弁理士は、特許や実用新案などを取得する企業にとってなくてはならない存在です。
弁理士は国家資格で、弁理士になるためには弁理士試験に合格し、弁理士登録をする必要があります。

この記事では、弁理士試験について、受験資格や日程などの概要、受験科目などの基本的なことから、難易度や試験対策など試験に挑む前にぜひ知っておきたい情報までを解説していきます。

弁理士試験とは

弁理士の仕事

弁理士試験について説明する前に、弁理士の仕事について簡単に紹介します。

弁理士とは、工業所有権に関する事務手続きを代理して特許庁に行うことのできる資格を持った人です。
特許権、実用新案権、意匠権、商標権などの知的財産権の取得にあたり、特許庁への出願手続きを代理で行うのがおもな仕事です。

「弁理士」という名称からはどんな仕事をしているのか想像がしにくいですが、ひとことでいうと知的財産に関するスペシャリストといえるでしょう。

代表的な勤務先は特許事務所ですが、近年は企業の知財部に所属する弁理士も増えてきています。

弁理士になるには?

弁理士は国家資格です。弁理士になるためには、まず弁理士試験に合格する必要があります。
弁護士試験に合格した後、定められた実務修習を修了し、弁理士登録をすることで、弁理士としての仕事に従事することができます。

弁護士の資格を有している人、特許庁において審判官又は審査官として審判又は審査の事務に従事した期間が通算して7年以上になる人は、弁理士試験が免除されます。
該当する人は、弁理士試験の合格者と同じように定められた実務修習を修了することで、弁理士登録をすることができます。

弁理士試験の概要


弁理士試験は毎年1回、全国の主要都市で行われます。試験の概要を確認しておきましょう。

受験資格

弁理士試験に特別な受験資格はありません。
年齢、学歴を問わず誰でも受験することができます。

参考までに令和2年度の合格者のうち、最年少は22歳、最年長70歳でした。

試験の日程

弁理士試験はいくつかのステップに分かれます。
「短答式筆記試験」→「論文式筆記試験(必須科目・選択科目)」→「口述試験」の順に行われ、それぞれに合格しないと次のステップに進むことができません。

受験願書出願から合格発表までの日程は、毎年1月中旬頃に官報で公告されます。
令和3年の日程は次の通りです。

■願書請求■
願書は次のいずれかの方法で入手できます。

1.インターネットから請求
受験願書専用ページにアクセスしメールアドレスとパスワードを入力すると確認メールが届くので、メールにあるURLからログインし必要事項を入力します。
すると入力した情報が印字された願書が郵送で届きます。

期間:令和3年3月1日(月曜日)9時00分~令和3年3月26日(金曜日)23時59分まで

2.郵送で請求
特許庁宛に郵送で請求します。封筒には「弁理士試験受験願書請求」と朱書し、返信用封筒を同封します。

期間:令和3年3月1日(月曜)~令和3年5月21日(金曜日)(必着)

3.直接交付
特許庁、日本弁理士会のほか、各地の経済産業局で直接交付を受けることもできます。身分証明書を持参しましょう。

期間:令和3年3月1日(月曜日)~令和3年5月21日(金曜日)9時~17時

■願書受付■
弁理士試験の受験願書の受付は郵送のみの受付です。特許庁に直接持って行っても受け付けてもらえないので注意してください。

期間:令和3年3月1日(月)~令和3年5月21日(金)(消印有効)

■受験票発送■
令和3年7月2日(金)(予定)
■試験日程■
試験は「短答式筆記試験」「論文式筆記試験」「口述試験」の順に実施されます。
ぞれぞれ前の試験に合格した人が次の試験に進めます。

短答式筆記試験:令和3年7月19日(日)
論文式筆記試験(必須科目) :令和3年8月29日(日)
論文式筆記試験(選択科目) :令和3年9月19日(日)
口述試験:令和3年12月18日(土)20日(月)の いずれかの日

受験料

受験料は12,000円で、受験願書に特許印紙を貼り付けることで納入します。
特許印紙は全国に郵便局と特許庁の印紙販売所で販売しています。収入印紙と間違えないように注意してください。

受験地

各試験の受験地は次の通りです。

短答式:東京・大阪・仙台・名古屋・福岡
論文式:東京・大阪
口述:東京

具体的な試験会場は6月下旬に発表されます。

弁理士試験の試験科目・特徴

看護師国家試験
各試験の科目は次の通りです。各試験には免除制度がありますが、それぞれ必要な手続きがありますので、免除制度を活用する場合は手続きを忘れないようにしてください。

①短答式試験

-試験科目(全60問)-
特許・実用新案に関する法令(20問)
意匠に関する法令 (10問)
商標に関する法令 (10問)
工業所有権に関する条約 (10問)
著作権法及び不正競争防止法 (10問)

-試験の方法と時間-
試験は五肢択一のマークシート方式、試験時間は3.5時間です。
ゼロ解答といわれる、五肢に加え「いずれにも該当しない」という選択肢を設けた設問はありません。

