「申し出る」の正しい意味と敬語表現|ビジネスで失礼にあたらない使い方と言い換え

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「何かお気づきの点がありましたら、お申し出ください」――このようなフレーズを店舗や企業で目にしたことがある方も多いでしょう。しかし、「申す」は謙譲語。では「申し出る」は謙譲語?お客様に使っても失礼にならない?実は、「申す」と「申し出る」は似て非なる言葉。誤用を避け、適切な言い回しを身につけましょう。

本記事では、正しい意味や使い方、丁寧な言い換え表現、さらに会話形式の体験談を交えてわかりやすく解説します。

1. 「申し出る」の意味とは?

「申し出る」は、自分の希望や意見・意思などを、他人に対して伝えることを意味します。
つまり「積極的に言い出す」ことを表す言葉であり、敬語や謙譲の意味を含まない、中立的な動詞です。

2. 「申す」との違いに注意

「申す」は、いわゆる謙譲語Ⅱ(自分をへりくだる言葉)で、「言う」の丁寧な形。 一方、「申し出る」は単なる表現であり、敬語ではありません。

表現敬語区分使い方
申す謙譲語Ⅱ「私が申します」
申し出る通常動詞「意見を申し出る」

「申す」を誤って相手の行動に使うと失礼になりますが、「申し出る」はその心配がありません。

3. お客様に「お申し出ください」は失礼?

文部科学省の「敬語の指針」によると、「お申し出ください」や「お申し込みください」の「申す」は、謙譲語としての役割を持たず、形式的な語形成として使われるため、お客様にも使って問題ないとされています。

  • × お客様が申す(誤用)
  • ○ お客様のお申し出により(正解)

つまり、「お気づきの点がありましたら、お申し出ください」は失礼にはあたりません。

4. 実例で学ぶ!ビジネスマンの会話から

▶︎ 体験談1:店舗クレーム対応

スタッフA:「最近『お申し出ください』って書いてあるけど、お客様に使っていいんですかね?」

店長B:「大丈夫だよ。『申し出』は謙譲語じゃないから、むしろ丁寧な案内になるんだ。」

▶︎ 体験談2:社内稟議の相談

社員C:「部長、企画変更を申し出てもいいでしょうか?」

部長D:「もちろん。ちゃんと理由を整理して、文書で申し出てくれる?」

▶︎ 体験談3:採用面接での例

面接官:「希望勤務地の変更がある場合は、後ほど申し出てください。」

応募者:「はい、承知しました。」

5. 言い換え・類語表現リスト

「申し出る」が敬語や表現で気になる場合は、以下のような言い換えが可能です。

◆ 類語(意味が近い語)

  • 要望、依頼、申込み、希望、提案、伺い

◆ 言い換え例

  • 「ご意見のある方は申し出てください」→「ご意見のある方はお知らせください」
  • 「退職の意思を申し出る」→「退職の意思を伝える/届け出る」
  • 「お申し出を辞退いたします」→「ご提案は遠慮させていただきます」

6. Q&A:よくある疑問に回答

「申し出る」は敬語ではないのですか?
いいえ。中立的な動詞です。「申す」は敬語ですが、「申し出る」は敬語に分類されません。
「お申し出ください」はお客様に失礼ですか?
いいえ。文化審議会の見解によると、敬語として問題なく使用できます。
「申し出」の代わりになるもっと丁寧な表現は?
「ご要望」「ご依頼」「お申しつけ」などが丁寧さを保ちつつ言い換え可能です。

7. まとめ:「申し出る」のポイント

  • 「申し出る」は敬語ではなく中立表現
  • 「申す」は謙譲語で、自分の言動に使う
  • 「お申し出ください」は正しく丁寧な表現
  • 言い換え表現で柔らかさや状況に応じた対応も可能

敬語は間違った使い方をすると逆効果になることも。「申し出る」は気兼ねなく使って良い言葉であると理解して、ビジネスでも安心して使いこなしましょう。