「になります」と「となります」——どちらも日常的に耳にする表現ですが、ビジネスシーンでは使い分けを誤ると相手に稚拙な印象を与えてしまうことがあります。本記事では、両者の意味とニュアンスの違いを徹底解説し、場面ごとの正しい使い方・具体的な会話例・英語表現・よくある疑問まで、ひとつひとつ丁寧に紐解いていきます。
「となります」と「になります」って、どちらを使っても同じじゃないの?
実は微妙なニュアンスの差があり、特にフォーマルな場面ではその選択が文章全体の印象を左右します。ひとつずつ確認してみましょう。
「になります」と「となります」の基本的な意味とニュアンス
まず、それぞれの表現が持つ本来の意味を整理しておきましょう。「になります」は助詞「に」+「なります」で構成され、状態・身分・状況が変化することを柔らかく丁寧に伝えます。一方、「となります」は助詞「と」+「なります」の形で、結論や結果を明示的・断定的に示す表現です。
日常会話では両者が混用されがちですが、「となります」のほうが文語的でフォーマルな響きを持ち、書き言葉や公式文書に適しています。逆に「になります」は口語でも自然に馴染み、柔らかいコミュニケーションに向いています。
| 表現 | 基本的な意味 | 文体・印象 | 主な使用シーン |
|---|---|---|---|
| ~になります | 状態・変化を丁寧に説明 | 柔らかい・口語的 | 社内会話・日常メール |
| ~となります | 結果・結論を明示する | 硬め・文語的・断定的 | 公式文書・対外メール・プレゼン |
「になります」=変化・状態説明(柔らかい)、「となります」=結果・結論の提示(フォーマル)と覚えておくと、使い分けがスムーズになります。
場面ごとの使い分け方と注意ポイント
どちらの表現を選ぶべきか迷ったとき、判断の基準になるのは「相手・場面・目的」の3つです。フォーマルさが求められる局面では「となります」、日常的なコミュニケーションでは「になります」が自然です。
結論・決定事項を伝えるとき
会議の議事録や通知文など、決定した事項を明確に伝える場面では「となります」が適切です。断定的なニュアンスが「この件は確定した」という印象を与え、受け手も迷わず情報を受け取れます。
- 「開催日は10月15日となります。」
- 「担当者は田中となります。」
- 「合計金額は¥50,000となります。」
状態・変化を説明するとき
移行・変更・切り替えなど、「これからこうなる」という変化のプロセスを伝える場面には「になります」が自然です。強い断定よりも、説明的・案内的な表現が求められる状況に向いています。
- 「新プランに移行すると、月額料金は¥8,000になります。」
- 「このボタンを押すと、次の画面になります。」
- 「来月から担当が変わり、鈴木になります。」
プレゼン資料・公式文書での使い方
スライドや報告書など、書き言葉として残るものには「となります」を使うと統一感と格調が出ます。箇条書きや見出しでも「となります」に統一することで、文書全体が引き締まります。
- 「本件の対応期限は〇月〇日となります。」(公式文書・推奨)
- 「費用合計は¥200,000となります。」(見積書・推奨)
- 「本件の対応期限は〇月〇日になります。」(公式文書では硬さが不足)
社内コミュニケーションでは「になります」でも問題ありません。ただし顧客・取引先に向けた対外的な文書やメールでは「となります」を優先して使うと、プロフェッショナルな印象を与えられます。
類義語と英語表現の対応
「になります」「となります」に近い日本語表現や、英語に置き換えたときの対応も押さえておくと、表現の幅が広がります。
類義語・言い換え表現
- ~でございます
-
最も格式が高い言い換え。「合計は¥50,000でございます。」のように、丁寧さをさらに強調したい場面に使用。
- ~です
-
シンプルで明快。「担当は田中です。」のように、丁寧さを保ちつつ簡潔に伝えたい場合に有効。
- ~となっております
-
「となります」をより謙虚に表現した形。すでに決定・確定している事実を伝えるときに用いる。
英語での対応表現
日本語の「となります」「になります」は、英語ではいくつかの表現に対応します。状況に応じて使い分けましょう。
| 日本語 | 英語表現 | 例文 |
|---|---|---|
| ~となります(結論・事実) | will be ~ | The meeting will be on Wednesday. |
