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この記事では「セオリー」について解説いたします。日常会話やビジネスシーンなど幅広い場面で使われることがある言葉ですが、その意味や使い方については曖昧だという人もいるかもしれません。
そこで今回は「セオリー」の意味や語源、対義語や英語表現なども含めて取り上げました。それでは一つずつ確認していきましょう。
セオリーとは
「セオリー」は「セオリーに反する」や「セオリーに基づく」のように使われることがあります。この項目では、「セオリー」がどのような意味があるのか、どういった語源があるのかを中心にピックアップしました。
意味や語源を意識すると、なぜ上記のような使い方をするのかをより理解しやすくなることでしょう。
セオリーの意味
「セオリー」とは「理論」や「学説」という意味です。あらゆる学問の領域において、専門の研究者などがまとめた学術上の理論や学説のことをいいます。
また「定石」や「持論」といった意味でも使用されることがあり、そのため幅広いシーンで使われることがある言葉だというのが大きな特徴です。単に学問の分野で用いられるだけではなくゲームやスポーツ、ビジネスや趣味の領域でもしばしば見聞きする言葉だといえます。
「理論」や「定石」という意味から発展して、昨今では「ある物事においての最善の方法」という意味でも使用することが可能です。とりわけ将棋や囲碁などのゲームやスポーツなどにおいての「セオリー」は、戦術の基礎というニュアンスで用いられます。
これらの意味は客観性があり誰が見ても同じように感じられるものですが、「セオリー」には「見解」や「持論」といった主観的な意味として使用されることがあることは合わせて覚えておくと良いかもしれません。「見解」や「持論」という意味で使われるのは、その人が個人的に感じる意見や考えが多分に含まれています。
したがって「セオリー」という言葉には個人的な意見と、客観性がある理論という二つの意味合いがあるということです。どちらの意味で用いられているかは、その時々の文脈で判断する必要があります。
セオリーの語源
「セオリー」の語源は英単語の「theory」をカタカナ語にしたものです。「theory」の音の響きをそのままカタカナ語にして「セオリー」と表現されるようになりました。
英単語の「theory」はカタカナ語の「セオリー」と同じ意味です。また「theory」は「見ること」や「見解」といった意味があるギリシャ語の「theoria」が由来だといわれています。
「見ること」や「見解」という意味から転じて「自分の意見」や「持論」という意味になり、それが更に転じて「理論」や「学説」といった意味になりました。このようにカタカナ語の語源を辿っていくと、英語以外の言語に行き着くことが少なくありません。
セオリーの使い方や例文
「セオリー」という言葉は上記のように「理論」や「学説」といった意味があることから、学問や研究などの分野でよく使われます。大学の論文や研究などにおいても「セオリー」を頻りに見聞きすることがあるのはそのためです。
それ以外にも医療や建築、芸術や法律、IT分野など「セオリー」が使用されるシーンは多々あります。またビジネスシーンでも用いられている場面に遭遇したことがあるという人も少なくないかもしれません。
学問や研究などの分野においては筋道を立てて理論的に説明したり、ある物事の法則性を見出して解説したりする必要があるため「セオリー」という言葉が使われることが多いのでしょう。ビジネスシーンの場合は会議やプレゼンなどで自分の意見や考えを伝えたりする機会があるため「セオリー」が使用されます。
例えば商談において「セオリー」を主張することで成約に至ったり、プレゼンで自分の案が採用されたりする場合に「セオリー」が活用されるというイメージです。ただし「セオリー」を主張しすぎると我が強くて頑固な人だと思われたり、自己主張が激しくて協調性がない人だと認識されたりする恐れがあります。
あまり「セオリー」を使いすぎるとそのようなリスクがあるため、時には相手の言い分を受け入れたり譲歩する姿勢を示したりする柔軟性が必要です。それらを踏まえた上で、「セオリー」の具体例を以下にて確認していきましょう。
- 何か新しいことにチャレンジする場合、初心者はまずセオリー通りにやってみるのが確実だ。
- 人付き合いにおいてはまず相手の話をしっかりと聞くことが自分のセオリーだ。
- 彼はそれまでのセオリーにあえて反することによって新たな研究成果を見出すことができた。
セオリーの言い換え表現
「セオリー」の言い換え表現としては「理論」や「学説」、「定石」や「持論」といったものが考えられます。なぜならそれらの言葉が、「セオリー」という言葉の意味そのものだからです。
したがってそれらの言葉を「セオリー」に言い換えても意味が大きく変わることはないでしょう。ただし「セオリー」自体は複数の意味を持っているため、上述のように文脈に合わせてその時々の意味を判断していくことが必要です。
