わる表現として、「承知」があります。これは、“依頼・要求などを聞き入れること”、“事情などを知ること。また、知っていること。わかっていること”“相手の事情などを理解して許すこと”を言います。「了解」よりもビジネスに相応しい言葉です。上司にも社外の人にも使えます。「ご承知ください」「ご承知おきください」と使います。

「計画案訂正が遅れますので、ご承知ください」

ただし、「承知を得る」という表現は使いません。「承知くださっている」と言い換えます。

計画案訂正が遅れますので、ご承諾ください

許可の依頼をする時に「承諾」を使うと、やや強めの依頼のニュアンスがあります。相手が受け入れることを前提にしているように聞こえることもあります。立場や状況を見極めて使うべき表現でしょう。

まとめ

「了承」とは、”事情をくんで納得する“意味の言葉ですが、上から目線のニュアンスがあります。目上から目下が、またはクライアントから何かの許可を得た場合や依頼する場合に使う言葉です。似た言葉に、「了解」「承諾」があります。
「了解」は、ビジネスにおいて相応しい敬意が含まれていない言葉とされ、許可を得た場合でも目上や社外の人に「了解しました」との表現は使わないのが無難です。「了解」は依頼する場合には使わないので、「承知」に置き換え「ご承知ください」とします。
「承諾」は、社外との契約や取引の際のやり取りや社内の個人的な行為にも使える言葉です。依頼の場合の「ご承諾ください」には、やや強めのニュアンスがあるので、使う際には立場や状況を考慮して使いましょう。
意味の差はそう大きくはありませんが、ビジネスパーソンとしてはニュアンスの違いを認識して使い分けると、よりいい印象になります。