この記事では「円マーク」の意味や使い方について解説いたします。
様々な幅広い場面で見かけることがあるマークではありますが、その意味や由来などについてはよく分かっていないという人もいるかもしれません。
そこで今回は「円マーク」の書き方や使うときの注意点、領収書における「円マーク」の書き方なども合わせてまとめました。
この記事を通して「円マーク」への興味や理解が深まれば幸甚です。
目次
円マークとは
この項目では、「円マーク」の意味や由来、英語での読み方について取り上げました。
「円マーク」の基本的な内容についてはここで押さえておきましょう。
円マークの意味
「円マーク」は領収書や請求書などに使われる「日本円を表すマーク」のことで、日本国内外を問わずそのマークを見れば円を表しているのだと分かるものです。
金額を表す算用数字の前につけて使われるのが一般的で、銀行で入出金した際に発行される迷彩などにも使われています。
例えば海外旅行した際や海外送金する場合などに、金額だけが書かれていてはそれが日本円なのか米ドルなのか、はたまた更に別の国のものなのか分からなくなる恐れがあるでしょう。
そこで「円マーク」を使うことにより、その金額が日本円であることが一目で理解できるようになるというわけです。
「円マーク」は日本固有のものではなく世界中で認知されているものなので、仮に海外にいても問題なく使用することができます。
円マークの由来
「円マーク」の由来は、明治時代に日本と交易を行った英米人により日本の通貨である「円」が「yen」と綴られたことだとされています。
アメリカ合衆国の通貨であるドルを「$」と表記する慣習に合わせて「円」の頭文字「Y」に同様の二重線を入れたことから「円マーク」が使われるようになったという説が一般的です。
この説が事実であれば、「円マーク」は百年以上も前から使われているということになります。
また海外と交易をする上では、どちらの国の通貨による金額なのかを双方が即座に理解できるようにされているのも重要です。
もし認識の齟齬があれば、その取引は破談になったり諍いの原因になったりする恐れがあります。
それは現在においても同様で、それだけ「円マーク」を示すことによる意味は大きいといえるでしょう。
円マークの英語での読み方
「円マーク」の由来にもあるように、「円」は英語では「Yen」と読まれています。
通貨に限ったことではありませんが、日本語と英語では同じものを表す時でもその読み方が異なるという場合が多いです。
その点「円」と「Yen」のように、日本語でも英語でも読み方がほとんど同じであるというのは双方にとってイメージしやすいものであるといえるかもしれません。
円マークの書き方
この項目では「円マーク」の書き方にまつわる内容をまとめています。
様々なタイプの書き方があるということを、3つの項目に分けてピックアップしました。
一般的な円マークの書き方
一般的な「円マーク」は「¥」と書きます。
これは「円マーク」の由来の項目で取り上げたように、「Yen」の頭文字である「Y」に横線を2本加えたものです。
このように構成自体はそれほど複雑なものではありませんが、「Y」にも書き方があります。
まず「V」の部分を、各々2本の線を上から結合部分に向けて書くのが一般的です。
そしてその「V」の結合点から下に向けて「|」を書きます。
最後に「|」の部分に2本横線を加えれば、綺麗な「¥」を書くことができるでしょう。
もちろんこの書き方が必須であるとされているわけではありませんが、もし綺麗に「¥」を書きたければ上記の書き方が良いかもしれません。
筆記体での円マークの書き方
正しく認識できるという前提があれば、金額につける「円マーク」は筆記体であっても特に問題ありません。
急いでいる時などには便利な筆記体ですが、受け取った人が読めないほど字を崩してしまうと相手に迷惑がかかるので注意が必要です。
なお筆記体の「円マーク」は、書く人がそれぞれ一番書きやすく早い方法で書いています。
筆記体における「円マーク」の正しい書き方というのはありませんが、通常の「円マーク」は「Y」に横線を二本書くので筆記体の「Y」に横線を付け加えるという書き方が多いです。
キーボードでの円マークの出し方
キーボードで「円マーク」を表記する方法は複数あります。
キーボード上にある「¥」のキーをそのまま押すと出てきますし、日本語入力で「えん」を変換することでも可能です。
ただし「¥」の表記には全角と半角があるので、必要に応じて使い分けると良いでしょう。
なお同じ文字を入力しているのに、使うパソコンの機種により表示が違う文字(機種依存文字)があります。
「¥」もその一つで、パソコンの機種や入力の設定によっては「¥」を入力しても、「\」(バックスラッシュ)になってしまうことがあるのです。
半角の「¥」を確実に表示させたい場合にはHTML特殊文字を使い、「¥」(全て半角入力)と入力することで表示できます。
円マークを使うときの注意点
「円マーク」を使うに際して、いくつか注意しなければならない点があります。
この項目では、その注意点として二点取り上げました。
国際的には「¥」よりも「JPY」が使われる
実は「¥」は日本の他に中国の人民元でも使われる記号なので、世界的なマーケットで使用する場合は区別するために「JPY」(Japanese Yen)を使うことが多いです。
「¥」の代わりに「JPY」を用いることによって、それが人民元ではなく「円」だということが分かります。
一般的には金額の後ろにJPYをつけることが多いので、漢字の「円」と同じ位置と考えて良いでしょう。
またドルの習慣と合わせて金額の数字に小数点がつくこともあります。
なお「¥」以外の表記で人民元を表す場合に使われるのは「CNY」です。
これは「Chinese Yuan」(中国元)の略で、「JPY」と同じく世界的なマーケットで使用する場合には「CNY」を使うことによって「JPY」と区別されています。
マイナス金額を表すときの円マークの位置は?