また上記の言い換え表現を使った例文としては、以下のようなものが挙げられます。
- 理論上は正しいかもしれないが、感情的にはその意見にどうしても賛同できない。
- 彼はいつも理論に基づいた考え方をするので、時にはドライな印象を受けるかもしれない。
- 彼女の理論的な話し方は知性を感じさせ、非常に好感が持てる。
- あの教授同士はお互いの学説が正しいと信じて疑わないことから意見が合わず、犬猿の仲だ。
- どの学説に従うかによって、その後の研究結果は大きく変わってくるだろう。
- これまで定説だとされてきた学説を引用し、新たな研究を進めることにした。
- 相手が攻め一辺倒の戦法を採用した場合、焦らずに受けに回るのが定石だ。
- 野球では打力が高い選手が上位打線を担うのが定石だとされている。
- 定石に固執せず柔軟な戦い方を展開できるところが彼の強さの秘密だ。
- 先輩から意見を求められたので、これまで考えていた持論を展開した。
- 持論を述べたが反対意見を受けたため話し合いがまとまらず、また後日話し合うことになった。
- どんな時でも笑顔を絶やさないことが人間関係を円滑にするというのが彼の持論だ。
セオリーの対義語
「セオリー」はこれまで取り上げた通り「理論」や「定石」などといった意味があるため、それらの反対の意味を持つ言葉が対義語だといえます。したがって「セオリー」の対義語としては「実践」や「応用」などが挙げられるでしょう。
「実践」は「セオリー」の対義語としてよく取り上げられる言葉で、「理論や仮説などを自分で実際に行うこと」という意味があります。理論で終わらせるのではなく実際の行動に移していることから、「セオリー」の対義語に当てはまるというわけです。
「応用」は「知識や原理を実際の事柄に当てはめて用いること」という意味があります。実際の事柄に当てはめて用いるという点が「セオリー」の対義語として適当です。
また「実践」や「応用」を使った例文としては以下のようなものが考えられるでしょう。
- 何事もまずは実践してみることが大事だと思うので、あれこれ考えずにやってみるようにしている。
- 実践してみた結果希望通りの結果にはならなかったので、次はやり方を変えてみることにした。
- 思い立ったら即実践するようにしているため、行動が早い人だと言われることが多い。
- 基礎を疎かにして応用することばかり考えていては、良い結果が出ないだろう。
- 数学の練習問題は全て解き終わったため、残りの時間は応用問題を解くことにした。
- 彼はどんなことでも応用するのが得意なので器用な人だと感じる。
セオリーの英語表現
「セオリー」の英語表現は、語源にもなっている英単語の「theory」です。「theory」の関連用語としては「theoretical」や「theorem」といったものが挙げられます。
「theoretical」は「理論に基づいた」、「theorem」は「原理」や「定理」といった意味です。またそれらの英語表現を用いた例文としては、次のようなものが考えられます。
- It’s difficult for me to understand the theory.
(私にとってその理論を理解するのは難しい。) - There are lots of theories in this book.
(この本には多くの学説が載っている。) - I was impressed by my teacher’s theory .
(先生の理論には感銘を受けた。)
- I think that this is theoretical opinion.
(これは理論に基づいた意見だと思う。) - He likes theoretical physics.
(彼は理論物理学が好きだ。) - Her theoretical thinking is very interesting.
(彼女の理論に基づいた考えはとても面白い。)
- The Pythagorean theorem is famous all over the world.
(ピタゴラスの定理は世界中で有名だ。) - Almost students learn various theorems.
(ほとんどの学生は様々な定理を学ぶ。) - I must memorize this theorem to pass the exam.
(その試験に合格するためにこの定理を暗記しなければならない。)
まとめ この記事のおさらい
- 「セオリー」は「理論」や「学説」、「定石」や「持論」といった意味がある
- 「セオリー」の語源は英単語の「theory」をカタカナ語にしたもの
- 「セオリー」の言い換え表現としては「理論」や「学説」、「定石」や「持論」といったものが考えられる
- 「セオリー」の対義語は「実践」や「応用」などが挙げられる
- 「セオリー」の英語表現は語源にもなっている英単語の「theory」