商工会ってどんな団体?事業内容と商工会議所の事業内容を解説

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一般の会社員にとって、聞いたことはあっても、どんな団体なのかはっきりわからないのが商工会です。

ここでは商工会とはなにか?商工会議所とは、東京商工会議所についてなどを解説します。

起業したいと思ったときや経営者として会社の経営に関わるときには力になってくれる団体でもあるため、理解しておくと様々な場面で役に立ちます。

商工会とは小規模事業者を支援する団体

商工会とは、主に町村にあり、地域の小規模事業者の支援を目的とした団体です。それぞれの商工会は、経済産業大臣の認可を経済産業省中小企業庁から受けて設立された特別認可法人です。

昭和35年に制定された商工会法が法的根拠で、現代では全国に1,660の商工会があります。

都道府県別で商工連合会に属しており、都道府県の商工連合会は特別民間法人の全国商工会連合会、通称を全国連の会員とよんでいます。

商工会には全国で約81万の事業者が加盟しており、全国平均では57.6%の加盟率は他に類を見ない高い数字です。

商工会を地域に設立する場合には、地域の商工業者の1/2以上が会員になることが要件です。商工会の役員の設置は、商工会法で定められている会長を筆頭に、副会長、理事、幹事などが選出されます。

商工会の基本原則は以下の通りです。

商工会の基本原則
営利を目的としない。
特定の個人や団体の利益のために活動しない。
特定の政党のために活動しない。

商工会の具体的な活動には、国や都道府県の小規模企業施策(経営改善普及事業)の実施機関として機能している事があげられます。

国が認定した経営指導員がおり、経営相談にのってくれたり、地域内での起業相談にのってくれたりもするでしょう。

小規模事業者経営改善資金(通称:マル経融資)を受けるときや、小規模事業者補助金を申請するときなどには、商工会会長や商工会議所会頭などの推薦や経営指導を受けていることが必要条件になることもあります。

商工会の意思決定は、すべての会員で構成される総会で決まり、会員数が200人を超える商工会では総代会も設置することが出来ます。

商工会に入会するには、入会金や年会費も必要ですが、おおむね1か月あたり1,000-2,000円程度でしょう。会費などは、各地域の商工会により異なります。

商工会議所は事業がより多岐にわたる団体

商工会議所は、主に市の地域に展開し、商工会と地域が重複しないように配置されています。

商工会議所は地域の総合経済団体として、市の中小規模事業者の支援や各種資格・検定試験の主催、国際的な活動などを含めて、幅広く活動しています。

経済産業省経済産業政策局の管轄で、自由会員制の公益経済団体ともされています。

もともとは明治11年に日本最初の商法会議所として、東京、大阪、神戸の3都市に、続き明治25年には商業会議所が連合体として「商業会議所連合会」を結成・設立した事が発祥です。

大正11年に日本商工会議所が設立され、昭和29年に商工会議所法が制定されたのを機に、特別認可法人の商工会議所として再編されて現代に至っています。

全国にある515の商工会議所が会員となって日本商工会議所があります。平成27年3月現在で会員数は全国で125万人を数えているでしょう。

現代の商工会議所の法的根拠は商工会議所法で、設立の要件は従業員20人以上(商業・サービス業は5人以上)で資本金が300万円以上の商工業者の過半数の同意が必要です。

設立する地域内での組織率や財政規模、専任職員数などの基準も定められています。商工会議所の役員の筆頭は、会頭になり、副会頭、理事、監事、参与などが選出されます。

商工会議所の基本原則は、前述の商工会と同じ3項目です。

商工会議所の特徴として、地域性だけでなく、会員の業種・業態の幅広さ=総合性、公益法人としての強い公共性、世界に商工会議所がある国際性があげられるでしょう。

具体的には、商工会と同じように小規模事業施策(経営改善普及事業費)も実施していますが、全事業費の2割程度です。しかし、商工会と同じように小規模事業者でも経営指導などを受けることもできます。

他の事業活動には、原産地証明、国際貿易関連、国際間の商業紛争解決など国際的な活動、日商簿記検定やご当地検定などの資格試験・検定の実施など多岐にわたります。

商工会議所の意思決定は議員総会で行われます。議員は、会員の選挙や部会などで専任されるでしょう。商工会と同じように、マル経融資や小規模事業者補助金などの窓口の役目を果たすこともあります。

最初に作られた東京商工会議所は影響力が強い

東京商工会議所(通称:東商)は、明治11年に設立された日本最初の商法会議所のひとつです。2018年3月31日現在では、会員数79,678件を数えています。

中小企業はもちろん、東京という場所柄もあり、多くの大企業も加盟しています。

会員の業種は、商工業を中心に大学、病院など様々な法人・団体・個人などが加盟しているでしょう。活動範囲は名前の通り東京23区内に限られますが、影響力のある団体です。

東京商工会議所の活動には以下の3つの柱があり、経営者をサポートしています。

東京商工会議所の活動には3つの柱
1.経営支援活動
2.政策活動
3.地域振興活動

1の経営支援活動は、経営に関する相談、マル経融資や各種補助金・助成金の案内なども含めた資金調達、人材確保・育成、顧客開拓など経営改善のサポートなどがあります。

2の政策活動は、経営者や企業の声を集めて、国や都に政策、特に景気対策や税制改正などに関する提言や要望などを挙げる活動をさしています。

3の地域振興活動は、地域のビジネスだけでなく観光なども含めて、大学や加盟団体、地域と連携して盛り上げるために貢献活動をしています。

実際に会員が利用している東京商工会議所のサポートには主に以下のものがあります。

プレスリリースサポート(新商品の発売をテレビ、雑誌、新聞などのメディアを通して宣伝)
会員価格での研修プログラムの利用(新入社員ビジネス基礎講座など)
単独出店よりもお得で効果的な展示会出展支援
高度な人材もみつかる中高年キャリア人材移動支援事業「人材情報プラザ」の活用
東京商工会議所としての団体契約が可能な共済制度

一般的な中小企業では難しいスケールのメリットを、東京商工会議所への加盟で叶えることができます。

加入金は、一律3,000円、個人年会費は1口10,000円以上です。法人年会費は資本金に応じて変動し、資本金500万円未満は1口15,000円、500万円以上1,000万円未満で30,000円などとされています。

商工会についてのまとめ

  • 商工会とは主に町村にあり、地域の小規模事業者の支援を目的とした団体です。昭和35年に制定された商工会法が法的根拠になっており、今では全国に1,660の商工会があります。
  • 具体的な活動としては、国や都道府県の小規模企業施策(経営改善普及事業)の実施機関として機能しています。
  • 商工会議所とは主に市の地域に展開し、全国に515の商工会議所があります。平成27年3月現在で、会員数は全国で125万人を数えています。
  • 商工会と同じように小規模事業施策(経営改善普及事業費)も実施していますが、全事業費の2割程度で、国際的な活動や各種資格試験・検定の実施など活動は多岐にわたります。
  • 東京商工会議所(通称:東商)は、2018年3月31日現在で会員数79,678件を数えています。3つの柱である「経営支援活動」「政策活動」「地域振興活動」を中心に活動しています。