あまり見慣れないパターンかもしれませんが、マイナス金額を表す場合に「円マーク」を使わなければならないことがあるかもしれません。
例えば「マイナス千円」を「円マーク」を使って書き表すケースでは、「¥-1,000」なのか「−¥1,000」のどちらが正しいのかということです。
「¥」は通貨の表記なので、このケースでは「¥-1,000」と書くのが正しいとされています。
マイナスと金額の間に通貨の表記である「¥」が入るのはおかしいと覚えておくと良いでしょう。
なおこのことは「¥」に限らず、他の通貨においても同様のことがいえます。
マークや記号は国や言語などによらず同じように使うというのが原則なので、このことも合わせて理解しておくと良いかもしれません。
領収書における円マークの書き方
先述のように、領収書においても「円マーク」は使われることがあります。
その為領収書における「円マーク」の書き方も覚えておいた方が良いといえるでしょう。
この項目では、領収書に「円マーク」が使われる理由と領収書での「円マーク」の使用例についてまとめました。
領収書に円マークが使われる理由
領収書に「円マーク」が使われる大きな理由は、金額の偽造を防ぐ為です。
例えば領収書に数字だけしか書かれていなければ、その前後に数字を加えることによって金額の偽造をすることができてしまいます。
そこで先頭に「円マーク」をつけることによって、記入した金額の前に数字を足して大きな金額にするなどの不正行為ができなくなるというわけです。
領収書以外では金融機関の伝票の金額欄にも「円マーク」を記入されていますが、その理由も同じだとされています。
不正や偽造を未然に防ぐことは利用者や金融機関からすると死活問題であり、非常に重要なことです。
その為先頭に「円マーク」をつけるという手法は、日本国内の多くの金融機関で採用されています。
領収書での円マークの使用例
まずは先頭に「¥」を記入しますが、これは「金」と記入することもできます。
金額の数字は3桁ごとに「,」(カンマ)を打ち、末尾には「―」「※」「也」のいずれかを記入するのが一般的です。
つまり次のような書き表し方があります。
¥○○○,○○○※
金○○○,○○○円也
末尾に「−」をつけるのは手書き領収書や機械で印字されたもの、スーパーのレジで領収書を頼んだ際にレシートの用紙で出てくるものなどが挙げられます。
末尾に「※」をつけるのはパソコンやチェックライターなどの機械で金額を印字した領収書のときに使われることが多い書き方です。
先頭のマークを「金」にした場合は留めも漢字にする必要があるので末尾は「也」にします。
この書き方のみ金額の数字のあとに「円」も記入することが必要です。
「円マーク」は先頭につけるだけで「円」の意味も含まれますが、先頭につける「金」にはその意味が含まれないのでこのような表記方法をしなければなりません。
「金」や「也」は主に手書きの領収書で使われることが多いです。
まとめ この記事のおさらい
- 「円マーク」は領収書や請求書などに使われる「日本円を表すマーク」のこと
- 「円マーク」の由来は、明治時代に日本と交易を行った英米人により日本の通貨である「円」が「yen」と綴られたことだとされている
- 「円マーク」の英語での読み方は「Yen」
- 一般的な「円マーク」は「Y」に横線を二本加えて「¥」と書く
- パソコンの機種や入力の設定によっては「¥」を入力しても、「\」(バックスラッシュ)になってしまうことがある
- 人民元も「¥」が使われているので、国際的には「¥」よりも「JPY」が使われる
- マイナス金額を表す場合、「円マーク」はマイナスの前につける
- 領収書に「円マーク」が使われる大きな理由は、金額の偽造を防ぐ為