「お勤めご苦労様です」の意味や、使う際の注意点について解説

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社会に出ると、学生時代では使わなかった言葉を多く耳にします。「お勤めご苦労様です」もそのひとつです。映画やドラマなどでヤクザがいうセリフとして聞いたことがあっても、日常生活ではあまり使う機会のない表現です。

では、一般社会では「お勤めご苦労様」はどうように使われているのでしょうか。

「お勤めご苦労様です」の意味とは?

「お勤め」には2つの意味があります。ひとつは、「当然しなければならない事」で、義務や任務という意味です。この場合、厳密には「お務め」という漢字を使うのが正しい表現です。

もうひとつは、「雇われて働くこと」で、勤務するという意味です。「お勤めご苦労様です」の「お勤め」は、この意味で、「お勤めご苦労様です」は、勤務に対する労いの気持を伝える表現です。

「お勤めご苦労様です」は、上司に使ってはいけない

「お勤めご苦労様でした」は、勤務に対しての労いの言葉です。上限の関係なく使えそうに思えますが、この中には「よく頑張りましたね」という意味も含まれています。つまり、目上の人や上司が、部下などに言う言葉です。

目下の人が目上の人に言うのは失礼にあたります。さらに注意したいのが「ご苦労様です」という表現です。

「ご苦労様」は労いの言葉

時代劇などで、殿様が「ご苦労であった」というシーンを見たことがあるはずです。

しかし、時代考証では誤りです。江戸時代では「大儀であった」が正しいセリフです。この「大儀」という言葉が明治時代には一般的に使われなくなり、その代わりに「ご苦労様」という表現になりました。

つまり、「ご苦労様」は、目上の人が目下の人対して労う言葉として使われるようになった言葉です。

上司に対して「お疲れ様」と「ご苦労様」のどちらを使うのがよいのか疑問に思われる人も少なくありませんが、昔から風習を考えれば「ご苦労様」は、目上の人には使うのは失礼にあたります。

上下の関係なく「お勤めご苦労様です」を使う場合

一般的には、「お勤めご苦労様です」は、目上の人が目下の人に言う言葉ですが、上下の関係なく使われる場合があります。

警察や役所などでは風習で使われている

警察や役所などの公務員の世界では上下の関係なく「お勤めご苦労様です」が一般的に使われています。これは昔から風習的に使われていたため、今でも残っています。公務員の世界では、目下でも「お勤めご苦労様です」を使っています。

ヤクザの世界では意味が少し異なる

映画やドラマで、刑務所から出所してきた組員に対して「お勤めご苦労様です」と声をかける場面をよく見かけます。ヤクザの世界では刑務所から復帰してきた人間に言うのがお決まりのセリフですが、一般的な「お勤めご苦労様です」とは少し意味が異なります。

この「お勤め」は「お務め」であり、服役という義務を果たしたことに対する労いの意味です。当然上下の関係はありません。

上司に「お勤めご苦労様です」といわれた際の返答

上司に「お勤めご苦労様です」といわれた場合、なんと返したらよいのでしょうか?

「ありがとうございます。明日もよろしくお願いいたします」という丁寧ないい方なら問題はありません。しかし、毎日いうのは少し大袈裟な感じがします。

一般的には「お疲れ様でした」で問題はありません。「お疲れ様」を上司に使うのは不適当という意見もありますが、今や上限の関係なく「お疲れ様」は普通に使われています。特にこだわりを持たない相手であれば、「お疲れ様でした」でOKです。

「お勤めご苦労様です」の英語表現

「お勤めご苦労様でした」をそのままのニュアンスで英語に訳す事はまず不可能です。英語の場合、言葉の意味が明確です。日本語のように労う気持と仕事終わりの挨拶を含んだような表現はできません。使う場面を考えて訳すことが大切です。

仕事に対して労う場合の英語表現

仕事を成し遂げた場合には、

Good job!
Well done!
It was great!

と声をかけます。結果に関係なく努力に対して労うときは、

Good work!

を使います。

仕事を終えて帰る挨拶の英語表現

仕事終わりの挨拶としては、以下の物を使います。

Good night.
See you tomorrow.
Have a good weekend.

このように英語にする場合は、仕事への労いなのか帰宅時の挨拶なのかを明確にすることが必要です。

「お勤めご苦労様です」についてのまとめ

  • 「お勤めご苦労様です」は、公務員やヤクザの世界以外は目上の人が目下の人に使う言葉です。間違っても上司にはいわないようにしましょう。
  • また、上司に言われた場合は、「お疲れ様でした」と返すので問題はありません。
  • 厳密には正しくはありませんが、社会的な風習になっているので、畏まった言葉は、返って違和感を与えてしまいます。
  • また、英語に訳す場合は、挨拶なのか労う気持なのかを明確しましょう。
  • 日本語は「思いやりの文化」の表れでもあります。英語圏にはない貴重な文化を正しく理解することが大切です。