「考察」とは?レポートでの書き方やポイント、例文を解説

レポートや論文を書くうえで欠かせないのが「考察」の項目です。特に理系の学生は実験を伴う課題が多いため、考察を書くのは当たり前だと感じているかもしれません。しかし、いざ書こうとすると「結果」との違いがわからず、感想や反省になってしまう人も少なくありません。

この記事では、考察の意味や書き方、レポート作成時に押さえておきたいポイントを例文とともに解説します。結果や結論との違いについても整理しますので、レポート課題に取り組む学生の方はぜひ参考にしてください。

この記事の内容
・考察とは
・考察の書き方
・考察のポイント
・結果や結論との違い
目次

「考察」とは?

考察とは、ある仮説を立てて実験をおこない、その実験結果がなぜ得られたのかを自分の頭で考えて述べることです。

ある問題に対して正しい結果が得られた場合も、想定と異なる結果になった場合も、その要因を考え、論理的に筋道を立てて文章にまとめます。単なる感想ではなく、データに基づいた分析であることが求められます。

また、実験結果から見えてきた新しい視点や、今後の課題についても考察の中で述べることができます。実験の意義を深めるうえで、考察は非常に重要な役割を担っているのです。

一般的なレポートの構成

論文やレポートには、一般的に決まった形式があります。どの部分に何を書くべきかを理解しておくと、考察の位置づけも自然と見えてきます。

タイトル
一目でどのようなことを論文にしているのかがわかるように、簡潔に書きます。
序論・問題提起
初めに、導入、過去の研究など、自分がこれから展開していく論文のさわりを書きます。
仮説
疑問を持った問題やこれから展開していく論文の内容について、自分なりの説を立てます。根拠となるのは過去の研究結果や、一般的にいわれている事実です。仮説に基づき、実験をおこないます。
目的
実験を行う目的や仮説に基づき、どうしてこのような実験を行うのかという詳細を述べます。

方法
実験の方法について詳しく書きます。観察や調査、実験器具を使った実験など、様々な方法があるため、ここで記述します。

方法は、少しでも異なると結果に影響してくるため、抜けがないように詳しく書くのが重要です。

方法の記述項目例
・被験者(被調査者)
・実施日(調査日)
・実験材料(質問紙やテスト、実験器具、調査内容など)
・実験の手続き(実施した場所や時間、人数、方法など)
・結果の処理方法(実験のデータをどのように処理し分析していくのか、処理したものをどのように結果に導かせるか、利用した統計の手法やソフトウェアなども記述するとよいです)

結果
実験からわかったことを、ありのままに書くのが結果です。仮説と異なった結果になったとしても、実験の事実として、そのまま書きましょう。
考察
前述したように、結果に基づいて、どうしてそのような結果が出たかを考え、自分の言葉で論理的に組み立てて記述します。
参考文献
過去の実験結果や、仮説を立てる際に使用した文献など漏れがないように記述します。

「考察」の書き方の注意点

考察を書く際に気をつけなければならないのは、結果の部分との違いを明確にすることです。

結果は事実を中心に書きます。一方で考察は、その結果を見て分かることを論理的に文章にする部分です。この違いを意識しないまま書き始めると、両者の内容が重複したり、逆に混ざり合ってしまったりします。

考察を書くときにありがちなのが、結果に対する感想を書いてしまうことです。「思うような結果が出てよかった」「予想した仮説よりも大幅に数値が狂ってしまったのが残念である」といった反省や感情は、考察には書かないようにしましょう。

考察は感想を述べる部分ではなく、結果から客観的に判断できる自分の意見を書く部分です。結果から新たに見えてくる課題を書いてもよいでしょう。あくまで論理的な分析であることを忘れないようにしてください。

「考察」のポイント

考察を書く際は、一点に絞って書く必要はありません。多角的に結果を見ることで、考察の幅も広がります。ここでは、考察を組み立てる際に活用できる4つの視点を紹介します。

一般的認識を考察で書く

結果を見て、誰もが思うであろう一般的な認識をはじめに加えておくとよいでしょう。

その一般的な認識に対して、自分も同意するのか、あるいは同意できないのか、その立場と理由(実験の状況や被験者の選定など)を述べます。読者にとっても、共通認識から自分の意見への流れがわかりやすくなります。

一般的認識と、それに対する立場・理由の例文としては、次のようなものが挙げられます。

今回の結果から、30代よりも20代の方がSNSによる人との繋がりを重視していることが分かる。私はこのことに対して肯定的で、なぜなら20代は生まれ育った頃からデジタル端末の使用が当たり前だからだ。

目的に対してどのような結果があったかを考察で書く

レポートでは、目的に基づいて仮説を立て、その仮説を立証するために実験を行っています。

結果から、目的に結びつくものが見つかったのか、証明されたのかどうかという点について述べることが大切です。目的と結果を結びつける視点があると、考察全体の論理が明確になります。

その書き方としては、例えば以下のようなものがあります。

年代におけるSNSとの親和性の差を明らかにすることで商機に活かすという目的に対し、若年層の方がSNSに親しんでいる人が多いという結果が判明した。

他の人の立証や結果と比較を考察で書く

過去に同じ実験が行われている場合、その時の結果と比較するのもよいでしょう。

過去の実験とどのように方法や手続きを変えたのか、被験者にどのような違いがあったのかという点を明記します。過去の結果と今回の結果にどのような差が出たのか、あるいは同じ傾向だったのかについて述べてみましょう。比較の視点を加えることで、考察に説得力が生まれます。

それらを踏まえたうえでの例文としては、下記のようなものが考えられます。

A氏は『2010年における年代別SNS使用度調査』において、若年層の方がSNS使用度が高いと結論づけたが、今回の調査によりその差がより拡大していることが明らかになった。

