準社員として契約する際に注意すべきポイントと正社員との違い

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「準社員」は名称に「社員」と付いているため、実際に社員とどのような点が同じで、どのような点が異なるのかという疑問が生じることでしょう。

この記事では以下の点について解説します。

  • 「準社員」という言葉の意味
  • 準社員は、雇用期間・給与体系・業務内容などに関してどのような規定があるのか
  • 準社員がどのような雇用形態であるのか
  • 準社員契約をする際にはどのような点に気を付けなければいけないのか

準社員って何だろう?

準社員とは、正社員に準ずる扱いではありますが、「非正社員」であり、労働基準法による法律的な規定は特に定められていません。

そのため、雇用形態については会社によって異なり、一般的には「正規社員」と「非正規社員」の間として扱われています。雇用期間に定めがある場合がほとんどですが、比較的長期の雇用であることがほとんどです。

給料については、ほとんどの企業で時給制や日給制ですが、ほぼ正社員と同等に扱う企業の場合は、固定給として支給されることも珍しくありません。

企業によっては契約社員と差がないこともある

企業によっては「準社員=契約社員」と全く同じように扱っている会社も多いです。契約社員とは別々に扱われている企業でも、仕事内容や待遇など、そこまで明確な違いはありません。

準社員の契約で注意すべきポイント

準社員として契約するときに気を付けておくべきポイントを、正社員の待遇と比較して解説いたします。

「準社員」と名前に社員がついているとしても、正規の社員でないことなどを押さえ、注意して契約する必要があるでしょう。

準社員の契約で注意すべきポイント1:雇用期間

派遣社員や契約社員のように、雇用期間が明確には決まっていないことが多いです。

比較的長期の雇用ではありますが、正社員のように期間の定めがない雇用とは異なります。そのため、会社の業績が悪化したり、仕事の成果が残せなかったりした場合、契約が更新されないことも多いです。

1.有期労働契約(期間の定めのある労働契約)について、一定の事業の完了に必要な期間を定めるものの他は、原則として契約期間の上限は3年となっています。

2.なお、次に該当する場合には、契約期間の上限を5年とすることが可能です。
◦専門的な知識、技術または経験であって、高度のものとして厚生労働大臣が定める次の基準に該当する者が、そのような専門的知識等を必要とする業務に就く場合
◦満60歳以上の者が労働契約を締結する場合

引用元:労働基準法・労働基準監督省ガイド

一度の契約についてはどんなに長くても3年、特別な条件が揃うと5年の雇用が可能となります。

その契約の更新があるかどうかについても、企業側は発行する雇用契約書などに明記しておく義務があります。契約の際に注意して確認する必要があるでしょう。

準社員の契約で注意すべきポイント2:給与体系

給与形態においても会社によって違いが見られるため、正社員とはどのような違いがあるのかを注意して確認する必要があります。

違いがある可能性が高い内容としては、昇給やボーナスがあるかどうか、福利厚生が整えられているかどうか、などです。

準社員は時給・日給制であることが多いため、アルバイトやパートのように働いた分だけ収入を得る形になります。正社員だと固定給であるため、定められた労働日数・労働時間がありその分働いて固定の賃金が貰えます。

しかし、準社員においては働いた分の支給であるため、労働時間がカットされたり、会社の業績が悪化した場合にはリストラの対象になる可能性が高いです。昇給やボーナス・有給休暇などについても正社員よりも少額、もしくは貰えない場合も多いです。

福利厚生については、法律に伴う条件を満たしていれば適応されます。適応内容としては、育児・介護休暇、雇用保険、健康保険、厚生年金などが挙げられます。正社員と比べて労働時間が安定せずに少なくなる傾向があるため、適応範囲は狭まる場合がほとんどです。

しかし、例えば健康保険については「正社員の4分の3以上の労働時間の場合には適応」などと条件があるため、ほぼ正社員と同等の労働時間で働いている場合は適応される可能性が高いです。

準社員の契約で注意すべきポイント3:業務内容に違いがあるか

どんな雇用形態でも責任を持って働くのは当然ですが、一般的に準社員より正社員の方が責任の重い仕事を任される傾向にあります。あくまで、準社員は正社員のサポートをする役割として勤務する企業が多いのです。

そのため、自分で新しいことを始めたり、キャリアを積みたい場合には少々不向きの雇用形態だといえます。

転勤については、最初に勤務地を定めて契約した場合は、同じ勤務地で働くことができます。雇用契約書に「転勤不可」「勤務地」などといった内容が書かれていれば、転勤の心配はないでしょう。

転勤が多い業種などは、正社員として働いてしまうと度々転勤を命じられてしまうため、同じ勤務地でコツコツ働きたい方にはおすすめです。

準社員の契約で注意すべきポイント4:正社員登用制度があるか

期間限定の求人の場合は、定められた期間が過ぎると雇用終了になる場合がほとんどです。

しかし、雇用契約書に「契約更新の可能性あり」「正社員登用制度あり」と書かれていることがあります。

このように書かれている理由は、正社員として活躍して欲しい有能な人材を見極めるために、まずは準社員として雇用する企業が多いためです。

正社員登用制度を積極的に採用している企業では、最終的には正社員を目指すのもよいでしょう。

準社員の契約で不明確なことは企業に聞く

準社員と正社員を比較して、準社員として注意しなければならない内容を挙げてきましたが、全て会社によって異なる内容のため、しっかり確認してから契約する必要があります。

「雇用契約書」に書かれている内容が全てですが、書かれていない内容でも気になる点がある場合は、契約前に相談することが大切です。

「準社員」の雇用については、法律によって厳密に定められている訳ではなく会社によって様々なためです。

準社員に関するおさらい

準社員に関するおさらいは以下の通りとなります。

  • 雇用期間が定められている「非正規雇用」なので、契約の更新があるかも含めて確認が必要
  • 給与体系は日給・時給制がほとんど、ボーナスはない場合が多く、ある場合でも正社員より大幅に減額している
  • 福利厚生については条件にあてはまれば適応されるが、正社員よりは待遇が悪い傾向にある
  • 責任が重い仕事内容は正社員に任される傾向にあるため、主に正社員のサポートとしての勤務内容を準社員が行なっている

準社員は正社員よりも、雇用期間・給与体系などに制限があります。厳密な決まりが法で定められていないため、契約する前に企業にしっかり確認しておくことが大切でしょう。