ビジネスにおける「早速」の意味と類語 迅速,早々,取り急ぎとの違い

ビジネスメールで「早速のご対応ありがとうございます」と書いたことがある人は多いでしょう。相手が予想以上に早く動いてくれたとき、そのスピード感にお礼を伝えたい場面は少なくありません。ただ、似た意味を持つ「早々」「迅速」「取り急ぎ」「早急」との違いを説明できるかと聞かれると、答えに迷う人も多いのではないでしょうか。

この記事では「早速」の基本的な意味と使い方を整理したうえで、類語との違い、上司への使用可否、英語表現までをまとめて解説します。メールや書面で言葉を選ぶ際の判断材料として役立ててください。

目次

早速の意味と使う場面、例文5選

「早速」は、行動や対応が素早いことを表す言葉です。文頭で使う場合には、挨拶のあとすぐに本題へ移りたいときや、話題を切り替えるタイミングで使用します。

「早速ですが」は「起こし言葉」と呼ばれ、これから本題が始まるという合図の役割を持つ言葉です。文頭の「早速」はビジネスメールで頻出するため、覚えておくと文章の切り出しに困りません。

早速を使った例文5選

「早速」は使われる場面によって、話題転換・お礼・自分の行動の3パターンに分けられます。それぞれの例文を見ておきましょう。

文頭で使用し本題に話を移したい時

「早速ですが、前回のご質問について回答させていただきます」

相手の素早い対応に対して使う時

「早速のご対応感謝申し上げます」
「早速のご返信ありがとうございます」

自分が素早く行動する時

「お品物は早速手配にかからせていただきます」
「早速ご入金させていただきます」

早速、早々、迅速、取り急ぎ、早急の違いとは?

相手のスピード感を伝えたいとき、どの言葉を選ぶのが適切なのでしょうか。「早速」「早々」「迅速」「取り急ぎ」「早急」は似た響きを持ちますが、意味も使いどころも異なります。まずは全体像を表で確認してみましょう。

言葉 意味・ニュアンス 使える相手
早速 物事にすぐ取りかかること 目上・目下どちらにも使える
早々 行動や対応が素早いこと 基本は目下・友人向け
迅速 早速よりもスピード感が強い 目上・自分自身にも使える
取り急ぎ とりあえず急いで、というニュアンス 自分の行動に限定
早急 急ぎを要していること 依頼・要請の場面で使う

表だけでは伝わりにくい細かなニュアンスもあるため、それぞれの言葉について順に見ていきます。

・誠に申し訳ございませんが早急に書類を提出していただけると幸いでございます。
・この問題に関しては早急に解決することは避けた方がよいでしょう。
・お忙しいところ大変申し訳ありませんが早急に書類への押印をお願いいたします。
・早々(そうそう)も早速と同じく、相手の行動や対応が素早いときに使用しますが、気を付けたいポイントは相手の立場です。早々は基本的に、自分より目下の相手か友人・知人に使う言葉であり、立場が上の人に使うと失礼になる場合があります。
・迅速(じんそく)はビジネスシーンで頻繁に使われる言葉のひとつです。相手の対応や行動が素早いときに使い、特に早速よりもスピード感を強調したい場合に選ばれます。自分の行動に対しても使用できます。
・取り急ぎ(とりいそぎ)は、自分の行動に対して使う言葉です。「とりあえず、急いで」という意味があり、「十分な時間がなく満足いく内容ではありませんが」あるいは「ひとまず時間がないので、後ほど改めて連絡しますが」というニュアンスを含みます。雑な印象を与えかねないため、取引先や上司など立場が上の相手には不向きです。

ビジネスシーンでの「早急」の使い方

「早急」には「急ぎ」「急ぎを要している」といった意味があります。ビジネスシーンでは、書類の提出期限が迫っているなど、対応そのものに緊急性がある場面で使うのが基本です。

単に早く動いてほしいだけの依頼であれば「早速」で十分なケースも多く、「早急」を使いすぎると相手にプレッシャーを与えてしまう点にも注意しましょう。

「早速」と「早急」の違いとは

「早速」と「早急」は似たような言葉に聞こえますが、意味は異なります。

「早速」は物事に応じてすぐに実行することを意味する言葉です。一方の「早急」は「急ぎを要している」という緊急性を示す言葉であり、ビジネス上では使い分けに注意が必要です。

物事にすぐ取りかかる意味で使いたいなら「早速」、急ぎの用件であることを相手に伝えたいなら「早急」を選ぶと、意図が正確に伝わります。

早速は上司に使える言葉 状況に応じて早急や迅速と使い分けるとなおよい

「早速」は上司や目上の人に使っても失礼にはなりません。より丁寧な印象を与えたい場合は、後に続く言葉を工夫するとよいでしょう。前述の「迅速」や「早急」も敬語として問題なく使えるため、状況に応じて使い分けることをおすすめします。

早速のお手配ありがとうございます。
早速のご提案ありがとうございます。上司に相談の上、明日お返事させていただきます。
迅速なお手配ありがとうございます。
迅速かつ丁寧にご対応いただきましたこと、感謝申し上げます。
早急なお手配ありがとうございます。
早急にお返事をいただけたので、非常に助かりました。

自分に早速を使う場合は他の言葉に置き換えよう

「早速」は相手だけでなく、自分の行動に対しても使える言葉です。ただし、謝罪の場面など誠意をしっかり伝えたいときは、他の言葉に置き換えるほうが適しています。

ご迷惑をお掛けしました。速やかに対応させていただきます。
直ちにお伺いし、代わりの品をお持ちさせていただきます。

「速やかに」「直ちに」はどちらも即応の姿勢を示す言葉であり、謝罪や不手際の後始まりに使うと真剣さが伝わりやすくなります。

「早速ですが」のメールでの言い換え表現

「早速ですが」は口頭では自然に使える表現ですが、ビジネスメールの文章としてはやや砕けた印象を与えることがあります。メールで話題を切り替えたいときは、言い換え表現を検討してみましょう。

代表的な言い換えとしては「つきましては」「ところで」などが挙げられます。使用例を確認してみましょう。

・先日お話いたしました件につきましてはこちらのデータをご覧ください。
・ところで、明日の面会の時間ですが〇〇時でもよろしいでしょうか?

英語で伝える「早速のご対応ありがとうございます」

「早速のご対応ありがとうございます」は日常的に使うフレーズですが、英語ではどう表現すればよいのでしょうか。

I appreciate your prompt response.
早速ご対応いただきありがとうございます。

「prompt」は形容詞で「素早い」「迅速な」という意味を持ちます。難しい単語ではないので、相手の素早い対応への感謝をそのまま伝えたいときに使ってみてください。

「早速」の意味や類語 英語表現 まとめ

・早速は文頭で話題を変えるときに使う
・早速は「素早い」の意味があり、自分にも立場が上の人にも使える便利な言葉
・早速、早々、迅速、取り急ぎは似ているが意味が異なるため注意が必要

「早速」はビジネスメールや文書で頻出する言葉ですが、似た言葉が多いだけに使い分けを誤ると意図が伝わりにくくなります。相手のスピード感を伝えたいのか、緊急性を伝えたいのかを一度立ち止まって考えるだけで、選ぶべき言葉は自然と見えてくるはずです。次にメールを書くときは、今回整理した違いを思い出しながら言葉を選んでみてください。

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このサイトの記事はマナラボ編集部によって執筆されています。

マナラボ編集部は敬語・ビジネスマナーに関わる仕事を経験した方が記事執筆をおこない、編集者によってファクトチェックを行っております。

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