取引先への確認メールや会議での発言で、「この言い方で失礼にならないだろうか」と手が止まった経験はないでしょうか。「どうしますか」は日常会話ではよく使う一言ですが、そのままビジネスの場に持ち込むとカジュアルすぎる印象を与えてしまいます。
この記事では、「どうしますか」を敬語に変換する具体的な表現と、相手の立場や場面ごとの使い分け方を整理します。メールや会議、顧客対応での例文も紹介するので、敬語の選択に迷ったときの判断基準として活用してください。
「どうしますか」の基本的な意味
「どうしますか」は、相手に行動や選択肢、意見などを尋ねる疑問文です。何らかの反応や決断を促す目的で使われることが多く、日常会話では友人や家族との間でごく自然に使われます。一方、ビジネスの場ではこの言い回しのままだと敬意が不足し、相手によっては失礼だと受け取られかねません。
「どうしますか」は便利な表現ですが、目上の人には敬語への言い換えが必須です。
日常会話での「どうしますか」の使い方
友人や家族との会話では、「これどうしますか」ではなく「これどうする?」といった砕けた言い方が自然です。日常会話では相手との距離が近いため、敬語を意識せずに済む場面がほとんどでしょう。ただし相手が初対面の人や年上の知人であれば、「どうしますか」を使うだけでも十分丁寧な印象になります。
ビジネスシーンでの「どうしますか」の使い方
ビジネスの場では、相手が上司や顧客であるほど敬語のレベルを上げる必要があります。例えば、「どうなさいますか」「いかがいたしましょうか」といった尊敬語や謙譲語を使うことで、相手への敬意がきちんと伝わります。提案や選択肢を示す際には「いかがでしょうか」も適した言い回しです。
「どうしますか」の敬語表現とその使い分け
「どうしますか」を敬語に言い換える方法はひとつではありません。「どうなさいますか」「どうされますか」「いかがいたしましょうか」がよく使われますが、それぞれ文法上の種類や、誰の行動を尋ねているかが異なります。誰が動くのかを起点に選ぶと、使い分けに迷いにくくなります。
| 敬語表現 | 種類 | 誰の行動を尋ねるか | 使う場面の例 |
|---|---|---|---|
| どうなさいますか | 尊敬語 | 相手の行動・決定 | 上司や顧客に判断を仰ぐとき |
| どうされますか | 尊敬語 | 相手の行動・選択 | 相手の今後の予定や選択を尋ねるとき |
| いかがいたしましょうか | 謙譲語 | 自分の行動 | 自分が対応する内容の確認を取るとき |
この3つの表現は似ているようで、視点がまったく異なります。相手に決めてもらいたいときは「どうなさいますか」、自分がどう動くか相手に確認したいときは「いかがいたしましょうか」と覚えておくと、とっさの場面でも判断しやすくなるでしょう。
「どうなさいますか」:尊敬語の使用
「どうなさいますか」は、相手に対して尊敬を表す際に使用する尊敬語です。上司やお客様、目上の人が何かを決める場面や、意見を尋ねる場面で用いると適切です。
- 会議の日程について、お客様、いかがなさいますか。
- 本日のご注文はどうなさいますか。
「どうされますか」:尊敬語の別の形
「どうされますか」も「どうなさいますか」と同じ尊敬語ですが、相手の行動や選択そのものに焦点を当てた表現です。特に、相手の今後の動きや意思決定について尋ねる際に向いています。
「いかがいたしましょうか」:提案や選択肢を尋ねる際の表現
「いかがいたしましょうか」は、自分が行うべき行動や提案について、相手の意見を尋ねる際に用いる表現です。相手への敬意を示しながら、積極的に意見や反応を求める場面で役立ちます。
- 資料の送付方法は、メールと郵送のどちらがよろしいでしょうか。いかがいたしましょうか。
- ご返金の手続きは、いかがいたしましょうか。
ビジネスシーンでの「どうしますか」の応用
敬語の型を覚えても、実際の場面でどう使うかが分からなければ意味がありません。ここでは、ビジネスメール、会議やプレゼンテーション、顧客対応や交渉という3つの場面に分けて、具体的な言い回しを見ていきます。場面が変われば、同じ「どうしますか」でも適した表現は変わってきます。
ビジネスメールでの敬語表現
ビジネスメールは書面でのやり取りが基本になるため、口語的な表現をそのまま使うと軽い印象になりがちです。「どうなさいますか」「いかがいたしましょうか」であれば、相手の決定や意見を尊重しつつ、返信を促す文面として自然に収まります。メールでは相手の役職や関係性を踏まえ、敬語の強さを調整することが大切です。
例えば、初めて連絡する取引先であれば「いかがいたしましょうか」を軸にした丁寧な文面が安心です。社内の関係が近い上司であれば、「どうなさいますか」程度でも十分丁寧に伝わります。
