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この記事では「がぜん」(以後「俄然」)について解説いたします。
「俄然やる気」といった表現で様々な場面で見聞きすることがある言葉ですが、その意味や使い方についてははっきり分かっていないという人も多いかもしれません。
そこで今回は「俄然」の意味や語源、類義語や対義語なども含めて取り上げました。それでは一つずつ確認していきましょう。
「俄然(がぜん)」の意味と語源
その言葉を理解する上では、意味を知るだけではなく語源も合わせて学んだ方が分かりやすいといえます。そこでこの項目では「俄然」の意味だけではなく語源も取り上げました。
「俄然」とは「急に状況が変わる様」を意味する
「俄然」は「がぜん」と読み、「急に状況が変わる様」という意味です。「俄然」は「急に」と「状況が変わる様」という二つのニュアンスが重なる場面で初めて使うことができます。
したがって急ではあっても状況が変わるわけではなかったり、状況が変わってもそのスピードが緩やかだったりする場合には「俄然」を使うことができません。その点には注意する必要があります。
また「俄然」を「より一層」や「これまでよりもずっと」といった意味で用いられている場面が散見されますが、これらは誤用です。誤った使い方をすることがないよう、ここでしっかりと意味を理解しておきましょう。
「俄然」の語源は漢字が表す「にわかなさま」
「俄然」は「俄」という字と「然」という字が合わさって成り立っている熟語です。そんな「俄然」の語源はそれらの漢字が表しています。
「俄」は「にわか」と読み、「突然」や「急に」という意味です。また「然」は状態を意味します。
それらの言葉が合わさって「急に状況が変わる様」という意味になったというわけです。もう少し補足すると、「俄然」は「急に(その状況に)変わる」というニュアンスがあります。
このように語源を知ることでその言葉の意味をよく理解できたり、忘れにくくなったりします。これは「俄然」に限ったことではありません。
新たに言葉を学ぶ際には、語源も一緒に確認した方が良いといえるでしょう。
「俄然(がぜん)」の日常の使い方とビジネスでの例文
「俄然」は日常会話だけではなくビジネスシーンでも使用されることがある言葉です。それでは実際にどのような使い方をするかについては、具体例があった方が分かりやすいでしょう。
そこでこの項目では「俄然」の日常の使い方と、ビジネスでの例文をピックアップしました。それぞれ順番に確認していきましょう。
「俄然張り切る(俄然やる気)」「俄然燃えてきた」
「俄然」は「俄然張り切る」や「俄然やる気」、「俄然燃えてきた」といった言い回しで使われることがあります。
「俄然張り切る」は「急に張り切る」、「俄然やる気」は「急にやる気になる」という意味です。
また「俄然燃えてきた」は「急に燃えてきた」というニュアンスで、気持ちが急激に高まった際にそのように表現するのです。「俄然」はこれらの使い方をされることが多いかもしれません。
なお上記のような言い回しをすることから「俄然」は「より一層」や「これまでよりもずっと」といった意味だと勘違いされていると推測されます。
なぜなら「俄然」を「より一層」や「これまでよりずっと」に置き換えても、文章としては成立してしまうからです。
ただし実際には意味が成り立たないケースも少なくないため、繰り返しになりますが誤用になることがないようしっかりと意味を区別しておきましょう。また上記の言い回しを使ったビジネスでの例文としては、次のようなものが挙げられます。
- 彼はいつも真面目で全力だから、俄然張り切るようなタイプには見えない。
- 自分はテスト前日に俄然張り切るというマイペースなところがある。
- 彼女は何事にも俄然張り切るかと思えば、すぐに熱が冷める。
- 営業成績トップの人には特別報酬があると知り、俄然やる気になった。
- 試験の前に失恋してしまい、俄然やる気がなくなった。
- 俄然やる気になる人ほど、燃え尽きるのも早いものだ。
- 相手チームは今大会の優勝候補だと知り、俄然燃えてきた。
- 運動会で片思いの人とペアになることができ、俄然燃えてきた。
- 今年の営業成績次第では社員旅行の行き先が海外になると知り、俄然燃えてきた。
「俄然として変化する」という使い方も
「俄然」は「俄然として変化する」という言い回しをすることもできます。「俄然として変化する」とは「急に変化する」という意味です。
「俄然として変化する」を使うと、下記のような例文を作ることができます。
- 震災が起こり、現地の人々の生活は俄然として変化することになった。
- 恩師との出会いが、彼の不真面目な性格が俄然として変化するきっかけだった。
- 何事でも俄然として変化することはそれほど多くない。
「俄然(がぜん)」の類義語と対義語
「俄然」には様々な類義語や対義語があります。それらを合わせて知っておくことで、一度に複数の言葉を覚えることが可能です。
そこでこの項目では「俄然」の類義語と対義語を取り上げました。それぞれ順番に確認していきましょう。
「俄然」の類語は「忽然」「突然」「急に」
「俄然」の類語は「忽然」や「突如」、「急に」といったものが挙げられます。「忽然」は「こつぜん」と読み、「突然」や「にわかに」という意味です。
「突如」は「とつじょ」と読み、意味は「急に」や「俄然」とほとんど同じだと考えて差し支えないでしょう。またそれらの類語を使った例文としては、以下のようなものが考えられます。
- 彼はどこからともなく忽然と現れた。
- あの犬はいつの間にかやってきたかと思うと、忽然と去っていった。
- 虫かごを用意している間に、せっかく見つけたカブトムシが忽然といなくなった。
- 突如小テストをすると先生が仰り、クラスは騒然となった。
- 上司の命令で、突如として東京出張が決まった。
- 予期せぬことというのは突如やってくることが多いかもしれない。
- 急に雨が降ってきたが傘を持っていなかったので、濡れながら家路についた。
- 彼は何かを思い立ったようで、急に帰ってしまった。
- 彼女はいつも急に怒り出すことがあるので、なるべく関わらないようにしている。
「俄然」の対義語に使える「漸進」「徐々に」
「俄然」の対義語は「漸進」や「徐々に」といったものが該当します。「漸進」は「ぜんしん」と読み、「段階を追って少しずつ進んでいくこと」という意味です。
また「徐々に」の読み方は「じょじょに」で、「緩やかに進む様」「おもむろに進んでいく様」という意味があります。「俄然」には「急に」変わるという意味があるので、どちらも対義語としてふさわしいといえるでしょう。
またそれらを使った例文としては、以下のようなものが挙げられます。
- 自分は性格的に、漸進主義者だと思っている。
- この国は漸進的に工業化が進んでいるようだ。
- 彼は漸進的であっても前に進むことが大事なんだと主張している。
- 彼女は徐々にランニングのペースを上げていった。
- 物価がここ数年で徐々に上昇していっているのを実感する。
- 徐々に気温が下がっていき、今ではすっかり冬を感じるほどだ。