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この記事では、「謹んで」の意味や使い方、「慎んで」との違いなどについて解説します。
ビジネスだけでなく日常生活においても「謹んで」という言葉を使う機会は少なくないはずです。しかしながら、正しい「謹んで」の使い方がわからないという方も多いのではないでしょうか?
この記事を通して、「謹んで」の正しい意味や使い方をマスターし大人としてのスキルアップにつなげてください。
「謹んで」の意味は「おそれかしこまること」
「謹んで」の意味は「用心する、おそれかしこまる」です。多くの場合、「かしこまって〜する」という意味で、謙虚な姿勢で物事を伝えたいときに使います
「謹んで」の使い方・例文
不祥事に対する謝罪の場面では「謹んでお詫び申し上げます」
企業で大きなミスやトラブルがあったときに記者会見を開き、公式の場で謝罪することがあります。そのような時に「謹んでお詫び申し上げます」という表現を耳にしたことがあるかもしれません。
ビジネスや公共の場で使われることが多い言葉です。謝罪の言葉として「申し訳ありません」、「ご迷惑おかけしました」など他の表現もありますが、より丁寧な表現が「謹んでお詫び申し上げます」です。深く反省し、謙虚に謝罪する意味が込められています。
この度は、弊社の不手際によりご迷惑をおかけしましたこと、謹んでお詫び申し上げます。
お祝いの場面では「謹んで新年のお喜びを申し上げます」
よく目にするのが年賀状での「謹んで新年のお喜びを申し上げます」という挨拶の言葉です。
これは新年の喜びを謙譲語で述べる表現です。相手に対して謙虚に、へりくだって、挨拶をするときに使います。
謹んで新年のお喜びを申し上げます。
貴社の益々のご発展と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
仕事の依頼を受けたときの返信場面では「謹んでお受けいたします」
取引先や顧客から仕事の依頼があったときに「ご依頼の件、承りました」と表現する場合もありますが、同じ意味で「謹んでお受けいたします」と使うことができます。
この度は、新たなご依頼ありがとうございます。謹んでお受けいたします。
お悔やみの場面では「謹んでお悔やみ申し上げます」
取引先や勤務先で不幸があったとき、お葬式や弔電でも「謹んで」という言葉が使われる時があります。ご遺族の方に対して、「謹んでお悔やみ申し上げます」と弔電で送ることもあります。ここでは、謙虚に申し上げるという意味を含んでいます。「心よりお悔やみ申し上げます」と言い換えることもできます。
この度は、ご身内にご不幸があったとのこと大変驚いております。謹んでお悔やみ申し上げます。
「謹んで(かしこまって〜する)」の類語
「かしこまって〜する」の具体的な意味は次の2つです。
類語:恐れながら、謙虚に、恐縮ながら
類語:恭(うやうや)しく
「謹んで」と「慎んで」との違いと使い分け方
「謹んで」と「慎んで」違いは漢字の意味から紐解く
「謹んで」と「慎んで」の違いは漢字の意味にあり、以下の通りです。
実際の使い分けは漢字の意味から考える
「謹んで」と「慎んで」の使い分けで迷った場合は、その言葉の意味で考えます。
相手に対して敬意を払っている場合は「謹んで」、行動を抑制したり、律したりする場合は「慎んで」を使います。
謹んでお悔やみを申し上げます。
「お悔やみを申し上げる」のは相手に対して、謙虚な態度で挨拶することなので、「謹んで」が使われています。
改まった場所では口を慎むべきだ。
この文章は、「改まった場所で騒ぐと迷惑になり、失礼にあたるため、話をするという行動を抑えるべきだ」という意味です。行動や言動を抑える場合なので「慎む」が使われています。
「謹んで」と「甘んじて」の違いと使い分け方
「謹んでお受けいたします」に似た表現に「甘んじて受け入れる」があります。両方とも「何かを受け取る、受け入れる」という意味で似ているように思われがちですが、実は全然違う意味なので注意が必要です。
「甘んじて」という言葉の意味は「不本意だが、仕方なく受け入れる」です。「謹んで」が「かしこまって」の意味であるのに対し、「甘んじて」は「納得いかないが、嫌だが仕方なく」という意味を含んでいます。全く意味が異なるため、使う時に間違わないように注意しましょう。
「甘んじて」の例文
「謹んで」と「慎んで」の例文集
「謹んで」の例文
「慎んで」の例文
「謹んで」の英語表現
「謹んで」は敬語なので、英語には敬語がないと思う方もいるかもしれませんが、英語にも丁寧な表現があります。
簡単な表現は「please」です。下記の2文は定型文として使えます。
謹んでお悔やみ申し上げます。
謹んでお詫び申し上げます。
「謹んで」の意味をはっきりと出したい場合には「respectfully」を使っても良いでしょう。
謹んで申し上げることは=お言葉を返すようですが〜
〜と謹んで発表いたします。
まとめ
- 「謹んで」は「おそれかしこまること」を意味する
- 「謹んで〜する」という形の表現をよく使う
- 不祥事、お祝い、仕事の依頼を承諾するときなど、様々な場面で役立つ表現
- 「慎んで」は「行動や思いを抑える」ということで「謹んで」という言葉
- 「謹んで」の英語表現は基本的には「please」で伝わる
「謹んで」と「慎んで」の違いを理解せずになんとなく感覚で使っていると、お詫びやお悔やみなどの相手に敬意を払ったり、謙虚な態度を示す時に恥をかいてしまいます。大切な場面で使われる言葉だからこそ、きちんと理解して、使い分けられるようにしましょう。
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