考察では新しい話を出さない

実験を行ったからこそ見えてきた課題や発見などは、考察に書いても問題ありません。

しかし「次はこのような実験がしたい」「違う条件で試してみたい」といった決意表明は、考察には書かないようにしましょう。これらは今後の展望であり、結果から論理的に導かれる分析とは異なるためです。

もし今後の課題に触れる場合は、以下のような書き方がよいでしょう。

〇〇という条件を△△に置き換えることで、今回の結果よりも●●%ほど、××の数値が減少すると考えられる。

このように、具体的な数値や結果に基づいて予想できる部分を加えることが重要です。根拠のない願望や決意ではなく、データから導き出せる範囲で述べるようにしましょう。

「考察」の例文まとめ

先述の4つの視点をすべて繋ぎ合わせると、次のような例文を作ることができます。

年代におけるSNSとの親和性の差を明らかにすることで商機に活かすという目的に対し、若年層の方がSNSに親しんでいる人が多いという結果が判明した。
A氏は『2010年における年代別SNS使用度調査』において、若年層の方がSNS使用度が高いと結論づけたが、今回の調査によりその差がより拡大していることが明らかになった。
今回の結果から、30代よりも20代の方がSNSによる人との繋がりを重視していることが分かる。私はこのことに対して肯定的で、なぜなら20代は生まれ育った頃からデジタル端末の使用が当たり前だからだ。
「男性のみ」という条件を「女性のみ」に置き換えることで、今回の結果よりも5%ほど、50代の数値が減少すると考えられる。

ただし上記はあくまで一例です。実際には、内容の順番が多少前後したり、間に繋ぎの文や実際のデータが挿入されたりすることがあります。自分の実験内容に合わせて、無理のない流れを作ることを意識しましょう。

「考察」「結果」「結論」の違い

実験レポートを書く際、実験を記録したものが「結果」であり、結果をもとに、その結果に至った要因などを自分で考えて述べるのが「考察」です。

実験は常に成功するとは限りません。仮説と異なる結果になったときの考察は、実験の意義を左右するため特に重視されます。

結果が同じであっても、考察はレポートを書く人によって内容が異なります。考察はそれぞれの考えや意見が反映される部分であり、論理的に説明することが求められます。

結論は、結果と考察を踏まえて最終的になにが言えるのかを書く部分で、レポート全体のまとめを担っています。実験によってどのような結果や効果が得られたのかを序論と結びつけ、論文全体の締めくくりとしましょう。

結果・考察・結論それぞれの違いについて、より詳しくは下記の関連記事をご覧ください。レポートやプレゼンで役立つ!「考察」「結果」「結論」の違いとは?

「考察」のビジネス上での使い方

「考察」は学術的な場面だけでなく、ビジネスの現場でも使われる言葉です。

ビジネス上における「考察」の使い方としては、次のようなものが考えられます。

当社のマーケティング部門では、考察の深さと売上の多さには無視できないレベルで相関関係があると確信している。

消費者のニーズを的確に察知したり、新たなブームを生み出したりするうえで、「考察」の深さが重要だとする考え方があります。

この例では、その会社のマーケティング部門において、考察の深さと売上の多さにはかなりの相関関係があると確信しているという意味になります。

新人研修において、今回のデータから得られる考察をまとめてくるよう宿題を出した。

「考察」の重要性を早期から身につけてもらうために、自分で「考察」する練習を新人研修に取り入れている企業は少なくありません。

この例でも、そうした目的から、新人研修において今回のデータから得られる「考察」をまとめてくるよう宿題にしたと考えられます。ビジネスにおいても、データをただ眺めるだけでなく、そこから何を読み取れるかを言語化する力が求められているのです。

「考察」の類義語

「考察」の類義語としては、「考慮」「見解」「勘案」といった言葉が挙げられます。それぞれ意味合いが異なるため、使い分けを確認しておきましょう。

「考慮」は「よく考えること」という意味で、「考察」の類義語だといえます。ただし「考慮」には分析的なニュアンスは薄く、単に思いを巡らせるという意味合いが強い言葉です。

「見解」は「ある物事に関する考え方や見方」といった意味があります。主観的な意見が含まれる点は「考察」と共通しますが、論理的な分析過程を含むかどうかが「考察」との違いです。

また「勘案」は「よく考えること」という意味ですが、複数の事柄をあわせて考える場合にのみ使われる言葉です。単一の要因を検討する場合には使いません。

「考察」の英語表現

考察は、世界中の論文やレポートに登場する概念であるため、対応する英語表現もいくつか存在します。考察をあらわす英語表現は以下の通りです。

・discussion(議論)
・examination(説明)
・consideration(熟考)
・observation(観察)

考察をあらわす英語には複数の表現がありますが、論文の中身自体は日本語のものと大きく変わりません。実験によって得られた結果の意義や、結果が示す問題点、新たな課題などを提示する点は共通しています。

「考察」についてのまとめ

  • 考察とは、結果に基づいて、自分の考えを論理的に組み立てて述べることです。
  • 考察には、感想や反省、決意表明などを書かないように注意しましょう。
  • 考察は一点に絞らず、多角的に結果を見て話を展開させていくと幅が広がります。
  • 「考察」の書き方はその内容によって順番が多少前後したり、間に繋ぎの文や実際のデータが挿入されたりすることがあります。
  • 結果は実験後のそのままの状況を述べる部分です。
  • 結論は論文やレポート全体のまとめです。
  • 「考察」の類義語としては「考慮」や「見解」、「勘案」といったものが考えられます。
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このサイトの記事はマナラボ編集部によって執筆されています。

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