頭打ち|意味・各分野やビジネスでの使い方・類語・対義語・英語表現を解説

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この記事では、「頭打ち」の意味や使い方、類語、対義語、英語表現について解説します。

「頭打ち」という言葉を聞いたことはあるでしょう。物事が進まない時に使われる表現ですが、実はさまざまな分野の専門用語としても使われている言葉です。

ビジネスにおいても「頭打ち」は、よく使われます。この記事を通して、「頭打ち」の意味や使い方を理解して、社会人としてスキルアップにつなげてください。

「頭打ち」の意味と使い方

アセット
「頭打ち」とは、「物事が限界に達してこれ以上向上しえない状態になること」の意味で、「あたまうち」と読みます。

例えば、自動車の販売台数を考えてみましょう。
かつて、車は若者の必須アイテムで、教習所には免許を取得するために多くの人々が集まり、大きく販売台数を増やしてきました。
しかし、現在は、若者の車離れが進み、ここ数年販売台数は減少傾向にあります。
このような状態の時に、「車の販売台数は頭打ちになっています」と表現します。

「頭打ち」の語源

「頭打ち」の「頭」には、さまざまな意味がありますが、「頭打ち」の「頭」は人間の頭の意味ではありません。「頭」には「物の先端」や「てっぺん」という意味もあります。

「打ち」の動詞である「打つ」には、物を「たたく」以外に、「取り付ける」という意味があります。
つまり、「頭打ち」は、「てっぺんに取り付けられた状態」と解釈できます。

「頭打ち」の由来は、相場用語です。市場で取引された商品や株式などにおいて、上がり続けていた値段がそれより上がらなくなる意味で使われたのが語源になっています。

「頭打ち」のさまざまな使い方

OEM
「頭打ち」は、「バイク用語」や「音楽用語」、「金融用語」などさまざまな分野で使われています。

バイク用語としての意味・使い方

バイク用語の「頭打ち」は、「エンジンの回転数の上限値」の意味で使われます。
エンジンの回転数は、エンジンの中にある「クランクシャフト」という部分が1分間に何回転するかを示した数値です。

一般的には、この回転数の上限が「頭打ち」になりますが、整備不良などで「頭打ち」の数値が低くなることもあります。

頭打ちの状態で走っていれば、当然スピードは速くなりますが、日本では安全を考えてリミッターが設定されていますので、リミッターが働くと自動的にエンジンの回転数は抑えられます。バイクのためにも「頭打ち」まで、回転数を上げるのはおすすめできません。

・しばらくバイクに乗っていなかったので、5000回転で頭打ちになっています。
・いつもより頭打ちが早くなるのは、キャブレターの不具合が原因と思われます。

音楽用語としての意味・使い方

音楽用語では、ドラムのリズムパターンで「頭打ち」という言葉が使われます。

ドラムは、ハイハット、スネア、バスドラなど基本7種類の楽器で構成されていますが、「頭打ち」は、この中で「スネア」をリズムの最初に打つ方法です。

スネアは、ドラムセットの中でもっとも手前にある小太鼓のようなものです。

8ビートの音楽の場合、スネアは2拍目と4拍目に打つのが通常ですが、「頭打ち」の場合は、1拍目から4拍目すべてをスネアで打ちます。
「頭打ち」にすると、リズムがより前に出て、明るくポジティブな印象になります。

・8ビートの頭打ちは、すごくハイテンションになり元気がでますね。
・頭打ちのパターンが連発して、会場は大いに盛り上がりました。

金融用語としての意味・使い方

「頭打ち」は、相場用語が由来のように、金融用語として広く使われています。

株価や株価指数の上昇ペースが鈍り、伸び悩んできた状態の意味ですが、「頭打ち」と言っても大きく2つのケースが考えられます。

ひとつは、相場自体が大天井に達してこれ以上伸びる可能性がない場合です。このような「頭打ち」は、相場から引き上げるのが無難と言えるでしょう。

もうひとつは、売り手と買い手の状態が均衡している「もちあい状態」の場合です。このような時は、新しい材料が出ると再び上昇することもあり、「頭打ち」でも可能性が秘められています。

金融市場では、「頭打ち」に対する判断は、極めて難しいと言えるでしょう。

・右肩上がりで伸びていた株価もついに頭打ちになり、危険水域に達しつつあります。
・新興国の市場が伸び続けている中で、日本の市場は頭打ち状態が続いています。

「頭打ち」のビジネス上での使い方

敬称
「頭打ち」は、「物事が限界に達してこれ以上向上しえない状態になること」の意味で、ビジネス上でもよく使われます。

・多くの評論家が予測していたように、自動車の販売台数の頭打ちは現実化しています。
・売り上げが頭打ちの状態を脱却するためには、発想の転換が必要です。
・新規事業の工場建設で多額の借金を負ったにもかかわらず、売り上げは頭打ちです。
・景気にも陰りが見え始め、新入社員の募集は頭打ちになっています。

「頭打ち」の類義語と例文

40代 転職
「頭打ち」の類義語には、「停滞状態」「足踏み状態」「横ばい状態」「行き詰まり」などがあります。

停滞状態(ていたいじょうたい)
1ヶ所にとどまって動かない状態のこと。

例文
・消費税が引き上げられてから、市場は停滞状態にあります。

足踏み状態(あしぶみじょうたい)
景気や経済、物事などが停滞したり進捗しない状態のこと。

例文
・予算が削減され、新商品の開発は足踏み状態になっています。

横ばい状態(よこばいじょうたい)
数値の上下に変動がなく、一定の水準のまま推移している状態のこと。

例文
・個人消費が横ばい状態なのは、景気の先行きが見えないことが原因と思われます。

行き詰まり(いきづまり)
それ以上進展しなくなった状態。

例文
・わが社が生き残るためにも、経営の行き詰まりを打開しなければなりません。

「頭打ち」の対義語と例文

進捗
「頭打ち」の対義語には、「鰻登り」「青天井」「順風満帆」などが考えられます。

鰻登り(うなぎのぼり)
物事の程度や段階が急激に上がっていくこと。

例文
・新商品が大ヒットし、わが社の株価は鰻登りになっています。

青天井(あおてんじょう)
物の値段や相場が天井知らずに上がり続けている状態。

例文
・すべての要望を受け入れていたら、コストは青天井になり実現不可能になります。

順風満帆(じゅんぷうまんぱん)
物事がすべて順調に進行することのたとえ。

例文
・新規プロジェクトは順風満帆に進んでいます。

「頭打ち」の英語表現

蓋然性
「頭打ち」の英語表現には、「reach the ceiling」があります。直訳すれば、「天井に到達する」で、株価などが最上限になることを意味します。

・Domestic demand for personal computers reached the ceiling.
 国内のパソコン需要は頭打ちになっています。

また、「leveling off」という名詞もあります。

・The economic growth in Japan is leveling off.
 日本の経済成長は頭打ちになりつつあります。

まとめ この記事のおさらい

・「頭打ち」は、「物事が限界に達してこれ以上向上しえない状態になること」の意味。
・「頭打ち」には、「バイク用語」「音楽用語」「金融用語」などさまざまな使い方があります。
・「頭打ち」の類義語は、「停滞状態」「足踏み状態」「横ばい状態」「行き詰まり」など。
・「頭打ち」の対義語には、「鰻登り」「青天井」「順風満帆」などが考えられます。
・「頭打ち」の英語表現には、「reach the ceiling」「leveling off」があります。