-免除制度-
論文式筆記試験(必須科目)合格者は2年間、同試験が免除されます。
ほか、工業所有権に関する科目の単位を修得し大学院を修了した人、特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した人は、特許・実用新案、意匠、商標の科目が免除されます。

②論文式試験

論文式試験は「必須科目」と「選択科目」があり両方に合格する必要があります。
「必須科目」と「選択科目」の試験は別日に実施されます。

【必須科目】
-試験科目-
必須科目:工業所有権に関する法令(特許・実用新案、意匠、商標)

-試験時間-
特許・実用新案:2時間/意匠:1.5時間/商標:1.5時間

-免除制度-
論文式筆記試験(必須科目)の合格者は2年間、同試験が免除されます。
特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した人も免除対象です。

【選択科目】
下記より1つを選択します。
-試験科目-
理工Ⅰ(機械・応用力学) :材料力学、流体力学、熱力学、土質工学
理工Ⅱ(数学・物理) :基礎物理学、電磁気学、回路理論
理工Ⅲ(化学) :物理化学、有機化学、無機化学
理工Ⅳ(生物): 生物学一般、生物化学
理工Ⅴ(情報): 情報理論、計算機工学
法律(弁理士の業務に関する法律): 民法

-試験時間-
1.5時間

-免除制度-
論文式筆記試験(選択科目)合格者は永続的に免除されます。
他、修士、博士又は専門職の学位を有し、工業所有権審議会の審査を受け免除資格の認定を受けた人も免除対象です。
また、特定の公的資格を有している人も免除制度があります。

詳しくは 令和3年度弁理士試験受験案内 をご確認ください。

③口述試験

-試験科目-
工業所有権(特許・実用新案、意匠、商標)に関する法令

-試験時間-
3科目(特許・実用新案、意匠、商標)それぞれについて10分程度

-免除制度-
特許庁において審判又は審査の事務に5年以上従事した人は口述試験が免除されます。

弁理士試験の難易度

KJ法
士業といわれる資格の試験は難易度が高いといわれますが、弁理士はどうなのでしょうか。

弁理士試験の合格率

令和2年度の合格率は9.7%、令和元年度は8.1%でした。合格者の平均受験回数はいずれの年も4.1回となっています。
合格までには何年かを要し合格者も10人に1人未満の弁理士試験は、なかなかの難関だといってよいでしょう。

必要な勉強時間はどのくらい?

弁理士試験合格までに要する勉強時間は3,000時間が目安といわれます。これは、1年間毎日勉強したとして1日8時間に相当します。

弁理士試験の職業別受験者の内訳をみると、無職の人は6.6%、学生が3.1%です。それ以外の人は何らかの仕事をしながら資格取得に挑んでいることになりますので、毎日8時間を勉強に費やすのはかなり難しいのではないでしょうか。

免除制度を上手に活用し、複数年かけて合格を目指すことも、ひとつの方法として考えてもよいでしょう。

弁理士試験の勉強方法と対策

雇用契約書

①短答式試験の対策

弁理士試験に合格するには、まず短答式試験を突破しなくてはなりません。1年目の試験で短答式には絶対に合格する気持ちで気合を入れて試験対策することをおすすめします。

短答式試験の勉強法としては、とにかく多くの過去問を解くことです。テキストを読む、講義を繰り返し聞くというインプットも基本ですが、過去問を解くというアウトプットも意識することが大事です。

特許庁のホームページに過去の問題が掲載されていますので、時間を計って過去問を解く、を繰り返してください。

②論文式試験の対策

論文式試験の対策としては、まず「論文に慣れる」ことが大事です。多くの人は論文を書くことに慣れていません。まずは本数をこなすことから始めてみましょう。

ある程度論文を書くことに慣れたら、加点に繋がる書き方を習得していくことになります。参考答案が掲載されている過去問集などを利用して、より得点の高い答案を書く力をつけていきましょう。
近くに弁理士試験の合格者がいれば、積極的に答案を見せてフィードバックをもらうことをおすすめします。

③口述試験の対策

令和2年度の口述試験の合格率は98.6%です。対策さえしていれば合格は難しくありません。
とはいえ、口述試験は知識とは別のスキルが必要になります。緊張して実力が出せないのではもったいない話です。

口述試験の模範やり取りが紹介されているテキストなどを読み見込むのはもちろん必要ですが、積極的に実践の機会を作って場数を踏むことがなによりの対策になります。
弁理士会派が行う答練会などには積極的に参加しましょう。

まとめ この記事のおさらい

  • 弁理士は国家資格で、弁理士試験に合格し弁理士登録をすることで弁理士としての業務に従事できます。
  • 弁理士試験は毎年1回、全国の主要都市で実施されます。
  • 試験は「短答式筆記試験」「論文式筆記試験」「口述試験」の順に実施され、前の試験に合格した人が次の試験に進めます。
  • 各試験には、合格から2年以内は試験免除などの免除制度があります。
  • 弁理士試験は難関といわれ、令和2年度の弁理士試験の合格率は9.7%、合格者の平均受験回数は4.1回でした。
  • 弁理士試験合格までに必要な勉強時間は3,000時間が目安といわれています。

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