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性別や年齢を問わず「美」に対する意識が高まっている今、エステティシャンの仕事に興味を持っている人も少なくないのではないでしょうか。
優しくにこやかに接してくれるエステティシャンは、サロンを利用する人にとって癒しの存在でもあります。
この記事では、エステティシャンの仕事内容やなるための道のり、持っていると有利な資格、気になる年収や活躍の場などについて解説します。
エステティシャンとは
「エステティシャン」とは「エステティック」を行う技術者のことです。
エステティックについては、日本エステティック振興協議会の「エステティック業統一自主基準」によると、次のように定義されています。
一人ひとりに合った手法で、見た目の美しさをキープしたり、リラクゼーションを提供したりする仕事がエステティシャンです。
エステティシャンの仕事内容
エステティシャンの仕事内容をもう少し具体的に見ていきましょう。エステティシャンの行う施術はいくつかの種類に分けることができます。
▼フェイシャルケア
顔のケアを行うのがフェイシャルです。肌を整えるスキンケアと、小顔を目指すなど形を整える施術があります。
フェイシャルケアには、ケミカルピーリングのように薬剤を使うもの、イオン導入やフォトフェイシャルのように機器を使用するもの、リフトマッサージのようにエステティシャンの手技によるものがあります。
▼ボディケア
美肌、痩身などを目的としたボディへの施術です。フェイシャルと同様に、機器を用いたものとエステティシャンの手技によるものがあります。
ただ単に体重を減らすことを目的とするのではなく、本人の希望を聞きながら、バランスの取れた美しい身体を目指すものです。
リラクゼーション効果を求めている人には、アロマなどを使った施術も取り入れていきます。
▼脱毛
エステティックサロンでの脱毛は、光脱毛とワックス脱毛の2種類があります。
光脱毛は専用のマシンを使って行っていきます。ワックス脱毛は脱毛部分にワックスを塗布して一気に剥がして脱毛する方法です。
近年では女性はもちろん男性の脱毛もニーズが高くなっており、男性用のプランを用意しているサロンも多くあります。
▼カウンセリング
プランを決めるにあたり、カウンセリングは非常に重要なプロセスです。「こうなりたい」というお客様の要望を聞くのはもちろん、ライフスタイルやこだわりなどをヒアリングして、お客様に合ったプランを提案します。
お客様は、悩みを解決することで精神的にも満たされたいと思っています。一人ひとりにしっかりと寄り添うことが、サロンやエステティシャンへの信頼に繋がります。
このほかにも、ホームケア製品を販売したり、他のプランをお勧めしたりという営業的な仕事も行います。
エステティシャンになるには
エステティシャンになるには、専門学校やスクールを卒業してサロンに就職する方法や、未経験からサロンで研修を受け一人前になる方法などがあります。
資格は必須ではなく、学歴や学部が重要視されることもほぼないでしょう。
エステティシャン養成の専門学校やスクールを卒業する
エステティックサロンに就職した後に、1日でも早く即戦力として活躍したいと考えるなら、エステティシャンを養成する専門学校やスクールを卒業するのがよいでしょう。
専門学校やスクールの卒業は必須ではありませんが、エステティシャンとしての基本的な知識をまんべんなく身につけることができます。
専門学校やスクールは、エステの手技、マシンの使い方といったエステティシャンとしての基本的な技術から、エステの歴史や関連法規、生理学や栄養学、カウンセリングに必要な会話力、接客スキルやマナーといったことまで幅広く学べるのが魅力です。
在学中にエステ関連の資格を取得を目指すこともできます。また、エステティックサロンが運営しているスクールなら、卒業後に系列のサロンに就職を斡旋してくれることも考えられます。
エステティックサロンに就職する
専門学校やスクールに通わなければ、絶対にエステティシャンになれないのかといえばそうではありません。
エステティックサロンの中には教育制度が整っているところもあり、未経験からでも社内研修を受けることでエステティシャンとして活躍できるようになれます。
異業種から転職してエステティシャンを目指す場合は、この社内研修制度を利用してスキルを身につける人が多いようです。
必須の資格はない
エステティシャンになるために、所有していなくてはならない必須の資格はありません。しかし、エステティシャンの国家資格はないものの、さまざまな民間資格があります。
在学中に資格を取得する人も多く、メインとなる資格は取得をしておくほうが就職には有利といえるでしょう。
エステティシャンの就職に有利な資格
エステティシャン関連の民間資格は多数存在しますが、取得しておくと就職に有利だと考えられる代表的なものを紹介します。
AJESTHE認定エステティシャン
日本エステティック協会(AJESTHE)は、日本における健全なエステティックの普及と発展を目的として1972年に設立された、エステティシャンの養成、教育、資格認定、関連団体との連携等の事業を展開するエステティシャンの職能団体です。
