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ここではGMSについて解説しています。
GMSには「Google Mobile Service」や「Geostationary Meteorological Satellite(静止気象衛星)」などの意味もありますが、ここで取り上げるGMSは「General Merchandise Store(総合スーパー)」という大規模な小売店舗のことです。
昨今はネットショッピングの普及によって、リアル店舗の経営環境は日に日にきびしさを増しています。
一方で、米国を中心にネットショップとリアル店舗の両サイドから幅広く顧客情報を収集し、それをビッグデータとして一元化することで消費者を文字通りネット(網)で囲い込む動きも加速しています。
ここではGMSを中心にリアル店舗のさまざまな業態を解説していきます。ネットショッピング時代の今だからこそ、歴史あるリアル店舗にも注目していただければ幸いです。
GMSとは
「GMS」の語源は英語の「General Merchandise Store」の短縮語です。「General」は「一般的な」「全般的な」「雑多な」という意味をあらわし、「Merchandise」は「商品」や「商品を売買する」などを意味します。
熟語の「General Merchandise」は「生活雑貨や日用品などの商品」という意味になります。そして最後の「Store」は日本語の「ストア」と同じく「小売店」を意味する言葉です。
「GMS」は消費者が日常的に求めるさまざまな商品を幅広く取りそろえた大規模な小売店舗のことをいいます。日本語では「総合スーパー」という訳語で呼ばれています。
アメリカで発達した小売業態
GMSは今から100年ほど前にアメリカで誕生し発達した小売店舗のスタイルです。国土の広いアメリカでは、乗用車や自家用軽飛行機の普及によって、週末に家族みんなでGMSに出かけて大量のまとめ買いをすることが国民的な消費文化になりました。
またアメリカでは通信販売の歴史も古く、19世紀半ばには地方の農家を対象に野菜の種子などを販売する世界初の通販事業がはじまっています。その後、シアーズ・ローバックなどの通信販売大手も登場し、GMSとともに大きな発展を遂げました。
現在、アメリカの通販はネットショッピングが主体となり、広大な国土に散在する消費者のニーズに対応して、あらたな成長期を迎えています。一方で、GMSをはじめとするリアル店舗は新興のネットショップに顧客を奪われ、危機的な経営状況に陥っています。
GMSの企業例
GMSは本場アメリカだけでなく、日本でも独自の発展を遂げています。
日本の代表的なGMS
前述したように、日本ではGMSを「総合スーパー」と呼んでいます。
「GMS」の本来の意味はスーパーとはちがいますが、日本では食品販売で客足を集め、衣料や家電、雑貨などの販売で利ざやを得るというスーパー主体の販売形態が主流です。
そのため日本のGMSの運営会社はイオンなどの大手スーパーマーケットが多く、食料品販売を中心にした大規模なショッピングモールを全国チェーンで展開しています。
日本を代表するGMSの運営企業としては、業界首位のイオン、同二位のイトーヨーカドー、三位のユニーをあげることができます。
イオン
業界首位のイオンはイオングループの店舗ブランドで、全国13箇所でGMSの運営会社を経営するほか、マックスバリューやイオンマーケットなどの大規模店舗も全国に展開しています。かつて流通大手だったダイエーも、現在はイオン傘下で運営されています。
イトーヨーカドー
二位のイトーヨーカドーは、関東を中心に20の都道府県でGMSを展開しています。現在は持株会社制度に移行して、セブン&アイ・ホールディングス の名目上の子会社となっています。
ユニー株式会社
三位のユニー株式会社は、地盤の東海地方を中心に数多くの店舗を運営しています。2019年に現在の持株会社制度に移行して、総合ディスカウントストアの株式会社ドン・キホーテやコンビニのファミリーマートと同じ系列の会社になりました。
アメリカの代表的なGMS
アメリカの代表的なGMSとしては、J.C.Penney、Sears、Macy’s、Neiman Marcusなどの百貨店や、ドラッグストアのWalgreens、アメリカ最大の衣料品店のGapなどをあげることができます。
日本のGMSは食料品販売のスーパーを主体に発展しましたが、アメリカではGeneral Merchandise=雑貨店から発展したこともあって、百貨店をはじめ衣料品や家電ストアなど生鮮食料品以外の部門を中心に展開し、娯楽施設も充実しています。
しかしながら今日では、娯楽もショッピングも家にいながらインターネットで楽しめるようになったことから、GMSの多くは深刻な経営難に直面しています。日本にもかつて進出していた玩具販売店の「トイザらス」も2018年に倒産しました。
アメリカは通信販売発祥の国でありオンラインショッピングの本場でもあるだけに、GMSをはじめとするリアル店舗の崩壊と小売業界の新陳代謝は、日本をはるかに上回る規模とスピードで進行しています。
GMS以外の小売業態の種類
リアル店舗の小売業態には、GMSのほかに小売業界で「SC」「SM」「HC」「CVS」などと呼ばれるタイプがあります。
SC
SCは「Shopping Center(ショッピングセンター)の略語です。ショッピングセンターは複数の小売店や飲食店、娯楽施設や医院など、さまざまな店舗や施設が入居する比較的大型の商業施設です。
SCは「Shopping Mall(ショッピングモール)」とも呼ばれますが、Mallはもともと「商店街の歩道」を意味する言葉です。「Shopping Mall」は商店街や、商店街のように多店舗で構成されるショッピングセンターをあらわす言葉になります。
日本では運営会社がデベロッパーとなってSCの開発計画を立案し、GMSなどの大型店舗を中心に、幅広い業種のテナント店と、シネコン・劇場などのアミューズメント施設を備えた巨大な複合商業施設を展開するケースが増えています。
SM
SMは「Super Market(スーパーマーケット)」の略語です。「Market」は「市場」のこと。「Super Market」は「市場を超える商店」の意味で、既存の市場に対抗する店として名付けられました。
日本のSCは生鮮食料品販売が中心ですが、海外では魚介や野菜類を生ではあまり食べないため、扱われる食品は冷凍ものや加工品が多く、日本ほど生鮮食品の販売比率は高くありません。
HC
HCは「Home Center(ホームセンター)」の略語です。HCは「DIY(Do It Yourself=製造や修理を自力でやる)」をコンセプトに、各種工具や材料をはじめ、ガーデニングやレジャー用品、日用雑貨など幅広い商品を取りそろえています。
CVS
CVSは「Convenience Store(コンビニエンスストア)」の略語です。日本では「コンビニ」の愛称で親しまれています。店舗の多くは比較的小型で、食品を中心に毎日の暮らしに不可欠な商品を取りそろえて年中無休で長時間営業しています。
日本のCVSは「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」など全国ネットのフランチャイズチェーン店が主流です。
まとめ
- 小売店舗のGMSは英語の「General Merchandise Store」の略語で、日本では「総合スーパー」と呼ばれています。
- GMSはアメリカで発展した店舗形態ですが、現在はインターネットショッピングの普及に押されて業績不振に陥っています。
- 日本のGMSは食料品販売を主体にした大規模小売店が主流です。