【意外と便利】若者言葉「詰んだ」はどう使う?例文やいつからどこから来たのか語源も含めて解説

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この記事では若者言葉の「詰んだ」について解説いたします。

SNSやネット掲示板などではよく見かける表現ですが、その意味や使い方については曖昧であるという人も少なくないかもしれません。

文化庁による令和四年国語に関する世論調査でも、この言葉の意味について言及されていました。

そこで今回は「詰んだ」の起源や意味、日常会話での使い方、「終わった」との違いや他の類語表現なども交えてピックアップしました。

この記事の中で少しでも参考になるような情報があれば幸いです。

「詰んだ」とは?言葉の起源と意味

「詰んだ」という言葉を理解する上では、その意味だけではなく起源も確認した方がイメージしやすいといえます。

そこでこの項目では現代の「詰んだ」の意味と「詰んだ」の起源、いつから使われるようになったかを中心にまとめました。

現代の「詰んだ」の意味

現代の「詰んだ」とは「物事に行き詰まり、どうしようもない状況」という意味です。

例えば夏休み最終日なのに宿題がほとんど終わっていなかったり、大学卒業前にも関わらず全く就職先が決まっていなかったりする非常に厳しい状況のことを表す際に使われます。

また「詰んだ」の起源は将棋用語の「詰み」です。将棋は相手の最も重要な駒である「王」を先に取ることを競います。

しかし実際に王を本当に取ることはなく、王がどうやっても逃げられない状況まで追い詰めれば勝ちです。

そして敗者の立場から見てこの状況のことを将棋では「詰み」と表現します。

「詰んだ」は「詰み」を過去形にしたもので、「詰む」や「詰み」も使われていましたが今では「詰んだ」が主流です。ただし意味はほとんど同じなので、あまり細かい違いは気にしなくても良いかもしれません。

将棋を好きな人にとっては馴染み深い言葉の一つですが、将棋に詳しくない人であっても見聞きしたことはあるという人は多いでしょう。もしも知らなかったという人は、この際に合わせて覚えておくと良いかもしれません。

「詰んだ」詰むの語源 | いつから使われるように?

このように元々は将棋で使用されていた言葉ですが、それが次第に対戦型のオンラインゲームなどで勝ち目がない状況に対しても使われるようになっていきました。

そしてゲームだけに留まらず、日常生活においてもどうしようもない状況を指す場合に「詰んだ」と表現されるようになったという経緯があります。

特にSNSやオンラインゲームなどを盛んに利用する若者にとっては非常に使い勝手の良い言葉であり、それが今日でも日常的に使われているというわけです。そのため「詰んだ」という言葉を使用するのは若者が多いのでしょう。

「詰んだ」がいつから使われるようになったかははっきりとはしていませんが、ネットやオンラインゲームなどが普及した2000年代頃だとされています。それが現在でも使われていることから「詰んだ」の人気ぶりや汎用性の高さが分かるでしょう。

「詰んだ」の日常会話での使い方

「詰んだ」はSNSやネット掲示板などだけではなく、日常会話でも使われるようになっていきました。そこでこの項目では、「詰んだ」の日常会話での正しい文脈での使用例と、ニュアンスと注意点を解説いたします。

使い方を誤ると思わぬ誤解をさせてしまったり、時にはトラブルになったりする恐れがあるかもしれません。そのようなことがないよう、この項目でしっかりと確認しておきましょう。

正しい文脈での使用例

「詰んだ」はその意味から、追い詰められていてどうしようもないようなネガティブな場面で使用される言葉です。したがって「詰んだ」を用いる際は、そのような状況に対してが正しい文脈での使用方法だといえます。

以下には「詰んだ」の正しい文脈での使用例を複数取り上げました。上記の点を踏まえた上で、一つずつ確認していきましょう。

例文
  • これまで勉強せずにテストを受け詰んだことが何度もあったが、深く反省し日常的に勉強する習慣をつけた。
  • 大切な顧客情報が入ったバッグを紛失してしまい、思わず「詰んだ」と口から出た。
  • 詰んだ」と口にした彼の話を聞くと、卒論を提出する時間を勘違いし受理してもらえなかったそうだ。

