毎年決まった時期になると、勤務地や市町村から渡される書類が「住民税決定通知書」ですが、具体的な用途やどんな書類かは意外と知られていません。

ここでは、住民税決定通知書の記載内容の見方や、ふるさと納税をした時の確認、紛失した時の再発行の方法について解説していきます。

住民税決定通知書とは

住民税決定通知書とは、住民税が何に課税されて、いくらになったのかを納税者に通知する為の書類です。また、住民税決定通知書は住んでいる自治体によって名称が異なり「市民税県民税特別徴収税額変更(決定)通知書」などになっている事が多いです。

住民税決定通知書は、実際にどのくらいの住民税が、どのような控除を受けて支払われたのかが確認できるだけでなく、無料で発行される収入を証明する書類のひとつになります。

住宅ローンの審査を受ける時や、世帯収入を証明する必要がある時に使用できる書類となります。発行されたら、何かの機会で使う事があるかもしれませんので、念の為保管しておきましょう。

住民税決定通知書の内容

所得欄

本業、副業合わせた収入と所得金額を記載しています。

給与収入…控除前の純粋な給与金額の合計
給与所得…給与収入額から、税金などの控除額を引いたものの合計
主たる給与以外の合算所得区分…副業など、本業以外での収入があった時に使用される欄
総所得金額①…給与所得と、その他の取得の合計金額

所得控除欄

控除対象となる金額合計を記載している欄です。所得控除内容については、通知書の裏面に記載されている事が多いです。以下のような種類があります。

雑損…雑損控除額
医療費…医療費控除額
社会保険料…社会保険料控除額
小規模企業共済…小規模企業共済等掛金控除額
生命保険料…生命保険料控除額
地震保険料…地震保険料控除額
障・寡・勤…障害者控除・寡婦控除・寡夫控除・勤労学生控除額
配偶者…配偶者控除額
配偶者特別…配偶者特別控除額
扶養…扶養控除額
基礎…基礎控除額
所得控除合計②…所得控除額の合計金額

課税標準欄

この欄に記入された金額が、住民税の税額計算の基本となる金額です。

総所得③…総所得金額①から所得控除合計②を引いた金額

以下の所得は「分離課税」といい、特別な税額計算によって住民税が算出されます。

山林所得…山林(立木)の伐採又は譲渡による所得
株式等の譲渡…株式等の有価証券の譲渡による所得
分離短期譲渡…土地及び土地の上に存する権利、建物、建物の附属設備、構築物の譲渡による所得(譲渡した年の1月1日現在で、5年以下保有)
分離長期譲渡…土地及び土地の上に存する権利、建物、その他付帯設備、構築物の譲渡による所得(譲渡した年の1月1日現在で、5年超保有)
上場株式等の配当…上場株式等に係る配当所得
先物取引…その決済が差金等決済である先物取引による所得

人的控除等の内訳(該当時「*」又は人数)

扶養親族該当区分
控配…控除対象配偶者
老配…老人控除対象配偶者
特定…特定扶養親族の人数
同老…同居老親の人数
老人…老人扶養親族の人数
16歳未満…16歳未満扶養親族の人数
同障…同居特別障害者の人数
特障…特別障害者の人数
他障…普通障害者の人数
本人該当区分
未成年者…未成年者
特障…特別障害者
他障…普通障害者
寡婦…寡婦
特寡…特定寡婦
寡夫…寡夫
勤労学生…勤労学生
繰越損失…繰越損失がある場合

(摘要)欄

税額変更等の事由、充当額、住宅借入金等特別控除額などが表示されます。

税額

税額控除前所得割額④…課税所得金額に税率を乗じて計算します。
税額控除額⑤…調整控除、配当控除、住宅借入金等特別控除、寄附金税額控除、外国税額控除、所得割の調整措置、配当割額又は株式等譲渡所得割額の控除の合計額
所得割額⑥…税額控除前所得割額④-税額控除額⑤
均等割額⑦…市民税・県民税(自治体によって異なる)
特別徴収税額⑧…所得割額⑥+均等割額⑦
控除不足額⑨…所得割額から控除することができなかった配当割額又は株式等譲渡所得割額の控除の額
既充当額⑩…控除不足額⑨のうち、特別徴収税額⑧に充当した額
既納付額⑪…既に納付された(されるべき)額
差引納付額(⑧-⑪-⑨,⑩)…給与から差し引かれる税額
変更前税額⑫…税額変更等があった場合の、変更前税額
増減額(⑧-⑫)…税額変更等があった場合の増減した税額
変更月…税額変更があった場合の変更月

渡される時期や場所について

住民税の支払い方法は、会社に勤務している人が会社を通じて住民税を支払う「特別徴収」と、自営業者などが自分自身で住民税を支払う「普通徴収」があります。

住民税は、前年度の所得金額に応じて金額が決定し、徴収は毎年6月ごろから始まります。その為、特別徴収の場合でも普通徴収の場合でも、だいたい5月から6月ごろに住民税決定通知書が納税者に渡されます。

特別徴収の場合には、本人に代わって住民税を支払っている所から、つまり会社に勤務している人なら勤務先の会社から渡されます。普通徴収の場合には、住民税の納付書と一緒に直接自治体から住民税決定通知書が送付されてきます。

住民税決定通知書でふるさと納税の控除金額の確認方法

ふるさと納税をした後、きちんと寄付した金額が税金から控除されているのかも、住民税決定通知書で確認できます。

例:ふるさと納税としてある自治体に2万円寄付した場合
2万円―自己負担額2千円=1万8千円が控除金額

住民税決定通知書の「税額」欄にある、県民税・市民税の「税額控除額」を見て、県民税と市民税の税額控除額を足し、合計を出します。

県民税・市民税「税率控除額」の合計―調整控除(基礎控除や配偶者控除など)=1万8千円になれば、きちんとふるさと納税分の控除を受けている事になります。また、調整控除額は、ふるさと納税を行っていない年の住民税決定通知書の、同じく県民税・市民税の「税額控除額」を見れば分かります。

住民税決定通知書を失くした場合の再発行の手続き

住民税決定通知書は、収入を証明する書類としても使用できますので、住宅ローン申請や、子供を保育所に入所させたい時などにも使用します。

もしも、住民税決定通知書を紛失してしまった時には、会社に控えがないか確認します。会社によっては、控えを取っておいて再発行の手続きを受けられる事がありますが、原本ではなく控えになりますので、住宅ローンなどの審査で使う時には、控えでも対応可能かどうか確認しましょう。

控えで対応できないときには、住んでいる自治体で「納税証明書」を発行してもらう方法があります。住民税は市町村の管轄ですので、市町村の役所へ行き、納税証明書の発行を受ければ、住民税決定通知書の代用として使用できる事が多くなっています。

住民税決定通知書についてのおさらい

・住民税決定通知書とは、毎年5月から6月ごろに渡される、住民税の課税内訳や金額を納税者に通知する為の書類。特別徴収の時には勤務先から、普通徴収の場合は自治体から納付書と一緒に送付されてくる。

・紛失した場合の再発行は、会社から発行された時には控えがある場合があるので確認する。もしも、会社側で控えを保管していない、対応できない場合には市町村の役所に行って、納税証明書を発行してもらうと、代用できる事が多い。