| ~になります(変化) | become ~ | The fee will become ¥8,000 per month. |
| ~となります(状態) | is ~ / are ~ | The total amount is ¥50,000. |
「will be」は近い未来の確定事項を示す際に幅広く使え、日本語の「となります」に最も近い英語表現です。変化のプロセスを強調したい場合は「become」を使うと自然です。
ビジネスシーンでの実践的な会話例
理論を理解したら、実際の会話・メールでどのように使われるかを確認しましょう。3つのシーンを通じて、使い分けの感覚を身につけてください。
会話例①:会議日程の確認
A部長:「来週の定例会議は何曜日になりますか?」
B課長:「水曜日となります。ご都合いかがでしょうか?」
会話例②:顧客向けの見積もり提示
営業(修正前):「お見積もり金額になりますと、合計で¥350,000です。」
営業(修正後):「お見積もり金額は¥350,000となります。ご不明な点はございますか?」
会話例③:新サービスの料金説明
Cマネージャー:「新プランに移行すると、月額料金は¥8,000になります。」
Dリーダー:「月額¥8,000となりますので、予算内ですね。」
「新しいことを説明する・変化を案内する」→ になります。「結論・確定事項を提示する」→ となります。この2軸を意識するだけで、自然な使い分けができるようになります。
「となります」「になります」の正しい使い方:ステップで学ぶ
使い分けを実践に落とし込むための手順を、ステップ形式でまとめます。メールや資料を作成する際に、ぜひ参考にしてください。
「これは変化・状態の説明か?」「それとも結論・確定事項の提示か?」を最初に判断します。
社内向けか、対外的な文書か。口頭か、書面かを確認します。対外的・書面なら「となります」を優先します。
変化説明なら「になります」、結論提示なら「となります」を選び、前後の文脈にも合わせて調整します。
一通のメール・一枚の資料の中で、「となります」と「になります」が混在していないか見直します。公式文書は「となります」で統一するのが理想です。
まとめ:ビジネスコミュニケーションを格上げする使い分け
「になります」と「となります」は、どちらも誤りではありません。しかし、適切に使い分けることで、文章の格調と明確さが大きく変わります。特にビジネスの場では、言葉の選択ひとつが相手への信頼感にも影響します。
- 「になります」=状態・変化の説明に適した柔らかい表現
- 「となります」=結論・確定事項の提示に適したフォーマルな表現
- 対外的な文書・メールでは「となります」を優先すると印象が上がる
- プレゼン資料や公式文書では「となります」に統一すると格調が出る
- 英語では「will be」が「となります」に最も近い対応表現
「お見積もり金額になりますと」のように、「になりますと」を接続詞的に使うのは不自然な表現です。「金額は〇〇となります」とシンプルに言い切るほうが、相手に伝わりやすく丁寧です。
よくある質問(FAQ)
- 「になります」と「となります」はどちらが正しい日本語ですか?
-
どちらも正しい日本語です。「になります」は変化や状態の説明に、「となります」は結論や確定事項の提示に使うのが適切とされています。場面や相手に応じて使い分けることが大切です。
- 「になります」と「になりますか?」の違いは何ですか?
-
「~になります」は話し手が事実や状態を説明・提示する表現です。一方、「~になりますか?」は相手に確認や問い合わせをする疑問形で、「何曜日になりますか?」のように相手の意向や状況を尋ねる際に使います。
- メールの件名に使うならどちらが適切ですか?
-
件名ではフォーマル感を重視し「となります」を使うほうが適切です。件名は短く明確である必要があるため、断定的なニュアンスを持つ「となります」が誤読なく伝わりやすくなります。
- 「~になりますと」で文を終えてもよいですか?
-
「~になりますと」は接続表現のため、文の末尾で使うと完結感が不足します。「~になりますと、〇〇いたします。」のように後に続けるか、「~となります。」と言い切る形に変えると自然で丁寧な文章になります。
- 英語で「となります」に近い表現は何ですか?
-
英語では「will be ~」が「となります」に最も近い表現です。たとえば「The meeting will be on Wednesday.(会議は水曜日となります。)」のように使います。変化を強調する場合は「become」が「になります」に対応します。

