エビデンスとは?業界別の意味、間違った使い方などを簡単に解説

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この記事では「エビデンス」について解説いたします。ビジネスシーンで特によく使われる言葉ではあるものの、日常的に見聞きするわけではないため意味や使い方がよく分からないという人も多いかもしれません。

そこで今回は「エビデンス」の意味や使い方、類義語なども含めて記事にまとめました。この記事を最後まで読めば、今までより「エビデンス」に対する理解が深まることでしょう。

エビデンスとは

エビデンスの意味

「エビデンス」とは「証拠」という意味です。そこから派生して「根拠」や「証明」といった意味で用いられることもありますが、その際は文脈に応じて読み取れる必要があります。

そもそも証拠とは「事実などを証明する、その根拠となるもの」です。例えば裁判において事実とされていることが本当であることを示すものとして使われます。

また証拠となる物品を「証拠品」といいますが、例えば推理小説や探偵漫画などで見聞きしたことがあるという人も多いかもしれません。もしこれまでに見聞きしたことがない場合は、この際に合わせて覚えておくと良いでしょう。

エビデンスの使い方・例文


「エビデンス」の具体的な使い方は、下記の通りです。

言った言わないの口論になるのを避けるため、商談では毎回エビデンスを残すようにしている。

ビジネスシーンだけでなくプライベートでも口約束だけでは後になって約束を反故にされるリスクがあります。「そんなことは言っていません。何か証拠でもあるんですか」と言い逃れされてしまうと、それ以上追求することが難しくなるからです。

しかしその場の音源や双方のサインがある書類が残っていたりすれば、それが証拠として使えます。この例でもそういったことを踏まえて毎回証拠を残すようにしているのでしょう。

今が商機であることをこのエビデンスが示しているため、上司は製品の増産を決定した。

在庫を抱えるリスクを避けるため、製品の生産量を決める上ではその数量にする根拠となるものが必要になってきます。この例では、今なら製品がよく売れるという根拠になるデータがあったので上司が製品の増産を決めたということです。

またカタカナ語であることから外国語由来であることが推測できますが、「エビデンス」の由来は英単語「evidence」のカタカナ語です。「evidence」は「エビデンス」と同じ意味があり、「証拠」や「根拠」、「証明」といった意味を持っています。

なお「evidence」は不可算名詞のため、もし複数の「エビデンス」がある場合でも複数形の「s」がつくことはありません。その点には注意した方が良いかもしれません。

各分野でのエビデンスの意味、使い方


「エビデンス」は様々な分野で使われることがある言葉です。したがってそれぞれの分野でどのように使用されるのかを分けて理解することが必要だといえます。

そこでこの項目では、各分野における「エビデンス」の意味を取り上げました。

看護・医療

看護・医療の分野でも「エビデンス」は使われますが、ここでは「科学的根拠」という意味です。例えば研究や検査、臨床試験などを通して出た結果やデータのことを表しています。

そしてその結果やデータを科学的根拠として「エビデンスがある」という言い回しをすることが多いです。

ただし「エビデンス」にもどれだけの信憑性があるかは一律ではありません。この「エビデンス」の信憑性のレベルを「エビデンスレベル」といい、信憑性の高低に応じて「エビデンスレベルが高い」(低い)と表現します。

IT

IT業界における「エビデンス」は、「プログラムなどが正常に動作していることを表すデータ」「プログラムなどにエラーが起こった際のデータ」といった意味です。

アプリケーションやソフトウェアなどのプログラムを開発する現場で用いられることが多く、もしもそのような場で働くことを検討している場合は覚えておくと良いかもしれません。

ビジネス

商談やミーティングといったビジネスシーンにおいて、「エビデンスをとる」「エビデンスを残す」という使い方をよくします。この場合の「エビデンス」とは、議事録や契約書、メールといった形に残る証拠や形跡のことを表します。

口頭だけでのやりとりでは「言った言わない問題」に発展してしまう危険性があります。ビジネスシーンにおいて、目に見える形で証拠や記録を残しておくことはとても重要です。

エビデンスの類義語


「エビデンス」には様々な類義語があり、日本語では「証拠」や「根拠」、「証明」といったものが挙げられるでしょう。それ以外にもカタカナ語の類義語がいくつかあるため、この項目ではその中から2つご紹介します。

ファクト

「ファクト」とは英単語「fact」のカタカナ語で、「fact」と同様で「(実際に起こった)事実」という意味です。それに対して「エビデンス」は「その事実が起こった証拠や根拠」といった意味で使われます。

したがって「エビデンス」は「ファクト」が起こった証拠や根拠を表すものであると言い換えても良いでしょう。

ソース

「ソース」は英単語「source」のカタカナ語で、「源」や「(情報などの)出どころ」という意味で使用される言葉です。「エビデンス」が「証拠」を表すのに対し、「ソース」はその証拠などの「出どころ」を意味します

「ソース」は特に「情報源」というニュアンスで用いられることが多いので、この際に合わせて覚えておくと良いかもしれません。

エビデンスを使う際の注意点


「エビデンス」はその意味から何かと使う機会がある言葉ではありますが、使う上では気をつけた方が良いことがいくつかあります。この項目ではその注意点を2つ取り上げました。

「エビデンスをする」は誤り

「エビデンス」は上述の通り「証拠」や「根拠」といった意味の名詞なので、よく散見される「エビデンスをする」という表現は誤りだとされています。なぜなら「エビデンスをする」では「証拠をする」といった意味になってしまうからです。

実際には「エビデンスをする」ではなく、「エビデンスを取る」「エビデンスを残す」のように使います。

多用しないこと

「エビデンス」に限ったことではありませんが、カタカナ語を多用すると嫌な印象を与えてしまう恐れがあります。

なぜなら日本語の方が分かりやすいのにわざわざカタカナ語を用いることが「通ぶっている」と思われたり、そもそもどういった意味の言葉なのか理解してもらえなかったりするからです。

したがって不用意にカタカナ語を多用しない方が無難だといえるでしょう。

まとめ この記事のおさらい

  • 「エビデンス」は「証拠」や「根拠」、「証明」といった意味がある
  • 「エビデンス」の由来は英単語「evidence」のカタカナ語で、「evidence」も「証拠」や「根拠」、「証明」といった意味を持っている
  • 看護・医療の分野の「エビデンス」は「科学的根拠」という意味があり、例えば研究や検査、臨床試験などを通して出た結果やデータのことを表す
  • IT業界における「エビデンス」は「プログラムなどが正常に動作している表すデータ」や「プログラムなどにエラーが起こった際のデータ」といった意味で使われる
  • 商談での「エビデンスを取る」とは「契約を取る」ということを表す
  • 「エビデンスをする」ではなく「エビデンスを取る」などと表現すること、多用しないことが「エビデンス」を使う際の注意点として挙げられる