■取得条件
次のいずれかの要件に該当する正会員
(1)協会認定校で300時間以上履修コースを修了
(2)エステティックに関連する実務経験(フェイシャル又はボディ)1年以上
■試験内容
・技術試験:技術力確認試験(フェイシャル/ボディ:手技のみ)
・筆記試験:エステティシャンセンター試験(4肢択一:マークシート式・100問)
上級資格として「AJESTHE認定上級エステティシャン」「AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー」があります。
CIDESCOディプロマ
まずBeauty Therapy Diplomaを取得し、その後、より専門的なディプロマであるAromatherapy、Spa TherapyのDiplomaを取得することができます。
■取得条件
「学生受験:CIDESCO国際認定校を卒業して取得する方法」と「一般受験:ポストグラジュエイト(PG):エステティシャンとして働きながら取得する方法」があります。
□学生受験
CIDESCO国際認定校 1200時間以上のカリキュラム受講
CIDESCO国際試験合格
試験合格後、2年以内にエステティックサロンまたはスパで600時間の実務経験
□一般受験
日本エステティック協会認定エステティシャン資格を取得していること
エステティックの基礎教育を600時間以上受けていること
エステティックに関連した実務経験が3年以上あること
受験申込書類の審査に通過すること
AEA認定エステティシャン
日本エステティック業協会(AEA)は、1987年に「全日本エステティック業連絡協議会」として設立された団体です。
■取得条件
次のいずれかの要件に該当する者
(1)協会認定校で300時間以上履修コースを修了
(2)エステティックに関連する実務経験(フェイシャル又はボディ)1年以上
上級資格として「AEA上級認定エステティシャン」「AEA認定インターナショナルエステティシャン」があります。
エステティシャンの年収
エステティシャンの採用情報を見てみると、未経験採用での初任給は20万円前後のところが多くなっています。未経験からの採用では数か月の研修期間が発生しますから、その間の給料アップは難しいでしょう。
経験を積んで店長クラスになれば給料もアップしますが、その分、店舗の運営やスタッフの育成などの仕事にも携わるようになります。
エステティシャンの給料は歩合制を導入しているところも多くあります。その場合は指名をもらったり物品を販売することによりインセンティブが発生します。スキルを磨いてお客様から指名をもらうことが収入アップにつながるのは、エステティシャンのやりがいのひとつともいえるでしょう。
エステティシャンの勤務体系と休日
エステティシャンの主な勤務先であるエステティックサロンは、年中無休、営業時間は20:00くらいまでが一般的です。
勤務はシフト制で、休日は交代で取る形となります。勤務時間は店舗の営業時間によって、早番、遅番に分けているところと通しで勤務するところがあります。
閉店時間の後は片付けやミーティング、技術の練習などがあり、すぐに帰宅という日は少ないでしょう。
エステ業界で働くには新しい技術やトレンドに敏感でなくてはなりません。休日を利用して他店のエステを受けたり、情報を収集したりという努力も必要になるでしょう。
エステティシャンの将来性
以前は女性特有のものとされていたエステティックですが、近年では受ける人の幅が大きく広がり、性別、年齢を問わず多くの人が利用するようになりました。
エステティシャンの仕事はロボットなどに置き換えることもなかなか難しいものですから、エステティシャンの需要はなくなることはないと考えてよいでしょう。
2018年には、厚生労働省から「エステティック業における職業能力評価基準」が発表されました。
これによりキャリアパスが明確になり、待遇、働きやすさの面でも良い方向に向かうことが期待されます。
エステティシャンがおもに勤める場所
エステティシャンの勤務先で最もスタンダードなのはエステティックサロンです。サロンは大型グループ店から小規模な個人経営の店までさまざまで、それぞれに異なる強みや特徴があります。
ホテルやブラダルサロンのエステ部門も勤務先のひとつです。定期的に通う人が多いエステティックサロンと違って、1日だけの特別な時間としてエステを利用する人が多いのが特徴です。
化粧品メーカーのエステ部門に所属するエステティシャンもいます。フェイスマッサージのプロモーションを行うなど販売促進の一環としての活動が多くなります。
エステティシャンは正社員だけでなく、パートやアルバイトとして短時間勤務をすることも可能な職種です。結婚や出産などでライフステージが変化しても、働き方を変えることで続けていける職業といえるでしょう。
お店で経験を積んだ後に、独立開業する人も少なくありません。固定のお客様を掴むまでは大変ですが、自分のサロンを開くのを目標に頑張っている人も多いようです。
まとめ この記事のおさらい
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