老後の心配のひとつには、年金のことがあるでしょう。年金は大きく分けて3種類あり、あらかじめ知っていなければ損をしてしまうこともあります。

ここでは、年金の3つの種類、公的年金とは、企業年金とは、企業年金の種類、中途退職した場合の企業年金について、最近多い個人年金についてもご紹介します。

漠然と将来を心配するだけでなく、しっかり年金などについて理解して老後のための準備をできるようになります。

年金の種類は大きく分けて3種類

年金には、大きく分けて公的年金、企業年金、個人年金の3つがあり、勤務した企業や勤続年数などの条件により、もらえるものに違いがあります。

公的年金には、国民年金、厚生年金、共済年金などがあるでしょう。

企業年金には、かなりの種類の基金があります。また、個人年金でも、終身・確定・変額などの年金商品がいろいろあるでしょう。

公的年金とは

国民皆年金の日本では、基本になるのは国民年金で、老後だけでなく障害や死亡でも受給できるものです。

国民皆年金制度という通り、基本の国民年金には、日本国内に住所がある20歳以上60歳未満のすべての人に加入義務があります。毎月の保険料は、16,260円になります。国民年金の満額は毎年、物価などを考慮して変わるでしょう。平成30年度は、77万9300円です。

国民年金に上乗せでもらえる公的年金が、厚生年金や共済年金になります。

厚生年金は、日本国内の企業に勤める人が入る年金になります。会社員の保険料は、国民年金分と厚生年金分が合算で給料から引かれています。厚生年金は労使折半なので、厚生年金保険料の半分は会社が支払ってくれているでしょう。

厚生年金を扱う日本年金機構によると、平成28年10月分からの厚生年金保険料額は、一般の被保険者で18.182%になります。

また、ボーナスに対しては、別な割合で保険額が決められます。ですから、国民年金と違い、収入により受給額が大きく変わるでしょう。

共済年金とは、2015年9月まであった公務員や私立学校の職員が加入できる年金制度で、会社員にとっての厚生年金に近い制度でした。
退職、生涯、遺族年金の3つからなる保険年金制度でしたが、今では厚生年金と一元化されています。

企業年金とは

企業が社員の老後ために、公的年金に加えて設ける私的な年金のことをさしています。一般的に、企業年金制度を持つ会社は、金銭的に余裕がある会社といえるでしょう。退職年金は、退職金の中に含まれているので、はっきりと受け取ったという感覚がない人や将来自分がいくらもらえるか知らない人も多いでしょう。

平成29年4月に人事院が行った「民間の退職金及び企業年金の調査結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解の概要」によると、定年退職者全体の平均退職金は約2460万円になり、そのうち退職一時金が1006万円、企業年金が1454万円とされています。企業年金をもつ会社で、上記のように一時金と企業年金を合算して退職金とするのは39.6%とされています。

参考:人事院 民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解について

企業年金が広がったのは、高度経済経済成長期からバブル期にかけてといえます。企業年金のために資産を運用して必要な年金を確保する必要がありましたが、バブル崩壊とともに運用で損失を出すことも多くなってしまいました。企業は損失分を補充する、あるいは補充できなくなって企業年金の原資を確保できないこともあるようになってしまいました。

そのため、企業年金の支給額を減額したり、制度そのものを終了させたりする企業も増えているのが現状です。

企業年金の種類

企業年金の主な種類には、確定給付企業年金、確定拠出年金、厚生年金基金などがあるでしょう。

確定給付企業年金には、企業が厚生労働大臣の認可を受けて企業年金基金を設立し、資産運用・管理する募金型、労使合意の年金規約を企業が作成して、厚生労働大臣の承認を受けて企業が資産を運用・管理する規約型があります。

確定拠出年金とは、企業が社員ごとの掛け金を明確にして、社員が運用することで、その収益が給付額になる方法です。これも厚生労働大臣の承認を受けて、企業が規約を作成したうえで実施されるでしょう。

厚生年金基金は、厚生年金基金が企業の年金資産を管理・運用して、公的年金にプラスして企業年金を給付する方法になります。

確定給付年金、確定拠出年金ともに、退職時に一時金に上乗せして受け取るだけでなく、年金払いで受け取る方法も選択できるのが一般的です。しかし、一時金として受け取る方が税金面で大幅に優遇されるので、多くの人が一時金として受け取っていることでしょう。

中途退職したら企業年金はどうなる?