「詰んだ」のニュアンスと注意点

「詰んだ」はその意味や使いやすさから口癖のように多用している人も散見されますが、使う上ではニュアンスと注意点を把握しておいた方が良いでしょう。なぜならニュアンスと注意点を理解しないまま「詰んだ」を使用してしまうと相手との齟齬が生まれたり、相手を立腹させてしまったりする危険性があるからです。

まず「詰んだ」は行き詰まってどうしようもない場面に陥り非常に困っているというニュアンスがあります。そのためちょっとした困りごとやトラブルに対して「詰んだ」を使うと非常に大袈裟に聞こえてしまうというわけです。

したがって本当にどうしようもない場合においてのみ「詰んだ」を使うということを意識づけておいた方が良いかもしれません。ただし昨今ではもう少し経度のトラブルに対しても使用されるケースも少なからずあるので、どれくらいの深刻度で相手が「詰んだ」を使っているか前後の文脈から判断する必要があります。

また「詰んだ」の注意点は目上の人に対してやビジネスシーンなどでは使用しない方が良いということです。「詰んだ」に限らず若者言葉は相手に理解してもらえない上にフランクな印象を相手に与えてしまうためビジネスシーンでは不適格だとされています。

もし真剣なビジネスシーンで上司や取引先などを相手に「詰んだ」を使ってしまうと、ビジネスマナーがなっていない人だと思われてしまうことでしょう。そのような事態を避けるためにも、目上の人に対してやビジネスシーンなどで「詰んだ」は使わない方が無難です。

「詰んだ」の類語表現・比較

「詰んだ」にはいくつかの類語表現がありますが、その違いをはっきりとさせることでそれぞれをより効果的に用いることができます。そこでこの項目では、「詰んだ」の類語表現と「詰んだ」との違いを比較させてまとめました。

「詰んだ」と「終わった」の違い

「詰んだ」の最も典型的な類語表現としては「終わった」が考えられます。「終わった」も「詰んだ」とほとんど同じ意味で使われることがあるので一見すると違いはないように思われるかもしれません。

しかしながら「詰んだ」と「終わった」には明確な違いが2つあります。一つ目は「終わった」は「完了した」という意味もあり、肯定的な意味でも使用することができるということです。

例えば「ついに長い研修生活が終わった」という文章では、研修生活から解放されて喜ばしく思っている気持ちが読み取れます。「詰んだ」はそのように使用することができないのが違いです。

二つ目は「終わった」は「詰んだ」よりも一般的な言葉なので、目上の人やビジネスシーンにおいても使用することができます。例えば「本日の業務は全て終わりました」のように上司に対して使っても差し支えありません。

このように「詰んだ」よりも「終わった」の方が一般的には使いやすい言葉だといえるかもしれません。「詰んだ」は仲間内やSNSなどの限定的な用途でのみ使用するように心がけた方が良いといえるでしょう。

他の類語表現

「終わった」以外での「詰んだ」の類語表現としては「オワタ」や「無理ゲー」といったものが挙げられるでしょう。どちらも若者がよく使用する言葉です。

「オワタ」は「終わった」に由来するネットスラングで、悲観的な状況やどうにもならない場面を嘆いて使用します。「無理ゲー」は「攻略が非常に難しいゲーム」という意味ですが、昨今ではゲームに限らず攻略が難しいもの全般に対しても使われているようです。

またそれらの表現を使った例文としては、下記のようなものが考えられます。

オワタ
  • 自堕落な大学生が「人生オワタ」とネット掲示板に書き込んでいた。
  • 一回戦で優勝候補と当たってしまい、「試合オワタ」という気持ちになった。
  • 最近はどうしようもない状況になったらすぐ「オワタ」と口にしてしまう。
無理ゲー
  • たった1日でプレゼンの準備をするのは無理ゲーだ。
  • 厳しいことで有名なあの教授に気に入られるのは無理ゲーだと思う。
  • 新入社員がいきなり即戦力になるのは無理ゲーだろう。