ここでは、「浅薄」という言葉の正しい読み方と意味、類義語や対義語、英語表現について、それぞれに例文を交えながら多角的に解説しています。

「浅薄」は「あさはか」「さんぱく」と読みがちですが、どちらも正しい読み方ではありません。

ビジネスシーンで「浅薄」を「あさはか」「さんぱく」「せんぼ」などと読んでしまうと、同席の方に「これぞまさしく『浅薄』な知識ですな」と冷笑されてしまうかもしれません。
この記事を通して、誤解の多い「浅薄」という熟語について学ぶことができます。

この機会にぜひ「浅薄」に関する知識を深めてください。

浅薄の読み方と意味

「浅薄」という語は「せんぱく」と読みます。

意味は「ものの見方や考え方が浅く、薄っぺらで浮ついていること」を表します。

浅薄の使い方

「浅薄」は名詞ですが、日常会話や文章では「考えが甘い」「思慮が足りない」などを意味する形容動詞として用いられるのが一般的です。

たとえば前述の「浅薄な知識」あるいは「浅薄な言動」「やることなすことが浅薄すぎる」「浅薄に判断する」といった形で表現されます。

浅はかとの違い

「浅薄(せんぱく)」という言葉は「あさはか」と混同されがちですが、「浅薄」と「あさはか」は全く別の言葉です。

非常にまちがいやすいので、読むときには注意が必要です。

「あさはか」は漢字で「浅はか」と書きます。「はか」はひらがなが基本です。漢字で書くことはありません。一部に「浅墓」という当て字も見られますが、これはまちがいです。
「浅はか」の「はか」は接尾辞ですので、単独では意味を持ちません。語源も「墓」ではなく「量をはかる」という意味から来ています。

もともと「あさはか」は面積や容積が足りないことを示す言葉でした。それが転じて、「思慮や配慮が足りないこと」を意味するようになりました。「浅はか」の接尾辞の「はか」は語源の名残といえるでしょう。

浅薄の類義語

浅薄と同じ意味の類義語としては「浅はか(あさはか)」「軽薄(けいはく)」「皮相(ひそう)」などをあげることができます。
「浅はか」は、すでに説明したように、「浅薄」と混同されやすい言葉です。「浅はか」と「浅薄」は漢字も語源も違いますが、意味はほぼ同じです。

次に「軽薄」は「態度や言葉にじゅうぶんな配慮がないこと」「浅はかで軽々しいこと」を意味する言葉です。古くは「お世辞」や「お追従」の意味もありましたが、時代を経るうちに「歯の浮くようなお世辞やお追従で、人の機嫌を取ろうとする人」を意味するようになりました。現代では「お世辞」や「お追従」の意味は希薄になり、軽薄は「浅はかで軽々しい人の言動」という意味合いが強くなっています。

類義語の3番目の「皮相」は、「物体の表面」「うわべ」という意味のほかに、「物事をうわべだけで判断し、その本質を理解するに至らないこと」などを意味します。
要するに「浅はか」が深さや奥行きがないことを示すのに対して、「軽薄」は重みがないことを、「皮相」は厚みがないことを示す言葉と考えてよいでしょう。

浅薄の対義語

浅薄と真逆の意味を持つ対義語としては、「深厚(しんこう)」「重厚(じゅうこう)」「深遠(しんえん)」などをあげることができます。

「深厚」は、意味がとても深く厚いこと、人の態度や気持ちが心の奥底からわき起こった本音の表れだということを意味します。

「重厚」は、人や物の外観や性質がどっしりしていて、落ち着きを感じさせることを意味します。

「深遠」は意味や内容が奥深く、簡単には見通せないほど遠大なことを意味します。

類義語と対義語の例文

類義語「浅はか」の例文

彼は俳句通を自称しているのに、「朝顔」が秋の季語になることも知らないとは、これぞ素人の浅はかさだね。

類義語「軽薄」の例文

合コンでは、きまじめ系より軽薄な「チャラ男」のほうがモテるというのは、隠れチャラ男の本性をあぶり出すための方便みたいなものです。

類義語「皮相」の例文

少子化問題の原因を若者の結婚観にばかり求めるのは、あまりに皮相すぎる見解だと言わざるを得ない。

対義語「深厚」の例文

2019年に退位された明仁天皇には、日本のみならず世界各国の人々から深厚な敬愛と慰労の声が寄せられている。

対義語「重厚」の例文

社長は幾多の苦難を乗り越えて今日の成功をつかんだ人で、細かいことに動じない鷹揚さと重厚な貫禄を兼ね備えている。

対義語「深遠」の例文

茶道にはさまざまな流派があり、それぞれに深遠な世界観と独自の礼法を確立している。

浅薄の英語表現

「浅薄」を意味する英語表現はいくつかありますが、一般的なのは「shallow」と「superficial」の2語になります。

まず「shallow」は「shallow dish(浅い皿)」や、「shallow water(浅瀬)」のように物理的な「浅さ」の意味と、 「shallow mind(浅薄な心)」のように、人の考えや言動が浅はかなことを示す意味のふたつがあります。その点では日本語の「浅い」と同じ意味の言葉といえるでしょう。

一方、「superficial」は「superficial wound(外傷)」のように物体の表面を示す意味と、「superficial idea(浅薄な考え)」のように、うわべや口先だけの表層的な言動を表す意味のふたつがあります。

「shallow」の例文

Japanese people show a shallow understanding of Christian doctrines when they celebrate Christmas as a romantic holiday for lovers.
(日本人がクリスマスを恋人のためのロマンチックな休日として祝うのは、クリスチャンの教義に対する理解の浅さを示しています。)

「superficial」の例文

It is a symptom of modern society that people are satisfied with superficial informations and biased opinions gained through the discussion with an unspecified large number of people all over the world by means of the Internet.
インターネットを通じて世界中の不特定多数の人々とのやりとりで得た表面的な情報と偏った意見でみんなが満足してしまうのは現代社会の病気です。

まとめ

  • 「浅薄」は「せんぱく」と読み、「ものの見方や考え方が浅く、薄っぺらで浮ついていること」を意味する言葉です。
  • 「浅薄」とまちがいやすい言葉に「浅はか」があります。意味はほぼ同じですが、まったく別の熟語です。
  • 浅薄の類義語には「浅はか」「軽薄」「皮相」などがあります。
  • 浅薄の対義語には、「深厚」「重厚」「深遠」などがあります。
  • 浅薄の英語表現としては、「shallow」と「superficial」の2語が一般的です。