企業年金制度がある会社で働いていて転職を考えているなら、今の企業年金はどうなるか心配でしょう。企業年金は、先に紹介した3つよりも多くの種類が存在します。ですから、基金にもよりますが、一般的には一時金として受け取るか、今までの通算を持ち運ぶことになるでしょう。

掛け金を持ち運んで通算することは、「ポータビリティ制度」といわれています。持ち運びは、おおむね厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金、または企業年金連合会の間ではできるでしょう。ただし、企業年金は企業が独自にルールを設定しているので、例外があることもあります。転職を考えているなら、あらかじめ確認しておくのがいいでしょう。

最近は個人年金(iDeCoなど)に移行してきている

最近では企業年金制度を持たない会社も多いので、転職先に企業年金を持ち運ぶことを考えても、運び先がないことも多くあります。そんなときにおすすめしたいのが、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」です。

ちなみに、先にも紹介したように個人型年金にも、iDeCoのほかにも種類はあります。

個人型というくらいなので、iDeCoは個人で作る年金といえるでしょう。毎月一定の金額を積み立てるのが、掛け金の拠出になります。掛け金をあらかじめ用意された定期預金、保険、投資信託などの金融商品で自分なりに運用して、掛け金と収益を60歳の時点で、年金または一時金で受け取る仕組みです。60歳まで引き出すことができない、ほぼ強制的に一定金額を収める年金制度であるので、掛け金を拠出しやすいでしょう。また、税制優遇メリットもあるのもiDeCoの大きな魅力といえます。

積立金は所得控除の対象になるので、所得税・住民税が節税できます。さらに、運用ででた収益金の利息や投資信託の運用利益などは非課税扱いになるでしょう。また、受け取るときには公的年金等控除や退職所得控除の対象になるので、トータルでいうとかなりの節税になります。

iDeCoは、転職の際の持ち運びだけでなく、日本在住で20歳以上60差未満であれば、原則だれでも始められます。月額5,000円から始めることができ、1,000円刻みで拠出を上乗せすることができます。ただし、月額には、公務員は12,000円、企業年金ありの会社員が12,000円か20,000円、企業年金なし会社員・専業主婦は23,000円、自営業者は68,000円などの上限があるでしょう。

申し込みは銀行・労働金庫・証券会社・保険会社などの金融機関できますが、申し込む金融機関によって口座管理手数料や運用できる金融商品などに違いがあります。

iDeCoは長く運用するのが一般的なので、自分にあった金融機関を選ぶようにしましょう。iDeCo初回加入時の手数料が、一般的には2,777円、運用期間中積立を行う場合には手数料が167円程度や目安になります。投資信託の商品には、国内外の株式、外国債券、REITや複合資産などの選択があるでしょう。

企業年金のまとめ

  • 年金には、大きく分けて公的年金、企業年金、個人年金の3つがあり、勤務した企業や勤続年数などの条件により、もらえるものに違いがあります。
  • 公的年金には、国民年金、厚生年金、共済年金などがあるでしょう。基本になるのは国民皆年金の国民年金、それに上乗せでもらえる公的年金が、厚生年金や共済年金になります。
  • 企業年金とは、企業が社員の老後ために、公的年金に加えて設ける私的な年金のことを指しています。
  • 企業年金の主な種類には、確定給付企業年金、確定拠出年金、厚生年金基金などがあるでしょう。
  • 中途退職する場合には、企業年金は一時金として受け取るか、今までの通算を持ち運ぶ「ポータビリティ制度」を使うことになります。
  • 最近は、企業年金を持たない会社もあり、個人年金iDeCoなどに移行してきています。