給料形態で、歩合給、固定給+歩合給制度、完全歩合制といった表記があります。給与形態は、仕事を選ぶ際に考えるべきことです。ここでは、歩合制、固定給+歩合給制度、完全歩合制の概要、導入が多い業界、歩合制のメリットや最低賃金との兼ね合いについて説明します。

歩合制の概要

歩合制は、変動給制、または成果報酬型ともいわれ、業績や成果によって給料の金額が決まる制度のことをいいます。
当然、いい成績が出れば給料が上がり、成績や成果が良くなければ給料は下がります。

ちなみに、従来の給与形態は、固定給制度が一般的です。固定給には、直近の個人の成績や成果は反映されません。その代わりに、一定時間の勤務で定額の賃金が支払われます。そして成績や成果は、定期的な人事考課などで評価され、年に1、2回の昇給に結びつきます。

固定給+歩合給の給与形態

固定給+歩合給は、固定給制と歩合制を組み合わせになります。
給与の一部は固定給として、成績や成果に関係なく支払われ、残りの歩合給は、成果に応じて上乗せされる形態です。固定給分は毎月保証された給与ですが、一般的には低い設定がされていることがほとんどです。

完全歩合制(またはフルコミッション制)の給与形態

給与のすべてが歩合給なのが、完全歩合制といいます。
自分の成績や成果、つまり実力が給与に反映される、ある意味では厳しい給与形態ともいえます。しかし、実力に自信がある人や、やりがいを見える形で評価されたい人には、高給もありえる給与形態でしょう。

歩合制の採用が多い業界

歩合制は、成績や成果がはっきりした形で現れる業界でないと、採用が難しい給与形態です。一般的には、以下のような業界でよくみられます。

不動産・美容・保険・その他販売営業系

営業職は、数字での成績がはっきりと表れるので、歩合制が多い業界と職種です。
不動産営業は、一度の契約の金額が大きいので、歩合制を採用しているところが多いといえます。保険営業は、不動産ほどの大きな契約ではないものの、数を稼ぐことも可能なので、歩合制を導入しています。美容関係の営業、たとえば化粧品や健康食品なども歩合制で給与上乗せやフルコミッションが多い業界です。

フリーランスのクリエイター

フリーランスのクリエイターは、一般的には契約をすることが多いですが、一部、歩合制の契約を結ぶケースがあります。
案件によっては、長期間の歩合制契約になるので、マイルストーン制もあるようです。

マイルストーンとは

歩合制のメリット

不安定な収入になるデメリットを強く感じてしまう歩合制ですが、働く側にとって、下記のようなメリットがあります。

給料面で高給が狙える

歩合制のメリットは、成績や成果が出た分だけ給料が上がる点で高給も夢ではないでしょう。
頑張りがすぐに給与として、反映されます。固定給は、がんばりが反映されるまでには時間がかかりますし、一般的には昇給も穏やかにしかないところが歩合制との違いです。
これは、働く人にとっては、やりがいややる気につながる点でもあるでしょう。

労働時間が比較的自由

完全歩合制の場合には、労働時間の管理は本人に任され、決まった労働時間もほとんど取り決めがないのが一般的です。
固定給+歩合制の場合には、なにかしらの取り決めがあることも多いですが、一般的な会社員よりは時間的に自由がきくでしょう。
固定給なら決まった拘束時間がありますが、比較的自由度が高いのは歩合制のメリットです。

自分にあわせた働き方ができる

歩合制は成果がすぐに反映されるだけに、仕事に対するモチベーションががらりとかわります。
性格によっては、やる気だけでなく、仕事の熱意も違ってくるかも知れません。

また、歩合制の成果で高額な給与をもらうと、それが自信になり向上心がアップ、どんどん経験を積んで能力を伸ばしていく人もいます。そこで身につけた前向きな姿勢は、どの業界にも通じるプロフェッショナルな素質になるでしょう。

歩合制にも最低賃金がある

たとえ歩合制であっても、雇用契約を結んだら労働基準法が適用されます。
「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」と労働基準法であります。
固定給+歩合の場合には、固定給は低く抑えられている場合がほとんどです。明細の固定給額があまりにも少ないと、労働基準法としてはグレーといえます。

雇用と業務委託は違う

完全歩合制を取っている仕事では、雇用契約ではなく、業務委託として、企業と個人事業主間の契約で請け負うことが多いでしょう。この場合には、労働基準法は適用されません。
完全歩合制でありながら、企業との契約で正社員・契約社員での雇用契約は違法になるのです。

企業によっては、完全歩合制なのに、労働時間を定めていることが稀にあります。これは企業が、完全歩合制の意味合いや雇用契約について、完全に理解をしていない状態にあると思われます。企業側と雇用契約の内容の擦り合わせ、場合によっては給与形態を変更してもらわないといけません。
完全歩合制で仕事をする場合には、条件は十分に精査しましょう。

歩合制のまとめ

歩合制は、変動給制、または成果報酬型ともいわれ、業績や成果によって給料の金額が決まる制度のことをいいます。固定給+歩合制は、固定給制と歩合制を組み合わせたもので、完全歩合制(またはフルコミッション制)は、給与のすべてが歩合給のことをさします。
歩合制を採用している業界は、結果がはっきりわかる業界が多く、不動産・美容・保険・その他販売営業系やフリーランスのクリエイターなどが挙げられます。
歩合制のメリットは、成績や成果がすぐに反映されて高給も夢ではない、労働時間面では管理は本人に任されるので、自由がきくでしょう。また、仕事に対するやる気や熱意などモチベーションがアップしやすい環境になります。

歩合制でも雇用契約を結べば、労働基準法が適用になり、最低賃金を守らなければいけません。完全歩合制では、業務委託であれば最低賃金は関係ありませんが、雇用契約なら適用になり、完全歩合制は違法になってしまいます。