会議やプレゼンテーションでの使用例
会議やプレゼンテーションで提案や意見を求めるときは、「どうなさいますか」や「いかがでしょうか」を使うと、相手の意見を尊重する姿勢が伝わります。決定権を持つ上司やクライアントに対して尊敬語を使うと、話し手のプロフェッショナルな印象も強まります。
会議で決定を仰ぐときと、意見をもらいたいときで言い方は変えるべきですか。
変えた方がよいでしょう。決定を仰ぐなら「どうなさいますか」、意見を募るなら「いかがでしょうか」が自然です。前者は相手に決めてもらう場面、後者は相手の反応を広く聞きたい場面に向いています。
顧客対応や交渉での敬語表現
顧客対応や交渉の場面では、「どうされますか」「いかがいたしましょうか」を使うことで、顧客の意見や希望を重視する態度が伝わります。これは顧客との信頼関係を築くうえで欠かせない要素です。選択肢を提示する際には、顧客が自分で選べるように尋ねる姿勢がポイントになります。
「本日のお支払いはどうされますか」「キャンセルの手続きはいかがいたしましょうか」のように、決める側と対応する側を意識して言葉を選ぶと、相手に不快感を与えずに済みます。
「どうしますか」の敬語表現での注意点
敬語は使えば使うほど丁寧になるわけではありません。相手の地位や立場に合わせた表現の選び方、誤解を招かない言い回し、そして過剰な敬語の避け方という3つの視点から、実際に注意したいポイントを見ていきます。
相手の地位や立場を考慮した表現の選び方
敬語のレベルは、相手の地位や立場に応じて調整する必要があります。上司や顧客には高いレベルの敬語を使い、同僚や部下にはやや柔らかい敬語を選ぶのが自然です。全員に同じ敬語を使うと、かえって距離感が不自然になる場合もあります。
誤解を招かない表現の選び方
敬語を使う際は、相手に誤解を与えない明確な表現を心がけることが重要です。特に意思決定を求める場合は、相手が選択肢を正確に理解できる言い回しを選ぶべきでしょう。曖昧な敬語表現は、確認のやり直しを招き、結果として相手の手間を増やしてしまいます。
過剰な敬語の避け方
敬語を過剰に使うと、かえってコミュニケーションを妨げることがあります。相手との関係性や文脈を考え、自然で適切な敬語を選ぶことが大切です。
- お客様、どうなさられますでしょうか。(二重敬語で不自然)
- いかがいたされましょうか。(謙譲語と尊敬語の混在)
「なさる」に「れる」を重ねる二重敬語は誤用です。正しくは「どうなさいますか」「どうされますか」のいずれか一方を使います。
まとめ
「どうしますか」の敬語表現は、ビジネスコミュニケーションの土台になる言い回しです。相手に敬意を示しつつ、意見や決断をスムーズに求めるためには、場面に応じた使い分けが欠かせません。
相手に決めてもらうときは「どうなさいますか」、自分の行動を確認するときは「いかがいたしましょうか」を軸に選ぶと、迷いが減ります。適切な敬語を使うことは、プロフェッショナルな印象と良好な関係づくりにつながります。
よくある質問
- 「どうしますか」と「いかがしますか」はどちらが正しい敬語ですか。
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「いかがしますか」も丁寧な言い回しですが、「する」の主体があいまいになりやすい表現です。相手の行動を尋ねるなら「どうなさいますか」、自分の対応を確認するなら「いかがいたしましょうか」と、主語を明確にした表現を使う方が誤解を招きません。
- 部下に対して「どうしますか」を使うのは失礼になりますか。
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部下や後輩に対しては「どうしますか」をそのまま使っても問題ないケースが多いです。ただし社歴が浅い部下や、社外の人が同席する場面では「どうされますか」程度の敬語を使うと、丁寧さと距離感のバランスが取りやすくなります。
- 「どうなさいますか」と「どうされますか」の違いは何ですか。
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どちらも尊敬語ですが、「どうなさいますか」はやや格式が高く、目上の人への決定確認に向いています。「どうされますか」は相手の行動や選択そのものに焦点を当てた言い方で、今後の予定や選択を尋ねる場面に適しています。
- 「どうなさられますか」という言い方は正しいですか。
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誤用です。「なさる」自体がすでに尊敬語のため、そこに「れる」を重ねると二重敬語になります。正しくは「どうなさいますか」または「どうされますか」のいずれか一方を使います。

