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この記事では、「自身」の意味や使い方、類語、英語表現について解説します。
「自身」という言葉は、普段の会話でもなにげなく使っていますが、「自分」との違いや「自身」の意味を深く考えたことはあるでしょうか?なんとなく曖昧に使っている方も多いのでは。
「自身」はビジネスシーンでも使う言葉です。この記事を通して、「自身」の正しい意味と使い方を理解し、社会人としてのスキルアップにつなげてください
「自身」の意味と使い方
「自身」には、「自分」という意味と「そのもの」という2つの意味があります。「自身」の「自」は、音読みでは「みずから」で、「その人自身」「自分自身で」「わたし」の意味があります。「みづから」は「身づから」変化したものです。
「身」は、「しん」と「み」の2つの読みがあり、「しん」は「肉体」「からだ」の意味で、「み」には「そのものの本体と思われる部分」の意味があります。このようなことから、「自身」には、「自分」と「そのもの」という2つの意味が含まれていると考えられます。
「自身」を「自分」の意味で使う場合は、「私自身」や「自分自身」、「おれ自身」など、1人称をあらわす言葉に付属して使用します。
- 今回の事故は、私自身で判断した結果ですから、スタッフには一切責任はありません。
- 自分自身の問題ですから、これ以上ご迷惑はかけられません。
- おれ自身の経験から推測すると、彼女はもう君と別れるつもりだね。
もうひとつの意味の「そのもの」の場合は、「彼自身」「君自身」「母親自身」「社長自身」など、自分以外の人を表現する言葉がついて使われるのが一般的です。「彼の考えです」というよりも「彼自身の考えです」と「自身」がついた方が、より強調した表現になります。
- これが正しい解決策ではないと、あなた自身わかっているはずです。
- 二人の結婚に反対している理由には、母親自身のつらい体験が関係しているようです。
- 父親自身の学歴とこどもの学力には因果関係はありません。
- 事業内容を見直すことが急務であることは、社長自身理解しています。
「自身」は、単独ではあまり使いませんが、「自分自身で記入してください」のような言い方の場合、「自分自身」という方は、目上の方には失礼な表現になります。このようなときには、「ご自身でご記入してください」のように「ご自身」という敬語表現を使います。
「自身」と「自分」の違い
「自身」には、「自分」の意味があるので、「自身」と「自分」の違いがよくわからないかもしれません。ここでは、その違いについて説明します。
「自分」は1人称の言葉に差し替えられる
1人称とは、話し手を指す言葉で、「私」が代表的です。「自分」は、1人称として使えるのが特徴です。「私は日本人です」を「自分は日本人です」と言い換えることが可能です。今でも硬派の男性の中には「自分は○○です」が口癖になっている方も見られます。
一方、「自身」は1人称には置き換えられません。「自身は日本人です」という表現は誤りです。
「自分」はほかの人には使えない
「自身」は、自分以外に「彼自身」など他の人につけて「そのもの」という意味で使いますが、「自分」には、そのような使い方はありません。「彼自身の問題です」を「彼自分の問題です」という表現に言い換えることはできません。
「自身」と「自体」の違い
「自身」と同じように「そのもの」という意味がある言葉に、「自体」があります。「君自体に問題があります」というように、「自身」と同じような使い方もしますが、「自身」とは大きな違いもあります。
「自体」は人以外にも使う
「自体」の大きな特徴は、人以外の物事にも使えることです。例えば、「本を読むこと自体に意味があります」という表現に違和感はありませんが、「本を読むこと自身に意味があります」という表現は不自然です。
「自身」のビジネス上での使い方
「自身」は、ビジネスシーンでも使う言葉です。「自分」と「そのもの」の2つの意味を意識して状況に合わせて使用してください。
- これは私自身の考えですから、皆様に強制するものではありません。
- 会社を代表して参加するのですから、自分自身の行動にはくれぐれも注意してください。
- 契約書の内容は、必ずご自身で確認してください。
- このサンプルは彼自身が心血を注いで作成したものです。
- 新商品の不具合に関しては、開発者自身も首を傾げています。
- サービス内容の詳細は、先日お伝えしたように担当者自身から説明させていただきます。
「自身」の類義語と例文
「自身」の類語としては、「自分」「本人」「私」「自ら」「当人」「当事者」があります。
その人自身。わたくし。
例文
- 社長は、どうやら「自分の出る幕はない」と思われているようです。
そのことに直接関係する人。張本人。
例文
- 申請書は、必ず本人が記入してください。
1人称の人代名詞。自分。個人のこと。
例文
- 私が決めたことですから、責任はきっちりと取らせていただきます。
自分自身。他人の手を借りずに自分の力でおこなうさま。
例文
- 自ら進んで悪役を引き受ける部長には感服します。
そのことに直接かかわる人。
例文
- あれこれ噂されているけれど、当人は全く気にしていない様子です。
その事柄に直接関係している人。
例文
- 根拠もなく勝手な想像だけで当事者を誹謗中傷するのは、人道的にも大きな問題です。
「自身」の対義語と例文
「自身」の明確な対義語はありませんが、「自分」意味では、「相手」「他人」があります。
物事をおこなうときに行為の対象となる人。
例文
- 試合で勝つためには、相手のクセを見つけることが大切です。
自分以外の人。
例文
- 他人の評価ばかり気にしていては、ヒット商品の企画なんてできません。
「自身」の英語表現
「自身」の英語表現は、「oneself」「myself」があります。また対象によって「yourself」「himself」「herself」「ourselves」「themselves」なども使います。
- I think it is important to regularly reflect on oneself.
- I repaired this car by myself.
- You must do your homework yourself.
- She cut herself while cooking.
- We must finish the whole job all by ourselves.
定期的に自分自身を振り返ることが大切だと思っています。
この車は自分自身で修理しました。
宿題は自分自身でやりなさい。
彼女は、料理中に自分自身を切ってしまいました。
私たちは、この仕事全てを自分たち自身で終えなければなりません。
まとめ この記事のおさらい
- 「自身」には、「自分」という意味と「そのもの」という2つの意味がある。
- 「自分」は1人称の言葉に差し替えられるが、「自身」はできない。
- 「自体」は、人以外の物事にも使えるが、「自身」は不自然な表現になる。
- 「自身」の類語は、「自分」「本人」「私」「自ら」「当人」「当事者」など。
- 「自身」の「自分」意味での対義語は、「相手」「他人」。
- 「自身」の英語表現は、「oneself」「myself」「yourself」「himself」「herself」「ourselves」「themselves」など。