遵守の意味・読み方・使い方|順守との違い、英語表現を例文付きで解説

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この記事では「遵守」の読み方や意味について解説いたします。

「遵守」は公文書や契約書等幅広い場面でよく使われ、社会人として生活する上で頻繁に目にする言葉です。

だからこそ理解しておくべき言葉だといっても過言ではありません。実際に使う際に困ることがないよう、一つずつ確認していきましょう。

遵守の読み方と意味

「遵守」は「じゅんしゅ」と読み、「規定や道徳、法律等に背かずよく守ること」という意味があります。

「遵」には「尊」という漢字が含まれている為「そんしゅ」と読んでしまいたくなるところですが、実際「そんしゅ」と読み間違える人は少なからずいるでしょう。

「遵守」以外で「遵」という漢字を見聞きする機会が滅多にない為、読み間違いをしてしまうという側面もあるかもしれません。

また「遵」には「尊い」や「貴重である」という意味があり、「守」は「身体や身分、決まりやルールを守る」といった意味があります。

その為二つの漢字が合わさり「遵守」となることで上記のような意味になったと覚えるのが良いかもしれません。

遵守の使い方

「遵守」はルールや決まり等を守ることを伝えたり、守ってもらいたい時等に使う言葉です。

例えば次のような使い方が挙げられます。

・コンプライアンスは日本語で「法令遵守」等と訳される。
昨今よく使われるコンプライアンスを日本語訳したものです。

「コンプライアンス違反」という言葉で使われることもあり、法律や社内規則等に背いた時にそのような言い方をします。

・自動車を運転する際は、道路交通法や交通マナーを遵守することが求められる。
自動車は一歩間違うと加害者や被害者になってしまう可能性がある乗り物です。

だからこそそうならないように法律やマナーが定められており、それを守ることが自分や周りを守ることにも繋がります。

また「遵守」は特に以下の三つで使われることが多いです。

  • 公文書や公用文
  • 契約書類
  • ビジネス文書

いずれも法律やそれに準ずるルールを適用している時に使われていることが多いことが分かります。
万が一言い争いや裁判等に発展した場合、自分の主張の正当性を担保する為に法律を根拠にしているので「遵守」がよく見られるのかもしれません。

順守との違いと使い分け

「遵守」と似た言葉として「順守」が考えられるでしょう。

「順守」は同じく「じゅんしゅ」と読み、意味も「遵守」と同じであるとされています。
また国語辞典等では併記されていることもあり、他の言葉と比べて使い分けが難しいといえるかもしれません。

細かいニュアンスで考えると、「遵守」は「尊」という字を使っているので相手を尊重して優先するのに対し、「順守」は自分を優先した考えだといわれています。

またかつて国語審議会では「遵」の字は削除対象にされ「順」が使われるという動きがありましたが、結局削除されず残った為併記されているのです。

厳密な使い分けはないとされていますが、新聞や一般的な文書等では「順守」がよく使われています。

対して先述の公文書や契約書等法律に基づいていることを強調したい場合等は「遵守」を使うことが多いです。

遵守の例文

「遵守」の例文としては、次のようなものが挙げられます。

・そのビジネス文書には非常に多くの法律が含まれており、全てを遵守するには内容をよく理解する必要がある。

ビジネスでは言った言ってないという言い争いになったり、あるいは裁判等に発展した場合に備えて数々の法律を含めた文書を作成することがあります。

 

その為難解な文章になったりすることもある為、よく読んで内容を理解することが肝要です。

・個人情報を取り扱う企業には個人情報保護法を遵守する義務と責任がある。

「個人情報保護法」は「個人情報を取り扱う民間事業者の遵守すべき義務等を定める法律」のことです。

 

昨今では個人情報の漏洩が発覚するとニュースで大いに取り上げられる等し、社会的信用を失墜することになりかねません。

だからこそいかに個人情報を守るかは各企業にとって非常に重要なことだといえます。

・公務員の副業が禁止なのは、地方公務員法や国家公務員法を遵守しなければならないからである。

公務員の副業禁止は、上記の法律が根拠だといわれています。

 

民間企業では副業を解禁したり積極的に推進している会社もありますが、社内規則で禁じているところも少なからず見受けられます。

公務員や民間企業の一部で副業を禁じているのは、副業に注力するのではなく職務に専念するべきだという考えがあるからかもしれません。

遵守の類義語と対義語

「遵守」の類義語と対義語としては、以下のようなものが考えられます。

類義語

・厳守
「厳守」は「げんしゅ」と読み、文字通り「厳しき守る」という意味があります。

「遵守」との違いは、「厳守」が法律等ではなく約束を守ることに多く使われることです。

・遵法
「遵法」は「じゅんぽう」と読み、「法律に従って背かないこと」という意味で使われます。

「遵」と「法」という二字を使っている為、読み方や意味も分かりやすいといえるかもしれません。

その他には「コンプライアンス」等も類義語といえるでしょう。

対義語

・違反
「違反」は「いはん」と読み、「法令や契約等を守らないこと」という意味があります。

汎用性が高く、色んな語の後ろについて使われることが多いです。

・脱法
「脱法」は「だっぽう」と読み、「法律に触れないようにして悪事をはたらくこと」という意味です。

類義語と対義語の例文

類義語と対義語の例文をそれぞれ確認してみましょう。

類義語の例文

・社会人として時間を厳守するのは当然だ。

時間を守らないのは社会人として失格等といわれますが、それだけビジネスにおいて時間を守るのが大事だということが伝わります。

 

・コンプライアンス部に身を置く人には、遵法精神を持っていることが重要だ。

コンプライアンス部は会社の法律全般に携わる立場です。

 

その為社内で最も法律を守る意識が求められているといえます。

対義語の例文

・彼は公職選挙法違反で逮捕された。

他にも「ルール違反」や「規律違反」等、定められたものに反する場合によく使われます。

 

・脱法行為を黙認すると、露見した時に大きなダメージを負う。

上層部が脱法行為を看過したことにより、そのことが発覚した時には大きな非難を浴びることになります。

 

遵守の英語表現

「遵守」の英語表現としては、次のようなものが挙げられます。

  • compliance(コンプライアンス)
  • observance(遵守)

また上記を使うと以下のような例文を作ることができます。

・I had compliance training yesterday.
(昨日コンプライアンス研修を受けました。)

連日のようにコンプライアンス違反が取り上げられていることもあり、各企業もコンプライアンスの研修に力を入れていることが読み取れます。

 

・It is important to strict observance of the rule.
(規則を遵守するのは大切なことだ。)

規則があるのはそれなりの理由があります。だからこそ、それを遵守するのはとても大切です。

 

まとめ この記事のおさらい

  • 「遵守」は「じゅんしゅ」と読み、「規定や道徳、法律等に背かずよく守ること」という意味がある。
  • 「遵守」は公文書やビジネス文書等、法律に関わる書類で使われることが多い。
  • 「遵守」と「順守」は読みが同じで、意味もほとんど同じものとして使われている。
  • 「遵守」が公文書やビジネス文書等で使われるのに対し、「順守」は新聞や各種メディア等で使われる。