テレビ番組やニュースなどで「脱サラ」という言葉を耳にする機会が増えました。会社員として働いているならば、一度は会社や上司に縛られない仕事スタイルに憧れを抱くこともあるでしょう。しかし、会社を辞めて独立する事は決して簡単なことではありません。

この記事では「脱サラ」について解説していきます。一度会社を辞めればもう元には戻れません。失敗する前に脱サラについてのリスクや心構え、必要な準備などの知識をしっかりと確認しておきましょう。

脱サラの意味

脱サラとは、脱サラリーマンの意味です。サラリーマンを辞め、独実して仕事を始める事を指します。
公務員になる場合も「脱サラして公務員に・・・」といった使い方をする事があるようですが、ここでは前者について扱います。

脱サラの成功率

企業生存率をみると、会社創設から3年で88%の企業が残り5年後に生き残っているのは81%未満という結果が出ています。

これは他の国と比較しても日本は高い方といえます。
脱サラから起業を考える上で後押しとなる数字といえるでしょう。

しかし、日本は他の国と比べ、起業生存率は高いのですが、起業までの意識、起業関心者が圧倒的に少なく、実際に起業する人も少ないのが現状です。

※上記、企業生存率は【経済産業省 2017年中小企業白書 P117】に記載されている内容を参考にしたものです。

脱サラの心構え3つ

準備をしっかりとする

簡単に「脱サラ」と言っても、準備不足では失敗するリスクが大きくなります。何のビジョンも準備も無い脱サラは、収入の予定も無く貯金を減らしていくだけで利益になりません。

まずはサラリーマンでいる間に準備をしっかり行う事が大切です。脱サラの準備のポイントは以下の通りとなります。

脱サラの準備ポイント

・勉強会などに参加し自分の興味のある事を知る
・人脈を作る
・サラリーマン時代からビジネスの基盤を作り小さく始める

焦らない

会社を辞めてすぐにでも独立したいと考えがちですが、自分の力でビジネスを回すだけの準備ができているかもう一度よく考えてみましょう。

自分が興味がある分野で成功できる「スキル」や「知識」は十分蓄えてあるか。自分が頼れる人脈や、同じ分野で脱サラに成功している先輩や師匠に師事を仰ぐことが出来るか、その上で準備が全て整っているか。

少しでも「準備不足」や「不安」を感じるようであれば、まだ脱サラのタイミングではありません。脱サラに焦りは禁物です。

最悪の事態を想定する

脱サラをするにあたり大切なことは「最悪の事態を想定すること」です。

もし、結婚していて家庭がある・子供が居る場合、脱サラに失敗すれば家族全員が路頭に迷う事になります。貯金が潤沢に有り脱サラに踏み切ったとしても、収入が無ければいつか貯金は尽き果ててしまうでしょう。

最悪の事態を想定し、脱サラをするまでの準備は慎重に進めなくてはいけません。

リスクの少ない脱サラ

家業の承継

もし、実家が自営業であった場合、家業を継ぐというのが脱サラをする上でもリスクが少なく手を付けやすい方法でしょう。

何より、新規に事業を起こすわけではない為、初期投資の必要がありません。また、販路が既に確保されていますので、ゼロから営業を掛けたり市場を開拓するといった労力が削減されます。

フランチャイジー経営

40代、50代での脱サラを考えるなら、フランチャイズビジネスが現実的でしょう。

コンビニエンスストア、飲食店、修理・衛生関係学習塾など、さまざまな業態がありますが、開業に必要な初期費用が用意でき、家族の協力を得られれば基本的に誰でもオーナーになる事が可能です。

開業資金は総額300万円~1000万円ほどが相場のようです。

フリーランス

サラリーマン時代に培った特技や知識を生かしてフリーランスとして活躍するという方法もあります。

例えば、今までサラリーマンとしてIT企業で働いていた方などは、フリーランスのITエンジニアとして起業する事も可能でしょう。プログラマーやSEといった職種であれば、今までの自分の経験を生かして脱サラ後すぐに働き始める事ができます。

しかし、技術者や専門職に就く人の多くが苦手とする営業を自分でこなさなくてはならない為、独立する前に人脈を広げておく必要があります。

インターネットを利用したビジネス

IT関係の知識や技術を持っていなくても、インターネットを利用してビジネスを行う事は可能です。

・WEBライター
・ネットショップ運営
・ブログ運営
・アフィリエイト

これらは専門知識が無くても、パソコンさえあれば簡単に始める事が出来るため、まずは一人で小さくビジネスを始める際の足掛かりにするのも良いでしょう。

しかし、これらのビジネスは成果が出るまでに時間が掛かるため、根気強く続けるか、サラリーマン時代から準備を始めて置き、ある程度収益を確保できるようになってから脱サラする事をお勧めします。

脱サラ農業が今人気

2012年から、「青年就農給付金」がスタートした事により、20代30代の若者が脱サラして田舎で農業を始めるケースが増えています。

「青年就農給付金」とは、農林水産省が青年の就農意欲の喚起と就農後の生活の安定を目的に作った制度の事です。経営が不安定な農業初心者が経営が安定するまでの最長5年間、年間最大150万円の給付金を受けられるという制度です。

ただし、研修から1年以内に就農する事や、最低5年間は農業を続ける事など様々な制約があります。しかし、資金が厳しい20代30代の世代にとって年間150万円の給付金が受けられるのは非常に有難い制度だと言えるでしょう。

脱サラ農業が向いている人

コミュニケーション能力の高さ

脱サラ農業では、コミュニケーション能力が高い人ほど成功しやすいという傾向があります。

農業は一人で黙々と畑を耕すだけでは成功しません。近隣農家から農地や農具を借りたり、タネや飼料を譲ってもらったり、販路を教えてもらったりと、コミュニケーションを大切にする事で得られる情報や技術がたくさんあります。

脱サラ農業は、コミュニケーションが得意で人から好かれやすい人の方が向いていると言えるでしょう

粘り強さ

また、脱サラ農業をするならば何よりも大切な事は粘り強さです。脱サラ農業に身を投じるにあたり、就農研修を受ける機会がやってきます。しかし、その研修を最後まで修了することなく農業から離れていく人が多いのも事実です。

農業だけに限りませんが脱サラをするという事は、会社や上司が居ない代わりにすべて自己責任で判断しなくてはなりません。農業であれば、不作の年や疫病に農作物がやられてしまうという失敗もあります。

そんな時に、めげずに次につながる対策を打ち出せるか、諦めずにやり続ける粘り強さがあるかが、成功を決める分かれ目になります。

農業する“場所”の選択

最後に、脱サラ農業を選択するにあたり、自分がどこで農業を行うかの場所の選択が重要になります。

農業と一口に行っても、地域によって決まりごとや人付き合いの大変さが違います。自分の思い描く農業スタイルをしっかりと具体化し、より多くの情報を集めて、慎重に場所を選択する事で、脱サラ農業の成功率は格段にアップするでしょう。

脱サラのおさらい

脱サラをする場合は、決して早合点せず以下のポイントを押さえてしっかりと下準備を行いましょう。

・企業しても10年後に生き残るのは10%以下
・下準備をしっかりする事
・焦らないこと
・最悪の事態を想定して動く事
・脱サラする場合は、サラリーマン時代に基盤を整えておく事