今しがた|意味や使い方、例文や英語表現を解説

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ここでは「今しがた」という言葉について解説いたします。「今しがた」は日常生活だけでなく、ビジネスの場でもよく耳にする言葉です。しかしながら若い人にとってはあまりなじみ深い言葉とはいえません。そのせいか方言と勘違いしている人もいるようです。

そこで本項では「今しがた」の意味と使い方について、由来や類義語、英語表現までを含めて多角的に解説いたします。どうぞ最後までお読みください。

「今しがた」の意味と使い方

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「今しがた」は「ちょうど今」「つい先ほど」「ほんの少し前」などを意味する言葉です。具体的には「今現在」から「ほんのちょっと前」までの短い時間をあらわします。

「今しがた」を漢字表記にすると「今し方」となります。「方」は方角や手段の意味でよく用いますが、「明け方」「夕方」のように時間帯をあらわす言葉でもあります。「今し方」の「方」も「ほんの少し前」から「つい先ほど」までの短い時間を示しています。

「今しがた」が意味する時間帯は「直近の過去」のこと。「つい今しがた」「今しがたまで」といった用法で、「たった今ついたばかり」「先ほど帰った」「ついさっきまで待っていた」などの意味を示します。

「つい今しがた」の「つい」は副詞で、「つい一口飲んでしまった」というように「うっかり」「思わず」の意味もありますが、「つい今しがた」場合は「時間がごくわずかなこと」を意味します。

以下に具体的な使い方として例文を示します。

「今しがた」の例文

先方はつい今しがたホテルに到着されたばかりです。

マンションの配管の修理はつい今しがたまでかかったそうです。

つい今しがた鈴木様から連絡がありました。

「今しがた」の語源

「今しがた」の由来は非常に古く、飛鳥時代以前から大和国を中心に発達してきた「大和言葉」のひとつと言われています。「大和言葉」は古代から日本国内で使われてきた固有の言語で、現代でも動詞や形容詞、助詞などに数多く残されています。

飛鳥時代以前の日本では文字はほとんど使われていなかったものと考えられています。「今しがた」をはじめとする「大和言葉」の語源や由来についても、文字として記録に残るものはありません。

中国から漢字が日本に伝来したのは弥生時代のことですが、民間に広まることはありませんでした。原因は不明ですが、文字の普及を可能にするほどの国家体制が成立していなかったためとも考えられます。

漢字が飛鳥時代になって一気に普及したのは、仏教が国策になったことが要因です。それまで文字を持たなかった「大和言葉」もやがて漢字やひらがなで文字化され、「いましがた」は「今し方」と表記されるようになりました。

「今し方」の「今」は「ごく近い過去」「現在」「ごく近い未来」などを意味します。「今し」の「し」は「今」の意味を強調する副助詞です。「今し」は「今まさに」「ちょうど今」という意味をあらわします。最後の「方」は時間帯の意味になります。

ちなみに「今し方」の「今」という漢字は、部首ごとにそれぞれ意味があります。まず上部の「人」は「集める」こと。下の「ラ」は「連なる」「通す」ことを意味します。そのふたつを合体して「今」という会意文字になったと考えられています。

このように、もともと「今」は「集める」という意味の文字でしたが、やがて日時や年月をあらわすようになり、ついには「過去」と「未来」の接点となる「現在」をあらわす漢字となりました。

また「方」の由来は古代の農機具をあらわす象形文字とされています。古代の農作業では大勢がならんで田畑を耕すことから、「方」は「ならぶ」ことを意味する漢字として発展しました。その後「方位」や「行き先」などの意味にもなったと考えられます。

また「方」は古くは「まさに」と読み、「まさしく」「ちょうど今」といった意味をあらわしました。「今し方」の「方」はその名残でもあるとも言えるでしょう。

「今しがた」は方言?

「今しがた」は若い人たちにはなじみの薄い言葉です。そのため方言と間違われることも少なくありません。しかしながら前述のように「今しがた」は方言ではなく、日本古来の「大和言葉」のひとつ。長い歴史を持つ日本独自の言葉です。

「今しがた」のビジネス上での使い方

アクチュアリー
「今しがた」は漠然とした時間を意味する言葉です。そのため公的なビジネス文書では使いません。一方、会話やメールでは「ついさっきまで」という意味の改まった言い方として「今しがたまで」「つい今しがた」などのフレーズでよく使われています。

「今しがた」のビジネス上の例文

「佐藤君はつい今し方までオフィスに残っていましたが、今はいないようです」

「最新の米国雇用統計ですが、つい今しがた発表されたようです」

「今しがた」の類義語と例文

ニアミス
「今しがた」と同じ意味を持つ類義語としては「さっき」「たった今」「ただ今」「丁度」「先ほど」「先刻」などをあげることができます。意味は基本的に「今しがた」と同じですが、「先刻」には「すでに」「とっくに」といった別の意味もあります。

「さっき」の例文

私の自転車、ついさっきまでここに置いてあったんですが、どこへ行ったか知りませんか?

「たった今」の例文

たった今、会社から内定の通知がありました。

「ただ今」の例文

主人はただ今留守にしております。

「丁度」の例文

私も丁度いまそちらに電話しようと思っていたところです。

「先ほど」の例文

先ほどご紹介にあずかりました、新任の佐藤敏夫でございます。

「今しがた」の英語表現

センテンス
「今しがた」の英語表現としては、「just now」「just a few moments ago」「moment ago」をあげることができます。

「just now」と「just a few moments ago」は「たった今」「今さっき」という意味をあらわす言葉です。「moment ago」は「先ほど」「ついさっき」「ほんの少し前」という意味をあらわします。

「just now」の例文

I arrived just now in Kyoto, and my first impression is very beautiful and crowded tourist spot.

たった今京都に着いたばかりだが、第一印象としてはとても美しく混雑している観光地だ。

「moment ago」の例文

A few moments ago, there was an earthquake that was felt in Kanto region.

先ほど関東地方で地震がありました。

「just a few moments ago」の例文

I made a comment to this page just a few moments ago, but I can’t see it in my activity log.

さっき、このサイトにメッセージを書き込んだのですが、私のログに表示されません。

まとめ この記事のおさらい

  • 「今しがた」は「ちょうど今」「つい先ほど」「ほんの少し前」を意味する言葉です。
  • 「今しがた」は飛鳥時代以前から伝わる「大和言葉」のひとつと言われています。
  • 「今しがた」の類義語には「丁度」「先ほど」「先刻」などがあります。
  • 「今しがた」の英語表現は「just now」「just a few moments ago」などがあります。