マッチポンプとは

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最近ニュースで「マッチポンプ」という言葉を耳にするようになりました。新しい言葉かと思いきや起源は意外と古く、近頃の社会状況に反映して使われることが多くなった言葉です。
そこでこの記事では、

・マッチポンプの意味と例文
・マッチポンプ商法とは
・マッチポンプの英語表現

についてわかりやすく説明していきます。
マッチポンプという言葉に出会ったとき首をかしげずに済むように理解を深めましょう。

マッチポンプの意味

マッチポンプとは「マッチで火をつける一方、ポンプで消化する」という意味で、『意図的に自分で問題を起こしておいて、自分でもみ消すこと』をいいます。

言い換えれば、自分で起こした問題を「私がなんとかしてあげましょう」ともちかけて、不当に利益を得る図式のことをさします。

カタカナ表記ですが英語ではなく、マッチ(match)とポンプ(pomp)を組み合わせて生まれた和製英語です。

マッチポンプの類語

マッチポンプの類語には「自作自演」「やらせ」などがあげられます。
この場合の「自作自演」はインチキというニュアンスを含む意味で使われます。

マッチポンプの例文

マッチポンプ方式で得た利益とはけしからん
ミスターマッチポンプと揶揄された代議士
消防士が放火して鎮火するとはまさにマッチポンプだ
手荒れする洗剤を売りつつハンドクリームも販売するのはマッチポンプ的ではないか

和製英語マッチポンプの由来

マッチポンプという言葉が使われた記録は、1961年の国会発言に残っています。

世に、いわゆるマッチ・ポンプ方式といわれるものがあります。右手のマッチで、公共料金を上げて、もって物価値上げに火をつけながら、左手のポンプでは、物価値上げを抑制するがごとき矛盾したゼスチュアを示すのをいうのでございましょう。

その後は、逮捕者も出た1966年の国会の不正事件をきっかけに世に広まります。
逮捕されたのは田中彰治衆議院議員で、政財界の癒着を見つけ出しては国会で正義の味方とばかりに厳しく追及。しかしその裏では不正の当事者に「追求をやめてほしかったら金を払え」と脅迫していたのです。

さらに、2015年には地元の消防団に属する男性が放火をしては自分で119番通報し自ら出動して消火、感謝状をもらうという事件が起きました。
イタリアでもボランティアの消防団員が報酬目的で放火を繰り返すという事件が起きて「まさにマッチポンプ」と面白おかしくニュースで取り上げられたりしました。
こうしたことから、マッチポンプという言葉が改めて広く知られるようになったのです。

マッチポップ商法とは

マッチポンプの仕組みを商売に利用し、不正に利益を得ようとするのが「マッチポンプ商法」です。
例えば、健康な犬をわざと病気にしてその診療費で儲けようとする獣医界のマッチポンプ商法。
盗聴器が仕掛けられていますと調査に入り、持ってきた盗聴器を見せて発見しましたとうそぶく悪徳業者。
そして、数年前に話題になったステルスマーケティングもそのひとつです。

ステルスマーケティングとは、宣伝と気付かれないように宣伝をすることで、略してステマと呼ばれています。
影響力のある芸能人が、金銭をもらった上でブログ上で商品を紹介し、あくまで個人的な感想に見せかけて宣伝をするという方法でした。やらせである点でマッチポンプ商法的といえるでしょう。

マッチポンプの英語表現

マッチポンプは和製英語なので、英語の辞書には載っていない単語です。英語では次の表現でマッチポンプに近い意味を表すことができます。

sock puppet
靴下で作った人形の意味で、ネット上での自作自演(多重アカウントやなりすましなど)を表すスラング。
It’s all staged. (それはやらせだ)
It’s all a set up.(   〃   )

マッチポンプのまとめ

・マッチポンプとは「意図的に自分で問題を起こしておいて、自分でもみ消すこと」の意味
・不当に利益を得る図式のことも指す言葉
・類語は「自作自演」「やらせ」など
・マッチポンプ商法のひとつにステルスマーケティング、いわゆるステマがある
・マッチポンプは和製英語なので英語表現では“sock puppet”、“It’s all staged”などを使う